米・英・ロシア・中国メディア;日銀の追加刺激策の評価は?(2016/08/01)
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)は7月27日、雇用の急減速や英国の欧州連合(EU)離脱決定の影響に鑑み、追加利上げの見送りを決めた。ただ、米国内個人消費などの経済指標は良好で、米国の株価が最高値圏で推移していることから、9月のFOMCでは追加利上げに踏み切る可能性が高まっている。一方、7月29日の日銀の金融政策決定会合で決定された追加緩和策は、市場の予想を下回る小規模のものだったとして、日本及び世界市場の評価は総じて低い。
7月29日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』記事引用):「日銀、世界経済の不透明さもあり、追加刺激策決定」
「●日銀の7月29日の金融政策決定会合において、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れ額を現在の年3兆3千億円からほぼ2倍の6兆円(570億ドル)に増やすことを決定。
●今週初め、安倍首相が28兆円(2,670億ドル)に上る新たな経済対策を発表していることから、日銀としても連動する積極策を打ち出す必要性。...
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7月29日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』記事引用):「日銀、世界経済の不透明さもあり、追加刺激策決定」
「●日銀の7月29日の金融政策決定会合において、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れ額を現在の年3兆3千億円からほぼ2倍の6兆円(570億ドル)に増やすことを決定。
●今週初め、安倍首相が28兆円(2,670億ドル)に上る新たな経済対策を発表していることから、日銀としても連動する積極策を打ち出す必要性。
●但し、この金融緩和策は市場の予想より小規模のものとの評価から、日経平均株価は最初2%近く下落で取引(終値は、前日比+0.6%の16,569.27円)、また、円も前日の104.80円から+1.2%の103.55円に上昇。
●黒田東彦総裁は、マイナス金利政策の変更はしなかったものの、追加の金融政策が必要な場合には、更に追加政策を実施する余地はあるとし、また、目標の消費者物価2%上昇についても早期に実現したいと発言。」
同日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「日銀、強烈な刺激策導入には抵抗」
「●日銀は、ヘリコプター・マネー(注後記)と呼ばれる強烈な刺激策はとらず、市場が期待するより比較的小規模な政策決定であったため、7月29日の円相場は一時的に約3%上昇。
●黒田総裁は、日銀の金利や総量規制緩和政策が限界にきているとの指摘は否定し、過去3年の大胆な金融緩和政策を一度レビューする時期だと発言。」
同日付英
『ロイター通信英国版』:「米国GDP増が矮小でドル安に、一方、日銀の限定的緩
和策で日本の国債は下落」
「●米国の第二四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の上昇率は、企業による設備投資や住宅投資が5年振りに落ち込んだことから、専門家の予想より遥かに低く、7月29日の市場はドル安に移行。
●一方、日銀の7月29日決定の追加緩和策が小規模だったことから、日本の国債価格は下落(利回りは上昇)。」
7月30日付ロシア
『ロシア・ヘラルド』紙:「日銀の刺激策に投資家失望、円・国債利回り・
株価は上昇」
「●日銀の追加刺激策が小規模だったことに投資家が失望し、7月29日の円相場は一時1.9%上昇の103.31円を付け、一方ドルは今月最大の下落で他主要通貨に対しても同様全面安。
●日本の10年国債も2008年4月以来一日としては最大の利回り上昇(価格は下落)。
●日経平均株価は、一時1.8%下落したが、終値は+0.6%上昇。
●世界の株式市場は、上海総合指標は▼0.5%、香港ハンセン指数は▼1.3%、韓国▼0.2%、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル指数)のアジア太平洋地域株式指数は▼0.64%下落、一方、FTSユーロ300指数は+0.4%、ドイツ株価指数(Dax)も+0.4%上昇。」
同日付中国
『上海日報』:「日銀追加刺激策決定も投資家は失望」
「●日銀の追加刺激策は、全審議委員9名の内、賛成7票、反対2票による採択。
●ある金融エコノミストは、ETF買い付け額の倍増だけでは、日銀目標の物価2%上昇の達成はおぼつかず、また、量的緩和やマイナス金利政策も限度に近づいていると厳しい評価。」
(注)ヘリコプター・マネー:あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策。米国の経済学者フリードマンが著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来。中央銀行による国債の引き受けや政府紙幣の発行などがこれにあたる。
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米・英・ロシア・中国メディア;熊本地震の恐怖報道(2016/04/15)
4月14日夜に発生した、熊本県熊本地方を震源とする地震について、各国メディアがその恐怖について一斉に報道している。
4月15日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用)の報道記事「日本南部を襲った地震で9人死亡、800人負傷」:
「・4月14日午後9時26分、日本南部の熊本県を襲ったマグニチュード6.5の地震で、9人が犠牲となり、約800人が負傷、そして約4万4千人が避難。
・震源地至近の益城町(熊本市の約15キロメーター南東)では、家屋の倒壊が相次ぎ、犠牲者のうち8人が同町で被災。
・菅官房長官は、少なくとも860人が負傷し、うち53人が重傷と発表。...
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4月15日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用)の報道記事「日本南部を襲った地震で9人死亡、800人負傷」:
「・4月14日午後9時26分、日本南部の熊本県を襲ったマグニチュード6.5の地震で、9人が犠牲となり、約800人が負傷、そして約4万4千人が避難。
・震源地至近の益城町(熊本市の約15キロメーター南東)では、家屋の倒壊が相次ぎ、犠牲者のうち8人が同町で被災。
・菅官房長官は、少なくとも860人が負傷し、うち53人が重傷と発表。
・また、1,600人の自衛隊員も加わって救助に当っているともコメント。
・なお、日本で唯一稼働している九州電力の川内原発は、震源地から120キロメーター北東に位置するが、これまでのところ地震による異常事態は発生していないとも追加。」
同日付米
『ロイター通信米国版』の報道記事「日本南西部の地震で9人が犠牲」:
「・熊本地震のため、広い地域で停電、断水が発生し、被災者に厳しい試練。
・また、4月15日未明以降も130回以上の余震が発生しているが、当局(福岡管区気象台)は、今後1週間ほど同レベルの激しい余震が続く恐れがあるとして注意喚起。
・400年前に建てられた名所の熊本城(国の重要文化財)の屋根瓦が崩れる被害。
・東京株式市場は前日比▼0.4%下落したが、地震による影響は九州地区の企業株式のみで、全体としては限定的(編注;終値は▼63.02円下落の16,843.03円だが、前3日間で1,100円上昇したことに対する反発と予想)。
・なお、2011年の東日本大震災時、被害に遭った部品工場の操業停止で、多くの自動車会社の生産に影響が出たが、それ以降の供給先分散化が進み、今回大きな影響とはならない見込み。」
同日付英
『ジ・インディペンデント』紙の報道記事「日本南部の地震で8ヵ月の赤ちゃん救出」:
「・被害が最もひどかった益城町の倒壊家屋の中から、消防隊員が8ヵ月の赤ちゃんを救出。
・安倍首相は4月15日朝、地震の犠牲者に哀悼の意を表明。」
同日付ロシア
『ロシア・ヘラルド』紙の報道記事「日本南部を激しい地震が襲う」:
「・米地震調査所は初め、マグニチュード6.2で震源の深さは23キロメーターと発表。
・ただ、地元当局の発表では、マグニチュード6.4で震源の深さは10キロメーター、また、日本の地震計測値で震度は7。
・震度7を記録する地震は、2011年の東日本大震災以来。
・安倍首相はすぐさま、地震対策室を立ち上げ、関係省庁に災害応急対策に当るよう指示。」
同日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『新華社通信』記事引用)の報道記事「日本南西部の地震被害で救助隊を増強」:
「・熊本地震発生に伴い、自衛隊員が駆り出され救助活動を展開。
・安倍首相も、被災者に最大限の支援を行うと発言。
・日本の地震計測値で震度7の地震であったが、2011年の東北地方を襲った大地震の際に1万6千人もの犠牲者を出した津波は発生していない。」
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