英・中国間スパイ摘発合戦【英・中国メディア】(2024/06/05)
英国当局は、今年4月に2人の英国人政府関係者、また5月には3人の駐ロンドン香港行政府関係者らを中国政府のためにスパイ活動を行った容疑で逮捕・起訴した。そしてこの程、今度は中国当局が、2人の中国人政府関係者を英国政府のためのスパイ活動容疑で逮捕している。
6月3日付英国
『メールオンライン』、
『ザ・サン』紙、6月4日付中国
『チャイナ・デイリィ』紙等は、中国当局が2人の中国人政府関係者を英国政府のためにスパイ活動を行った容疑で逮捕したと報じている。
英国政府は今年4月、中国政府のために機密情報を収集して不正に提供していたとして、2人の英国人を逮捕・起訴した。
更に5月中旬、駐ロンドン香港行政府外交官ら3人を、昨年制定されたばかりの「国家安全保障法(注後記)」違反容疑で逮捕・起訴した。...
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6月3日付英国
『メールオンライン』、
『ザ・サン』紙、6月4日付中国
『チャイナ・デイリィ』紙等は、中国当局が2人の中国人政府関係者を英国政府のためにスパイ活動を行った容疑で逮捕したと報じている。
英国政府は今年4月、中国政府のために機密情報を収集して不正に提供していたとして、2人の英国人を逮捕・起訴した。
更に5月中旬、駐ロンドン香港行政府外交官ら3人を、昨年制定されたばかりの「国家安全保障法(注後記)」違反容疑で逮捕・起訴した。
これに対して中国政府は、“「中国スパイ活動」を捏造して、中国のイメージに泥を塗ろうとする行為に断固反対する”と非難する声明を発表している。
そうした中、中国国家安全部(1983年設立の情報機関)が6月3日、英国の情報機関MI6(1909年設立)に抱き込まれて中国の機密情報収集活動を行っていた容疑で、中国人の国家機関職員夫婦を逮捕したと発表した。
逮捕されたのは、当局の発表では“王(ワン)”と妻の“周(チョウ)”の2人で、前者は2015年に英国留学して以来、MI6に絡み取られて高額報酬を得る代わりに中国国家機関の内部情報を提供、また、妻も夫の誘いで同様の活動を行うようになったという。
その後、同夫婦が帰国して中国政府機関に勤務することになったことから、MI6は帰国前にスパイ活動訓練を受けさせた上で、帰国後以降も本格的な機密情報収集活動に専念させたとしている。
これに対して英国首相府報道官は、“英国政府は長年の間、諜報機関の活動について一切コメントしない方針を取っている”として、具体的なコメントを控えている。
(注)国家安全保障法:外国からの敵対的な活動(スパイ活動、政治システムへの干渉、妨害 行為、偽情報、サイバー攻撃等)の脅威を抑止・発見・根絶するために2023年7月に制定された新法。国家安全保障、国民の安全、英国の重要な利益を保護する目的で、適切な犯罪類型の創設、関係機関の権限強化などを行う。
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中国海警局、尖閣諸島周辺航行の同局艦に対する海上保安庁からの領海退去警告を無視して逆に日本船舶による中国領海侵入だと非難【米・中国メディア】(2024/01/29)
『NHK』や
『読売新聞』等の報道では、海上保安庁(1948年設立)が1月27日午前に尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した中国海警局(2018年に分散組織を統合して設立)の船舶2隻に対して、領海からの即時退去を警告し、同船舶は同日午後6時過ぎに退去したとされている。しかし、米・中国メディア報道によると、同局側は全く反対に、むしろ同庁巡視船等が中国領海に侵入したとして非難したとされている。
1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。...
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1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。
同局の敢禹報道官(カン・ユー)は、“釣魚諸島は歴史的に中国の固有の領土であり、これらの日本船舶は違法に領海侵入した”と発表した。
その声明の中で、同報道官は、“中国領海に侵入しての活動を即刻中止して退去すること、更に同様のことを二度と繰り返してはならない”と同船舶に警告したと言及している。
中国は、曖昧な歴史的見解を以て、東シナ海の同諸島はもとより、台湾、更には南シナ海のほとんどの海域を中国固有の領土だと主張してきている。
なお、尖閣諸島は第二次大戦後、米国が同諸島を含む琉球群島を統治下に置いていたが、1972年に日本に返還されている。
(注)無主地先占の法理:いずれの国にも属していない無主の土地を、他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって、自国の領土とする国が、先に先占を宣言し、実効支配している、とする論理。これに基づき、日本は1895年1月、正式に尖閣諸島を領土とすると宣言。
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