3月10日付米
『Foxニュース』、英国
『ジ・インディペンデント』等が
『AP通信』の記事を引用して、WBC日韓戦の始球式に岸田文雄首相が登場したと報じている。
岸田文雄首相は3月10日夜、WBC日韓戦の始球式に登場して、捕手役の栗山英樹監督(61歳、2021年就任)に向けてワンバウンドのボールを投じた。
同首相は、高校時代に野球選手だったが、現在も出身地の広島カープのファンを公言し、野球との関わりは深い。
ただ、彼の日韓戦前の登場は、甚だ象徴的意味を持つ。
何故なら、戦後最悪となっている日韓関係改善のため、来週初来日する尹錫悦大統領と会談することになっているからである。
韓国側では3月6日、両国間の大きな懸案事項となっている徴用工への賠償について、韓国の財団が肩代わりするとの解決策を発表している。
一方、同首相が外相時代の2015年末、同じく懸案となっていた“慰安婦”問題に関わる日韓両政府合意に漕ぎ着けている。
なお、同首相は就任以来、高い支持率を得ていたが、昨年7月に安倍晋三元首相(享年67)の暗殺事件を契機に、急落している。
何故なら、同事件の犯人が、韓国発祥の旧統一教会(1954年設立)への恨みによって犯行に及んだと自白している上、同元首相含めて、与党・自民党と同団体との数十年に及ぶ蜜月関係が明らかになっているからである。
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米中関係は、2月初めの中国偵察気球の撃墜以来、更に緊張度が増している。そうした折り、南シナ海を飛行中の米軍哨戒機に対して、中国戦闘機が異常接近してきて1時間余りも挑発飛行を行ってきた。なお、同哨戒機は、同海域を更に南下したところで、今度は中国軍艦からも脅しの警告を受けている。
2月25日付
『Foxニュース』は、「中国戦闘機、米軍哨戒機に500フィートまで異常接近して中国領空からの退去を要求」と題して、異常接近事態について詳報している。
米海軍機が2月24日、南シナ海上空を飛行中に、中国空軍の地上局からスクランブル発進をかけるとの警告を受信した。
『NBCニュース』報道によると、米海軍P-8哨戒機は、南シナ海の中国領空外を飛行中であったにも拘らず、“これ以上近づくと、それ相応の対応を仕掛ける”と脅す警告であった
という。
警告から間もなく、中国軍戦闘機が異常接近してきて、当該哨戒機の左翼から僅か500フィート(約150メートル)の至近距離を1時間余りも並進したという。
米軍高官によれば、このような異常接近は南シナ海でしばしば起こっているという。
この背景には、中国が南シナ海の広い範囲に点在する多くの無人島を自国の主権内領土だと強硬に主張していることがある。
同機のウィル・トラ-ソン機長は、同乗している『NBCニュース』記者のインタビューに答えて、“(接近してくるに当たって)我々の問いかけに何ら返答してこないことがよくある”とコメントした。
また、嘉手納米軍基地のマーク・ハインズ司令官は、“米海軍に所属して18、19年経つが、最近南シナ海ではこのような事態が異常なくらい多く発生している”とし、中国が同海域に人工島上に滑走路を建設して以来の事態につき言及している。
更に、米国が今月初め、米領空上を飛行していた中国偵察気球を撃墜して以来、米中間の緊張度が高まっている。
そこで、アントニー・ブリンケン国務長官(59歳、2021年就任)が撃墜から約2週間後に王毅中央外事工作委員会弁公室主任(ワン・イー、69歳、外交部門トップ、2023年就任)と面談した際、“(偵察気球の米領空侵入という事態は)二度と引き起こしてはならない”と釘を刺している。
王氏から何ら謝罪の言葉はなかった模様であるが、中国はこれまで、米国側の撃墜事態について、“ヒステリック”で国際法上“道理を欠いた”行為だと公に非難している。
同日付『ニューヨーク・ポスト』紙は、「中国戦闘機、米軍哨戒機に中国領空から退去を要求」として、当該哨戒機が中国軍艦からも警告を受けた旨報じている。
米哨戒機に同乗していた『CNNニュース』記者の報道によると、同機が2月24日、南シナ海の中国領空より30マイルほど離れた空域を飛行中、中国軍戦闘機が突然接近してきて、中国領空から即時退去するよう要求してきたという。
中国軍パイロットは、“米軍機は中国領空の12海里(約22キロメートル)内に入っているので、即刻退去しない場合、それ相応の事態が起きることになる”と脅してきたという。
米哨戒機のパイロットのニッキー・スローター大尉は、中国軍機が空対空ミサイルを搭載していることを見咎めたことから、“こちらは米海軍機P-8Aだが、西方に飛行していくので、左翼を並進しないよう求める”と送信した。
しかし、同大尉によると、中国軍機からは何の応答もなく、それから15分余りも米軍機の左翼から数百フィート近くを並進し続けたという。
これに関し、嘉手納基地のハインズ海軍司令官は『CNNニュース』のインタビューに答えて、“南シナ海におけるいつもの金曜午後の事態だ”と軽視するコメントをした。
しかし、今回の事態はまだ続きがあった。
同哨戒機が更に南下して、フィリピン沖まで飛行していったところ、中国軍のミサイル駆逐艦を見咎めたので、スローター大尉が同機を1千フィート(約300メートル)まで近づけたところ、同艦から警告無線を受信したという。
すなわち、同艦から、“米軍機に告ぐ、こちらは中国海軍艦173であるが、かなり接近してきているので、その意図を明らかにせよ”と言ってきた。
同大尉は、安全な距離を保っていると即答したが、同艦は更に、“米軍機は明らかに当艦を危険に曝している”と反論してきた。
そこで同大尉は、“当機は貴艦から十分安全は距離を保って飛行している”とした上で、“当機はこのまま任務を続ける”と強調したという。
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