米・英・ロシア・韓国・中国メディア;安倍首相、真珠湾で慰霊(2)(2016/12/28)
12月27日付
Globali「安倍首相、真珠湾で慰霊」の中で、“日本の首相の真珠湾訪問について、欧米メディアは概ね好意的に報じているが、何かと日本に対抗しようとしている中国メディアは、偽善的な訪問と表現し、米国との和解というより悲惨な歴史を忘却の彼方に追いやろうとしているものだと酷評している”と報じた。そして、オバマ大統領とともにアリゾナ記念館(真珠湾攻撃犠牲者の追悼施設)を慰霊訪問した安倍首相は、改めて不戦の誓いと日米同盟の盤石さについてスピーチした。しかし、韓国メディアは日本の一部の市民団体が“アジア各地でも献花・謝罪”を求めたニュースを引用して、安倍首相の行動を偏ったものと批判すれば、中国外交部は例によって、歴史認識をせずに第二次大戦のけりを付けようとすることは認められず、まず中国含めた侵略戦争の被害を受けた国々に謝罪するべきだと主張している。
12月27日付米
『CNNニュース』:「安倍・オバマ両氏、真珠湾でのセレモニーで同盟関係の盤石さを再確認」
「●安倍晋三首相とバラク・オバマ大統領は12月27日、真珠湾を慰霊訪問した際のセレモニーで、両国間の同盟関係が盤石であることを再確認。
●その際オバマ氏は、ドナルド・トランプ次期大統領の保護主義政策を慮って、国民には内向きな対応を取ることのないよう求める旨発言。
●一方、安倍氏は、両国首脳の真珠湾訪問は日米関係の和解の象徴であり、また、改めて不戦の誓いをすると宣言。...
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12月27日付米
『CNNニュース』:「安倍・オバマ両氏、真珠湾でのセレモニーで同盟関係の盤石さを再確認」
「●安倍晋三首相とバラク・オバマ大統領は12月27日、真珠湾を慰霊訪問した際のセレモニーで、両国間の同盟関係が盤石であることを再確認。
●その際オバマ氏は、ドナルド・トランプ次期大統領の保護主義政策を慮って、国民には内向きな対応を取ることのないよう求める旨発言。
●一方、安倍氏は、両国首脳の真珠湾訪問は日米関係の和解の象徴であり、また、改めて不戦の誓いをすると宣言。」
同日付米
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュース(
『ロイター通信』配信):「安倍首相、歴史的な場所である真珠湾を訪問し哀悼の意を表明」
「●安倍首相とオバマ大統領の今回の真珠湾訪問は、トランプ次期大統領就任の僅か数週間前に実施されたが、中国の益々の台頭や、トランプ氏の対日政策に不透明さが覗えることから、両国間の同盟関係を強調しておくという意味があったと評価。
●なお安倍氏は、(真珠湾攻撃についての)謝罪の言葉は発しなかったが、代わりに犠牲者の御霊に哀悼の意を表すると発言。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『AP通信』配信):「日本の首相、真珠湾を歴史的訪問し
て犠牲者に哀悼の意を表明」
「●現職の日本の首相と米大統領が、揃ってアリゾナ記念館を慰霊訪問するのは初めて。
●オバマ大統領はスピーチで、両国間が敵同士で戦った悲惨な過去にも拘らず、安倍首相の真珠湾慰霊訪問によって、日米両国が和解に至ったことを象徴し、両国の同盟関係をより盤石にするものと発言。
●米大統領府のダニエル・クリテンブリンク主任補佐官(アジア担当)は、(オバマ大統領就任時の)8年前には想像もつかなかったことだが、今年5月のオバマ氏の広島訪問及び今回の安倍氏の真珠湾訪問が実現したことは、正に両国が友好関係を強化しようとした努力の成果だと強調。」
12月28日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「日本の
首相、1941年の真珠湾攻撃による犠牲者を追悼」
「●安倍首相は、1941年12月7日の旧日本軍による真珠湾攻撃によって犠牲になった米国軍人・市民の追悼施設を、オバマ大統領と訪問。
●安倍氏は共同記者会見で、真珠湾の犠牲者に深く哀悼の意を表する旨コメント。」
一方、同日付韓国
『KBSニュース』:「日本の市民団体、安倍氏にアジアの犠牲者への謝罪
を要求」
「●
『共同ニュース』によると、“村山首相談話を継承する会”と名乗る市民団体が12月27日、安倍首相には真珠湾だけでなく、アジア侵略の犠牲者に謝罪するべきだと表明。
●同団体の代表は、安倍首相にはハワイ訪問の帰路シンガポールに赴き、虐殺犠牲者追悼碑に献花して欲しいと発言。
●また別の代表は、オバマ大統領が広島訪問時に被爆者と面談したことを引き合いに出し、安倍氏は韓国も訪問して、従軍慰安婦に直接会うべきだと主張。」
また、12月27日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『新華社通信』配信):「安倍氏の真
珠湾訪問について、真の和解には誠実な反省こそが“唯一重要なこと”と中国がコメント」
「●中国外交部(省に相当)の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は12月27日、安倍首相の真珠湾訪問について、第二次大戦を勝手に終わらせようとする一方的な政治的対応に過ぎないと酷評。
●旧日本軍の侵略の犠牲となった、中国含めたアジアの国々に対して謝罪をしようとせず、(侵略の歴史を)過去のものとすることはできないともコメント。
●更に、過去への誠実な反省なくば、アジア諸国との真の和解は成り得ないとも発言。
●なお統計によると、中国軍人や市民の死傷者は3,500万人にも上り、第二次大戦全体の犠牲者の3分の1にも相当。」
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米・英・フィリピン・中国メディア;二枚舌(?)のフィリピン大統領(2016/10/25)
10月21日付【
時流:読みにくいドゥテルテ大統領・25日に日本訪問】の中で触れられているとおり、10月18~21日に訪中したフィリピンのドゥテルテ大統領は、“軍事的にも経済的にも米国と決別する”と述べて、中国からの巨額な経済支援を得るため、中国寄りの方針を前面に出した。しかし、その舌の根も乾かないうちに、米国政府特使を迎えて、更には、米国の強力な同盟国である日本訪問を前にして、“米国が唯一の軍事同盟国”と手のひらを返す発言をしている。
10月25日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドゥテルテ氏、日本側の懸念に対して“米同盟関係は継続”と説明」
「●
『共同ニュース』報道によると、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月24日、日本側報道陣に対して、米国との軍事同盟関係は今後も継続するし、その他の国と軍事同盟を結ぶ意向はないと発言。
●更に、米国と決別すると訪中の間に述べたのはあくまで個人的見解で、また、中国とは経済連携のみの話と付言。...
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10月25日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドゥテルテ氏、日本側の懸念に対して“米同盟関係は継続”と説明」
「●
『共同ニュース』報道によると、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月24日、日本側報道陣に対して、米国との軍事同盟関係は今後も継続するし、その他の国と軍事同盟を結ぶ意向はないと発言。
●更に、米国と決別すると訪中の間に述べたのはあくまで個人的見解で、また、中国とは経済連携のみの話と付言。
●同大統領は10月25日から訪日するが、まず岸田文雄外相との晩餐、そして翌日には安倍晋三首相と会談予定。」
同日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「日本側、フィリピン大統領の外交方針やマナーに懸念」
「●10月25~27日にドゥテルテ大統領を迎える日本側は、米国に対する否定的な外交方針も然ることながら、天皇陛下に謁見する際、ガムを噛むなどの非礼を演じないか懸念。
●同大統領は先週に中国の習近平(シー・チンピン)主席と会談した際、ポケットに手を入れたまま会場入りしたり、共同会見の際にガムを噛んでいる姿がテレビ報道。
●菅官房長官は会見で、日本としては南シナ海問題が平和裏に解決に向かうよう、今後もフィリピンとの戦略的連携を保っていくと発言。」
同日付フィリピン
『マニラ・ブルティン』:「フィリピン、米国との同盟関係は継続として
米側懸念払拭」
「●米国特使としてフィリピン訪問中のダニエル・ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)に対して10月24日、フィリピン側は、米国との同盟関係はこれまでと変わるものではなく、従って米国資本の引き上げを考える必要もないと強調。
●フィリピン大統領府のアーネスト・アベラ報道官は、大統領が中国で行った米決別発言の意図は、大小合わせて年間28度に上る合同軍事訓練を差し控えるというものであり、また、米国との経済連携を止めるということでもないと釈明。」
同日付中国
『人民日報』:「米国、フィリピンに対して依然同盟関係にあると強調」
「●フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相と会談したラッセル国務次官補は、フィリピンが米国と中国のどちらを選ぶのかと迫る意向はなく、また、中国との関係改善を心掛けることも歓迎するが、しかし、米国の権益を損なうような事態は望まないと強調。
●ドゥテルテ大統領は10月25日から訪日するが、恐らく日本側は、経済援助を盾にして、同大統領に米国との関係修復を迫るものと推測。」
一方、同日付米
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』配信):「フィリピンのドゥテルテ大
統領、“自分の任期中”は米・比防衛条約はないものとするよう米側に要求」
「●訪中前に会見したドゥテルテ大統領は10月25日、自身が大統領在任中は、米比相互防衛条約新規協定(EDCA、注後記)はないものとするよう米側に要求すると発言。
●同大統領は、米国がフィリピンを“鎖に繋がれた飼い犬”のように扱うことを望まないし、また、同国内にフィリピン軍以外の軍隊の駐留がなくなる日が来ることを願うとも付言。」
(注)EDCA:1951年8月調印の米比相互防衛条約(相互防衛のための安全保障条約)を強化、見直ししたもので、1992年以降撤退していた米軍駐留を再開し、フィリピン軍基地の米軍利用を認めるもの。南シナ海進出を強める中国を牽制する目的で2014年4月に締結。
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