台湾初の潜水艦で対中防衛強化
28日台湾で初めて建造された潜水艦の進水式が行われた。台湾は、中国の海洋進出を念頭に、防衛の重要な装備となるとしている。
9月28日付
『AP通信』:「台湾初の自前潜水艦試験」:
台湾総統は28日、高雄港で台湾で初となる自前潜水艦の進水式を行った。
蔡英文氏は「これまで自前の潜水艦は不可能とされてきた。成功すれば、この潜水艦は台湾にとり画期的な造船計画となる」、「潜水艦建設は防衛実現をより確かなものとする。台湾海軍にとり、非対称戦争における戦略として重要な設備となる」としている。この潜水艦は、中国の神話に登場する伝説の巨大魚から「Hai Kun」(海鯤)と名付けられたという。...
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9月28日付
『AP通信』:「台湾初の自前潜水艦試験」:
台湾総統は28日、高雄港で台湾で初となる自前潜水艦の進水式を行った。
蔡英文氏は「これまで自前の潜水艦は不可能とされてきた。成功すれば、この潜水艦は台湾にとり画期的な造船計画となる」、「潜水艦建設は防衛実現をより確かなものとする。台湾海軍にとり、非対称戦争における戦略として重要な設備となる」としている。この潜水艦は、中国の神話に登場する伝説の巨大魚から「Hai Kun」(海鯤)と名付けられたという。
式典には、米国の事実上の在北領事であるサンドラ・オウドカーク事務所長や、在北の日本や韓国の事務所長代表者も出席した。米国はこれまで、非対称戦争戦略として、台湾の小型潜水艦等への投資を進めてきた。7年の設計と建設期間を経て、海上試験の開始に至った。
台湾の中央通訊社によると、潜水艦は港と海上での試験に合格すれば軍に提供される。台湾は他の潜水艦の建設も計画しており、成功すれば両方が2027年までに配備される予定。
近年中国は台湾での軍事演習を強化している。28日、中国の防衛省は、潜水艦建設で台湾は「破滅への道を進んでいる」とコメントしている。
同日付米『CNN』:「中国の脅威が高まる中、台湾が初の独自潜水艦発表」
台湾で初建造の潜水艦が28日披露された。蔡英文総統は進水式に出席し、「高まる中国の脅威にあたり、防衛強化の目標達成として潜水艦は重要な装備」であり潜水艦プロジェクトは蔡政権の「最優先事項」だと述べた。
台湾はこの「Narwhal」(潜水艦の英語名)の他、2025年までに3隻を建造予定。台湾は1980年代からオランダ製の潜水艦2隻を有している。台湾の安全保障委員会顧問は、台湾が潜水艦配備することで、中国の軍事力拡散を抑制できるとしている。
台湾海峡は、潜水艦の配備には狭いため、南東方向にあり、台湾とフィリピン、台湾と日本最西端の島を隔てる「バシー海峡」が中国艦隊を標的に展開するのに最も適している。中国の太平洋への進出は、日本、台湾、フィリピンを含む諸島に限られ、海軍が大海に出るには、これら2箇所の戦略ポイントを通過しなければならなくなる。
台湾海軍の黄曙光参謀総長によると、潜水艦の建造プロセスは、限られた予算や世界的半導体不足による延期、中国のスパイ活動への懸念により困難なものであったという。製造には人員1003人が関与し、その多くは設計案の作成に費やされた。情報漏洩のないようセキュリティ監視も万全にされていたという。
予算は15.4億ドルでその6割は海外からの資材や軍事装備の購入に当てられたという。輸出許可をした国は不明だが、米国、日本、韓国、インドとの交渉があったとされる。
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南シナ海:フィリピンが中国設置のブイ撤去
フィリピンは25日、中国が実効支配する南シナ海のスカボロー礁で、フィリピン漁船の航行を妨げている浮遊式の障害物を撤去したと報じられている。
9月25日付英
『BBCニュース』:「南シナ海:フィリピンが沿岸部で中国の障害物を撤去」
フィリピンは、南シナ海へのフィリピン漁船侵入妨害のため中国が設置した浮揚障害物を撤去したと発表。フィリピン沿岸警備隊は、フェルナンド・マルコス大統領の指示があったとしている。
中国は、2012年スカボロー礁を支配し、300mに渡り漁業権を侵害、南シナ海の9割以上の領有権を主張している。沿岸部の行動は、「必要な対策」だったと主張している。...
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9月25日付英
『BBCニュース』:「南シナ海:フィリピンが沿岸部で中国の障害物を撤去」
フィリピンは、南シナ海へのフィリピン漁船侵入妨害のため中国が設置した浮揚障害物を撤去したと発表。フィリピン沿岸警備隊は、フェルナンド・マルコス大統領の指示があったとしている。
中国は、2012年スカボロー礁を支配し、300mに渡り漁業権を侵害、南シナ海の9割以上の領有権を主張している。沿岸部の行動は、「必要な対策」だったと主張している。
フィリピン沿岸警備隊は声明で、中国の行動は「国際法への明らかな違反で、航海に危険が及び、フィリピンの漁業者の漁業と生活を妨害するもの」であり、スカボロー礁は「フィリピンの国土の重要な部分」だと批判している。
フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ提督は、障害物は22日に発見された。フィリピンの船が到着した時、中国沿岸警備隊の船3隻と海事民兵船がブイを設置していた、としている。また、中国船は15回無線でフィリピン船と漁船が国際法及び中国法に違反していると批判してきたが、フィリピン船に居たメディア関係者の存在に気づき退去したという。
日本は南シナ海問題の沈静化が地域の安定に不可欠だとし、松野官房長官は定例記者会見で、「我が国は南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも強く反対する」としている。
南シナ海は魚介類と地下資源の宝庫で、世界の漁船の半数以上が同地域で漁業を行っている。中国の領有権主張には、フィリピンだけでなくベトナム、台湾、マレーシア、ブルネイも反発。米国は、領土権争いに仲介しない立場をとるが、「航行の自由作戦」との名目で、艦船や軍用機を派遣している。中国がスカボロー礁を掌握した後は、ドゥテルテ政権下で関係が改善し、フィリピン漁船の近海漁業が許可されていたが、昨年マルコス政権下に変わり、今年には米軍が軍事基地を使用するのを認めたことで緊張が高まった。
同日付『AP通信』:「フィリピン沿岸警備隊、領有権を争う浅瀬で中国の沿岸警備隊が設置した障害物を撤去」:
フィリピン沿岸警備隊は25日、中国と領有権を争う南シナ海で、マルコス大統領の指示に従った「特別作戦」により、中国当局が設置した浮遊式の障害物の撤去に成功したと発表。全ての障害物を撤去したのかや、中国側の反応については伝えられていない。
フィリピン当局は、スカボロー礁の礁湖への入り口への300mに及ぶ長い障害物設置を国際法への違反であり、フィリピンの主権への侵害だとして批判している。メディアへ公開された沿岸警備隊の動画には、ダイバーがロープの一部を切っている様子が映っている。
フィリピン沿岸警備隊は声明で、「国際法の遵守と漁業者や市民の権利保護に尽力していく」としている。
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