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【Globali】
北極圏:ノルウエー、スバルバール諸島の私有地が競売され中国の関心を引く(2024/05/18)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』5月17日付けは、ノルウエーと北極の間に位置するノルウエー領スバルバール諸島の私有地が競売に出た、と伝えている。この島の競売には中国が関心を寄せているが、ノルウエーとしては、外国人への売却を禁止する方針を打ち出している。
スパルバール諸島は、有人島で、戦略的に重要な位置にある。とりわけ、北極の氷盤が解ける状況下で’北ルート‘での海上輸送が増加している。特に、この海域の海上交通はロシアにとって重要さが増し、中国にとっても、ロシアとの交易で利用頻度が増えるものと見られる。ノルウエーとしては、この諸島をめぐる外国からの干渉を懸念している。
スバルバール諸島は、60km2の面積を持つ、平野と山地と5㎞長さの海岸線と氷河を持つが、これといったインフラを持っていない。...
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スパルバール諸島は、有人島で、戦略的に重要な位置にある。とりわけ、北極の氷盤が解ける状況下で’北ルート‘での海上輸送が増加している。特に、この海域の海上交通はロシアにとって重要さが増し、中国にとっても、ロシアとの交易で利用頻度が増えるものと見られる。ノルウエーとしては、この諸島をめぐる外国からの干渉を懸念している。
スバルバール諸島は、60km2の面積を持つ、平野と山地と5㎞長さの海岸線と氷河を持つが、これといったインフラを持っていない。
競売物件のソレ・ファガー・フィヨルドは地価3億ユーロ(=約480億円)で売りに出された。物件は、スバルバール諸島の西部に位置し、ノルウエー本土と北極の中間地点に位置し、ロシアと欧米諸国の間の緊張が激化することと、北極氷壁が後退することに相まって、地政学的および経済活動上の価値が高いと予想されている
この物件の売買を担当する不動産会社によると、この土地は‘船舶の航行やフライト空路の監視に適した物件だ’という。さらに、北極での戦略的な位置の物件に興味を持った引き合い問い合わせが、中国からの数件きているという。さらに、環境保護目的のために興味を持った富裕層からの物件引き合いもあるという。事実、スバルバール諸島の2/3の土地は環境保護区となっている。ノルウエーのフリチェフ・ナンセン研究所の研究者は、ソレ・ファガー・フィヨルドの経済的な価値は小さく、譲渡してもノルウエーに脅威を与えるものではないとの見解を示している。
ところが、ノルウエー国は、今回のソレ・ファガー・フィヨルドの中国人など外国人への売却が、自国の主権にかかわるとして許可しない方針だという。
スバルバール諸島には鉱物資源が豊富で、さらに地球気候変動を測定する人工衛星データセンターがあり、学術研究上でも重要な役割を担っているという。
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