北朝鮮、金総書記の元盟友のトランプ再選なくば大統領選前後に7度目の核実験実施(?)【欧米メディア】(2024/08/02)
韓国政府情報では、北朝鮮が米大統領選前後に7度目の核実験を行い、米国に対して示威行動に出る可能性があるという。しかし、脱北者の証言によると、金正恩朝鮮労働党総書記(キム・ジョンウン、40歳、2011年最高指導者就任)は、かつての盟友ドナルド・トランプ前大統領(78歳、2017~2021年在任)の再選を渇望している模様である。
7月31日付英国
『ジ・インディペンデント』紙は、韓国政府は北朝鮮が米国に対する示威行動の一環で米大統領選前後に7度目の核実験を行う準備をしているとしているが、8月1日付欧米
『ロイター通信』は、金総書記は元盟友のトランプ前大統領の再選に期待しているとする脱北者の証言を報道している。
韓国国防部(省に相当)の申源湜長官(シン・ウォンシク、66歳、2023年就任)は7月28日、翌日開催される日米韓国防相会談に出席するために来日した。...
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7月31日付英国
『ジ・インディペンデント』紙は、韓国政府は北朝鮮が米国に対する示威行動の一環で米大統領選前後に7度目の核実験を行う準備をしているとしているが、8月1日付欧米
『ロイター通信』は、金総書記は元盟友のトランプ前大統領の再選に期待しているとする脱北者の証言を報道している。
韓国国防部(省に相当)の申源湜長官(シン・ウォンシク、66歳、2023年就任)は7月28日、翌日開催される日米韓国防相会談に出席するために来日した。
同長官は到着時の記者会見で、北朝鮮が2017年9月以降中断している7度目の核実験を実施するための準備を終えたとする韓国諜報機関の情報についてコメントした。
すなわち、同長官は、“北朝鮮が、己の軍事力を大いに喧伝する決定的な瞬間が訪れた際、7度目の核実験を実施すると見込まれるが、それは米国に対する影響力を高めるため、米国大統領選挙の直前または直後である可能性が高い”と明言した。
かかる事態から、日米韓三ヵ国はこの程、北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで共有する仕組みの連携強化や、共同訓練の効率的な実施など、防衛協力を制度化することで合意している。
一方、昨年11月に脱北した在キューバ北朝鮮大使館前参事官の李日圭氏(イー・イルキュー、52歳)は『ロイター通信』の独占インタビューに答えて、“北朝鮮は、もしトランプ前大統領が再選されたならば、米国と核問題について協議したいというのが本音だ”と明言した。
李氏によれば、北朝鮮の外交官たちは、北朝鮮の兵器計画に対する制裁並びにテロ支援国家としての指定を解除し、かつ経済援助を引き出すことを目標に、そのための戦略を練っているという。
すなわち、北朝鮮はロシアとの連携を強化してミサイル技術及び経済支援を確保したことから、それを米国との交渉の強みとした上で、彼らにとって最も有益となる現行の制裁解除及び新たな制裁が科されないことを目指した対米交渉を図りたいと考えているとする。
更に、岸田文雄首相(67歳、2021年就任)が金総書記と会談したいと表明していることに関し、李氏は、北朝鮮が日本人拉致問題に関する譲歩と引き換えに、日本から経済的援助を引き出すべく同首相との首脳会談を模索しているとコメントしている。
なお、従来より北朝鮮が拉致問題は解決済みと公言していることに対しては、“首脳会談で北朝鮮側が優位に立ち、日本側の譲歩を引き出すための戦略だ”と同氏は補足している。
(参考)北朝鮮の核実験:金正日前総書記下で①2006年10月、②2009年5月、次いで金正恩総書記下で③2013年2月、④2016年1月、⑤同年9月、⑥2017年9月に計6度実施。
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台風襲来の中、マニラ湾でオイルタンカー沈没【英国・フィリピンメディア】(2024/07/26)
台風「Gaemi(ケーミー)」(日本では第3号と呼称、編注後記)は、台湾で土砂崩れを引き起こし、犠牲者3人、負傷者数百人を出している。そしてマニラ湾では、工業用燃料油を運搬中のオイルタンカーが沈没したため、漏れ出したオイルのために深刻な環境問題となる恐れがある。
7月25日付英国
『BBCニュース』、
『ジ・インディペンデント』紙、フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』紙等は、台風襲来の暴風雨の中、マニラ湾でオイルタンカーが沈没し、漏出オイルのために深刻な環境問題が引き起こされる恐れがあると報じている。
フィリピンのハイメ・バウティスタ運輸相(67歳、2022年就任)は7月25日、1,500トンの工業用燃料油積載のタンカー“MTテラノバ”(2002年建造、比船籍)が同日早朝、マニラ沖で沈没し、乗組員17人のうち1人は救出されたが残り1人は行く不明だと発表した。...
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7月25日付英国
『BBCニュース』、
『ジ・インディペンデント』紙、フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』紙等は、台風襲来の暴風雨の中、マニラ湾でオイルタンカーが沈没し、漏出オイルのために深刻な環境問題が引き起こされる恐れがあると報じている。
フィリピンのハイメ・バウティスタ運輸相(67歳、2022年就任)は7月25日、1,500トンの工業用燃料油積載のタンカー“MTテラノバ”(2002年建造、比船籍)が同日早朝、マニラ沖で沈没し、乗組員17人のうち1人は救出されたが残り1人は行く不明だと発表した。
同地域では台風「ケーミー」が通過したばかりで、暴風・荒波が続いていて捜索は難航しているという。
更に、積載オイルが漏れだしていることが確認されているが、拡散防止作業にかかれない状況であるとする。
また、比沿岸警備隊(1967年設立)報道官のアルマンド・バリロ少将は、“積載オイルの流出及び拡散防止作業は時間との闘いだ”としながらも、“万が一全ての積載オイルが拡散してしまうと、フィリピン始まって以来の最悪の油流出事故となってしまう”と表明した。
タンカーが転覆したマニラ湾は、多くの船舶の航路となっているだけでなく、海岸線は大規模ショッピングモールに加えて、リゾート施設や漁港もあるため、深刻な環境問題に発展しかねない。
なお、フィリピンでは昨年3月にも東ミンドロ州沖(マニラ南方のミンドロ島東部)で、80万リットル(800トン)の工業用燃料油積載のタンカーが沈没していて、その際に流出した油は近くのいくつかの漁村の海岸を黒いヘドロで覆ってしまった。
当時、沿岸の村の住民が、けいれん、嘔吐、めまいに見舞われただけでなく、流出油清掃作業に派遣された作業員たちも体調不良を起こしたと報告されているが、その除去作業には3ヵ月もかかってしまっている。
(編注)台風呼称:アジア14ヵ国が加盟する台風委員会が2000年、北西太平洋または南シナ海で発生する台風に関し、防災に備えて各国が情報共有できるよう共通の呼称をつけることで合意。具体的には各国から提案された140の名称一覧を基に毎年の台風を命名(5~7年で一巡)。今回の「ケーミー」は11番目で韓国が提案した名称(意味は蟻)。因みに、日本提案の名称は、5番目Koinu、19番目Yagi、33番目Usagi、61番目Koto、75番目Kujira、89番目Koguma、103番目Tokei、117番目Tokage、131番目Yamaneko。
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