ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)は、己が始めたウクライナ軍事侵攻でもあり抗議活動の取り締まりや予備兵投入等、陣頭指揮を執って猛進している。しかし、この程米メディアの報道で明らかになったことは、同大統領がスマートフォンを持たないどころか、インターネットも使用せず、重要事項報告等の全てを紙媒体で行っているという。
12月24日付
『ビジネス・インサイダー』オンラインニュース(2009年設立)は、「ウラジーミル・プーチン大統領、秘密を探られるのがいやでインターネット使用を拒否、と
『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』が報道」と題して、
『WSJ』特報について引用報道している。
12月23日付『WSJ』は、ウラジーミル・プーチン大統領が自身の行動等を探られるのがいやで、側近の勧めも聞かずにインターネット使用を長年拒んできている、と報じた。
同紙は、米及びロシア高官から得た証言を引用して、同大統領はデジタル監視を恐れて、オンライン形式での交信を拒否し、一刻を争う重要事項についても、顧問や側近による紙媒体の報告書に頼っていると言及している。
例えば、同大統領が勝手に始めたウクライナ戦争に関しても、事態報告が同大統領に届くまで数日を要することから、時機を逸していることがあり得るとしている。
つまり、前線の戦況について司令官からまずロシア連邦保安庁(FSB、1995年設立の旧ソ連国家保安委員会・KGBの後身組織)に送られ、その後ロシア連邦安全保障会議(1992年設立)の事務局長を経由して同大統領の元に届けられるという体制が取られているからであるという。
ロシア国営メディアは2000年、同大統領は偶にインターネットを使用することはあるが、スマートフォンを使用することはないと報じていた。
大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官(55歳、2012年就任)は当時、“大統領はスマートフォンを所持しないので、オンライン形式での報告等は不可能だ”と語っていた。
なお、ロシア当局は2月下旬にウクライナに軍事侵攻するや否や、外国のソーシャルメディアやインターネットサービス事業者へのアクセスを取り締まり始めたが、多くのロシア人は一斉に規制回避が可能なアクセス手段確保に走っている。
ただ、国際NGO団体「フリーダムハウス(1941年設立の自由・民主主義擁護団体、本部ワシントンDC)」の調査によると、今年最もインターネット・アクセスの自由が侵害されたのはロシアだったという。
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インドで、フェイスブック論争が政治問題へと変わり始めている。インド与野党共にフェイスブックが政治的な目的で意見を操作していると非難しており、フェイスブック現地法人の幹部が今月2日に国会に召喚された。
仏
『ルモンド』によると、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が米フェイスブック(FB)は与党インド人民党(BJP)に有利になるよう動いていると報じたことを受けて、現地幹部らが9月2日、ニューデリーの国会に召喚された。
ケララ州議会議員で最大野党である国民会議の重鎮であるShashi Tharoor氏が率いる特別委員会の場で、FBインド支社長、Ajit Mohan氏は、野党、与党の両陣営から集中攻撃を受けた。...
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仏
『ルモンド』によると、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が米フェイスブック(FB)は与党インド人民党(BJP)に有利になるよう動いていると報じたことを受けて、現地幹部らが9月2日、ニューデリーの国会に召喚された。
ケララ州議会議員で最大野党である国民会議の重鎮であるShashi Tharoor氏が率いる特別委員会の場で、FBインド支社長、Ajit Mohan氏は、野党、与党の両陣営から集中攻撃を受けた。
野党側の左翼政治家らは、FBがインドのイスラム教徒を侮辱するコンテンツを検閲しなかったことを批判した。その中には与党バラティヤ・ジャナタ党(BJP)の関係者によるコンテンツもあれば、インドのFB従業員によるものもあるという。
一方で、与党側の右翼の政治家たちは、FBが一般的な「左翼」、特にインド国民会議に有利に動いていると非難した。
前日、インドの法務・情報技術大臣は、FBのマーク・ザッカーバーグ社長宛に痛烈な手紙を送っている。モディ政権の重鎮でもある法務・情報技術大臣は、「FBのインドチームは、特定の政治的信条を持つ人々によって支配されている」と述べ、「このような政治的信条を持つ人々は、自由で公正な選挙で連続して大敗を喫している。民主的な正統性を失った彼らは、SNSの意思決定の流れをコントロールすることで、インドの政治システムの信用を失墜させようとしている。」ことを批判した。
委員会では、FB現地支社長のAjit Mohan氏は、双方からの批判に動じることなく、FBが「中立的」で「非政治的」であることを繰り返し訴えた。また、同社は従業員の意見を尊重しており、個人的意見はポリシー違反の取り締まり業務に「何の影響も与えていない」と述べた。
委員会に出席した複数の国会議員によると、Mohan支社長は、2020年の第2四半期だけでFBが全世界で2250万件のヘイトメッセージを削除したことを報告した。しかし、インドにおける数字は示されず、この問題に関する国別のルールを求める国会議員の要求に対し反応しなかったという。
FB問題に対し、印紙『ヒンドゥスタン・タイムズ』は、FBのような企業が取る行動に対して責任を問うべきだと訴えている。9月6日に掲載されたコラムでは、FB問題は人々が思っているよりもはるかに深刻だと記述している。
「FBのような企業が他のメディアと同じように扱われず、同じ倫理的、商業的、法的義務を果たさない限り、民主主義は深刻に、おそらく不可逆的に損なわれる危険性がある」と指摘している。
「FBは、個人的な目的で使用する人々のために友人や家族のコミュニティを提供するだけでなく、声を上げることのできなかった人々が、自分の声を聞いてもらうことができる場を提供してくれている。」
しかし、問題は、「単なる仲介者であるという名目で他人が制作したコンテンツを利用し、それで金儲けをしている」企業であることだ。また、「言論の自由を装ってヘイトスピーチやフェイクニュースを許可する一方で、政治的・商業的動機に基づいて選択的に編集介入を行い、利用者の個人情報を、利用者が完全に把握していない中で収益化し、広告主を引き寄せている」。さらには、重要な地位にある人たちの政治的利益に応えることで国家を満足させ、その見返りにビジネス上の規制を緩和してもらうことができる。」
コラムでは、こうした問題に対処するには、FBやグーグルなどを仲介者やプラットフォーム企業ではなく、メディア企業として扱う必要があると訴えている。
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