タイで日本での投資を巡る毒物事件(2024/07/18)
タイ・バンコクのホテルで宿泊客のベトナム人男女ら6人が遺体で見つかった事件で、警察によると、宿泊者らには日本での投資を巡りトラブルがあっており、そのうち1人が5人を毒殺したとみられている。同国では昨年にも同様の毒物事件がおきている。
7月17日付泰
『バンコクタイムズ』:「投資トラブルで毒物ティーパーティー」:
警察の捜査から、56歳の米国籍をもつベトナム出身の女性シェリン・チョン容疑者が、金銭トラブルを巡って高級ホテルで5人と会合し、シアン化物を使ったとみられる。
17日の警察の発表によると、グランドハイアットエラワンホテルのスタッフは15日、5階502号室で女性が一人で被害者らを待っていたと証言しているという。...
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7月17日付泰
『バンコクタイムズ』:「投資トラブルで毒物ティーパーティー」:
警察の捜査から、56歳の米国籍をもつベトナム出身の女性シェリン・チョン容疑者が、金銭トラブルを巡って高級ホテルで5人と会合し、シアン化物を使ったとみられる。
17日の警察の発表によると、グランドハイアットエラワンホテルのスタッフは15日、5階502号室で女性が一人で被害者らを待っていたと証言しているという。ルームサービスで食事と飲み物を事前に注文し、スタッフがお茶を淹れるのを断っていた。セキュリティカメラには、5人のベトナム人が荷物をもって到着した様子が確認されているという。
15日午後2時17分から誰も部屋を出ておらず、翌日16日夕方にこの部屋から遺体が見つかった。死亡者にチョンも含まれている。
チョン容疑者は被害者らは30代から50代の5人に建設プロジェクトへの投資話を持ちかけ、そのうち夫婦が日本の病院への1000万バーツ(約4330万円)の投資計画が勧められていたという。しかし、このプロジェクトが進展していなかったため、彼らは法的措置をとっていたという。
6人は2週間後に裁判所で面会する予定となっていたが、チョン容疑者が5人に示談交渉を提案しており、日本で行う予定だったもののビザの関係で実現せずバンコクでの交渉に至った。
5人は15日正午ころチェックアウトを済ませたが、チョン容疑者が部屋の宿泊を延長し、示談交渉が再開されたという。6人のティーカップからシアン化物が検出され、鑑識によると、部屋にあったティーバックからも検出されたという。警察は、違法に持ち込まれたものか国内で入手されたものかを含め、毒物の入手先を捜査している。
同日付米『NBCニュース』:「バンコクの高級ホテルでベトナムと米国人6人の血液中からシアン化物検出される」:
タイ当局によると、バンコクの高級ホテルでベトナム国籍と米国籍の6人の客が死亡した事件で、解剖結果により死因はシアン化物と判明したという。
17日の記者会見で、バンコク警察のティティ・サンサワン署長は、死亡したのは37歳から56歳の米国二重国籍をもつ2人とベトナム男性3人と女性3人だとした。セター首相は、事件を受け当局は米国とベトナム大使館と連携しており、米中央情報局(FBI)も捜査を開始する予定だとしている。
タイ警察の捜査から、6人のうち4人が共同で投資を行っており、資金回収を巡るトラブルとなっていたとみられる。
バンコク警察のノッパシン・プンサワット副警察署長は記者会見で、投資は日本の病院建設が目的だったとしている。一方、事件の状況から「これはテロやセキュリティ違反ではない」と述べ、当ホテル17日に予定されているロシアエネルギー相との会合への影響はないとしている。
タイでは2023年にもシアン化物を使った毒物事件により15人が被害にあっている。「エム・サイヤナイド」とも呼ばれる連続殺人者の女性が15人に体内の酸素吸収を阻害する劇薬を使い、14人が死亡、1人が一命をとりとめている。
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ロシアによるドイツ防衛企業トップの暗殺計画が発覚【欧米メディア】(2024/07/14)
豪州において、ロシア系豪州人のスパイ活動が発覚したばかりであるが、今度は、ドイツの防衛企業トップの暗殺計画がロシア側によって練られていたことが明らかにされている。
7月11日付米
『CNNニュース』、12日付米
『NBCニュース』、英国
『BBCニュース』は、ロシアによるドイツ防衛企業トップの暗殺計画を米情報機関が阻止したと報じている。
標的とされたのは、ドイツの防衛機器大手企業のラインメタル(1889年設立、軍需・防衛及び自動車部品メーカー)のアルミン・パッペルガー最高経営責任者(61歳、2013年CEO就任)である。
同社は、2022年のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、ドイツによる防衛予算増額に伴い、軍需品の生産増強を決定していて、2023年にはウクライナに兵器修理工場を建設し、同国への兵器供給の重要な役割を担っている。...
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7月11日付米
『CNNニュース』、12日付米
『NBCニュース』、英国
『BBCニュース』は、ロシアによるドイツ防衛企業トップの暗殺計画を米情報機関が阻止したと報じている。
標的とされたのは、ドイツの防衛機器大手企業のラインメタル(1889年設立、軍需・防衛及び自動車部品メーカー)のアルミン・パッペルガー最高経営責任者(61歳、2013年CEO就任)である。
同社は、2022年のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、ドイツによる防衛予算増額に伴い、軍需品の生産増強を決定していて、2023年にはウクライナに兵器修理工場を建設し、同国への兵器供給の重要な役割を担っている。
『CNN』が欧米当局者5人から得た匿名情報によると、米情報機関が今年1月、ロシアによるパッペルガー氏の暗殺計画についてドイツ政府に通報し、以降同氏はドイツ治安当局によって保護されるようになったという。
この事態に関し、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相(43歳、2021年就任)は7月11日、ワシントンで開催中の北大西洋条約機構首脳会談(NATOサミット)出席後の記者会見で、“ラインメタルに関わる案件は、私どもがここ数ヵ月特に情報共有を密にしていることだ”とした上で、“ロシアはハイブリッド戦争(正規戦、非正規戦、サイバー戦、情報戦を組み合わせた軍事戦略)を仕掛けてきている”と強調している。
これに対して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官(56歳、2000~2008年在任、2012年再任)は、“他の類似案件同様、すべて虚偽の事柄が紹介されているので、そのような報道を真剣に受け止めることはできない”と全否定した。
また、ラインメタルはコメントを避けたが、パッペルガー氏は現在、ドイツ財界内で最も厳重に保護されている人物と言われており、彼自身も『フィナンシャル・タイムズ』紙に、“ドイツ当局は私の身辺にかなりの警備態勢を敷いてくれている”と語っている。
一方、オラフ・ショルツ首相は当該暗殺計画についてコメントを控えたものの、“ドイツは目下、ロシアからの様々な脅威に曝されていることから、最大限の注意を払っている”と述べた。
また、NATO当局者は今週初め、『BBC』のインタビューに答えて、“ロシアはウクライナに対する西側諸国の支持を弱めることを狙って、破壊工作、放火、暗殺計画等、ヨーロッパ全域で攻撃的な秘密作戦を仕掛けてきている”と警鐘を鳴らしている。
更に、ドイツの外交委員会のミヒャエル・ロート委員長(53歳、2021年就任)は、“ウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナのみならずこれを支援する国々も殲滅させるべく戦争を激化しようとしている”と非難した。
また、国防委員会のマルクス・ファーバー委員長(40歳、2023年就任)も、“もし今回の暗殺計画にロシア諜報機関が関わっていたことが明らかになれば、各国でロシア外交官の追放という事態や、更には、被疑者の国際指名手配も行う必要がある”とコメントしている。
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