ワード・オブ・ザ・イヤー(今年の単語)は"woman"
オンラインの英語辞書サイト「Dictionary.com」が選ぶ今年の世相を表す単語に"woman"が選ばれたという。
12月13日付英
『BBC』:「今年の単語に選ばれたのは”woman”」:
「Dictionary.comは、「2022年のストーリーから切り離せない」との理由で、今年の単語に「woman」を選んだ。ジェンダーやアイデンティティの議論が活発に行われる現代の文化が繁栄されているという。
「woman」は、米国で黒人初の最高裁長官が任命された3月に検索件数が急増した。他にも、2022年にはこの言葉に関する顕著な出来事が多くあったことも選ばれた理由で、米最高裁で中絶権利が認められたこと、英国のエリザベス女王の死去、テニスのセリーナ・ウイリアムズの引退、女子サッカーチームが平等な給与を求めたこと、イランで起きたジェンダー平等をめぐるデモ等がある。...
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12月13日付英
『BBC』:「今年の単語に選ばれたのは”woman”」:
「Dictionary.comは、「2022年のストーリーから切り離せない」との理由で、今年の単語に「woman」を選んだ。ジェンダーやアイデンティティの議論が活発に行われる現代の文化が繁栄されているという。
「woman」は、米国で黒人初の最高裁長官が任命された3月に検索件数が急増した。他にも、2022年にはこの言葉に関する顕著な出来事が多くあったことも選ばれた理由で、米最高裁で中絶権利が認められたこと、英国のエリザベス女王の死去、テニスのセリーナ・ウイリアムズの引退、女子サッカーチームが平等な給与を求めたこと、イランで起きたジェンダー平等をめぐるデモ等がある。
最も検索が急増したのは、米最高裁でケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事の公聴会で、共和党議員が「woman」の言葉の定義を質問したときだった。同判事の答えは「私は生物学者じゃない」だった。このやりとりで、ワード検索数は1400%以上に増加した。
「Dictionary.com」で「woman」は、「大人の女の人」と定義されており、この言葉は保守派とトラナスジェンダー擁護派との間で、文化的対立の火種となった。同サイトは、「これが最終的な定義ではなく、言葉は変化するもの」だとしている。
同日付米『CNN』:「ワード・オブ・ザ・イヤーは”woman"」:
今年の単語「Woman」はシンプルでありふれた単語であるが、「2022年の出来事と切り離せない」という。
「Dictionary.com」は13日のニュースカンファレンスでの発表で、「Woman」の選出は、今年のジェンダーやアイデンティティをめぐる文化的対話、そしてこの複雑な問題の意味を知るため人々が辞書を引くことを反映したものだとしている。
ありふれた単語であるにもかかわらず、「woman」の検索は今年通常の2倍に急増した。最も急増したのは、3月の最高裁長官任命の時だった。他にも、トランスジェンダーの権利をめぐる文化的論争のたび、女性の定義についての論争が度々巻き起こっていた。
同サイトは、「一つの単語が1年をすべて包括しているとは言えないが、2022年は特に女性の影響、世界的変化の中での女性影響力が印象的だ」とする。だがあくまで「woman」には個々人の多様性があり、最終的な定義ではないともしている。
候補となっていた他の単語も1年の世相を反映している。ウクライナ国旗の絵文字、インフレーション、 静かな退職、デモクラシー、Wordle(単語あて「クイズで人気Webゲーム)が挙げられている。
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インドネシアの刑法改正案、外国人や観光への影響も
インドネシアでは、婚前交渉を禁止し、懲役刑も科す刑法改正案が可決された。海外からの投資や渡航が減るとの懸念から、経済や観光の回復に水を差すものだと批判されている。
12月7日付
『ロイター通信』:「インドネシアで婚前交渉を禁止とする刑法改正」:
インドネシア議会は6日、婚前交渉を禁止し、違反すれば最大1年の禁固刑とする刑法改正案を可決した。法改正による観光客や投資への影響が懸念されている。
この刑法改正は、インドネシア国民と外国人にも適用され、婚姻前の同棲も禁止とする。また、大統領や国家機関への侮辱、反国家的イデオロギーの拡散、届け出のない抗議デモも禁止する。...
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12月7日付
『ロイター通信』:「インドネシアで婚前交渉を禁止とする刑法改正」:
インドネシア議会は6日、婚前交渉を禁止し、違反すれば最大1年の禁固刑とする刑法改正案を可決した。法改正による観光客や投資への影響が懸念されている。
この刑法改正は、インドネシア国民と外国人にも適用され、婚姻前の同棲も禁止とする。また、大統領や国家機関への侮辱、反国家的イデオロギーの拡散、届け出のない抗議デモも禁止する。全政党の支持を得て可決したが、新たな刑法は規則の制定を待つため3年間は施行されない。現行法では婚外交渉のみ禁止で婚前交渉は対象外。
インドネシア観光産業委員会は、「パンデミックから経済と観光が立ち直るタイミングに逆行した施策」だと批判している。観光協会の試算によると、バリを訪れる外国人観光客は2025年には600万人台に回復するとみられおり、政府もビザ要件を緩和し、観光地でテレワークできる「デジタルノマド」を推進している。
投資サミットの演説で、ソン・キム駐インドネシア米国大使は、海外からの投資や渡航が減るとの懸念を示し、「個々人の私的な意志決定を犯罪と見なすことが、企業がインドネシアへの投資を決定する際に大きな位置を占めるだろう」と述べた。
米国務省のプライス報道官は、法の内容を評価中で規則もまだ策定されていないが、「人権やインドネシアの基本的自由に与える影響、そして企業の投資環境や、同国での居住、訪問への影響について懸念している。同国は民主的なパートナー国であり、憎悪や偏見の改善に協力していく」としている。
インドンシアの司法省報道官は、違反を報告できるのは両親、配偶者、子などに限られ、法改正は「婚姻法やインドネシアの価値観を守る目的」だと強調。一方、インドネシアの地元メディアは、刑法改正は「権威主義的な意味合いを帯びており、非常に懸念される」と評価。国民の反応は未だ穏やかだが、首都ジャカルタで小規模なデモが行われている。
同日付『ヤフーニュース』(BBC):「インドネシアの法改正と観光への影響」:
パンデミックの影響から回復しつつあるインドネシアの観光業界だが、議会で可決した刑法改正案が、観光客を再び遠ざけることが懸念されている。
賛否のある刑法は、人権を損なうものとの批判もある。改正法では、婚外交渉以外にも、同棲や、政治宗教的自由も制限している。刑法は3年以内に施行される見込みで、インドネシア国民、同国に居住する外国人や観光客にも適用されるという。
この改正案は隣国オーストラリアでも大きく報じられている。インドネシアの経済は、パンデミック前まで観光収入源のトップだったオーストラリアからの観光客に支えられている。
バリの熱帯の島々へは、一ヶ月あたり数千人のオーストラリア人観光客が訪問する。バリ島の結婚式も人気で、学生は毎年数千人が卒業旅行に出かける。年に数回弾丸旅行に行く人もいる。しかし、噂に過ぎなかったが法改正が現実となり、現地では旅行への不安が広がっている。
現在600の項目がある刑法の改正では、婚前交渉は最大1年の禁固刑、また同棲が見つかった場合は、最大半年の禁固刑となる。インドネシア司法省の報道官は、警察への報告は殆どが自国民によるものと想定されるため、「オーストラリア人(観光客)は心配する必要はない」と述べ、観光客へのリスクは低いと強調している。観光客を呼び戻したいインドネシア政府は数週間前、最大10年滞在可能な新たなビザ新設を発表している。
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