イルカによる遊泳客噛みつき被害につき専門家が原因分析【英国メディア】(2024/08/27)
直近数年で、福井県で野生イルカによる遊泳客噛みつき被害が増えている。この原因について専門家が分析した上で、いたずらにイルカに近づかず避難するよう警告している。
8月26日付
『BBCニュース』は、直近で頻発している野生イルカによる噛みつき被害について、専門家による原因分析を詳報している。
直近3年間で、福井県を中心に野生イルカの遊泳客への噛みつき被害が48件も報告されている。
特に敦賀市や美浜町の海水浴場での被害が尋常で、同じイルカによる攻撃ともみられるとして、次のような専門家が原因を分析の上で、いたずらに野生イルカに近づかないよう警告している。...
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8月26日付
『BBCニュース』は、直近で頻発している野生イルカによる噛みつき被害について、専門家による原因分析を詳報している。
直近3年間で、福井県を中心に野生イルカの遊泳客への噛みつき被害が48件も報告されている。
特に敦賀市や美浜町の海水浴場での被害が尋常で、同じイルカによる攻撃ともみられるとして、次のような専門家が原因を分析の上で、いたずらに野生イルカに近づかないよう警告している。
●三重大学大学院生物資源学研究科森阪匡通教授(48歳)
・今夏に敦賀市海水浴場で遊泳客の指に噛みついて怪我をさせたハンドウイルカ(バンドウイルカとも称され、熱帯~温帯の陸近くの世界中の海に生息)は、昨年美浜町で噛みつき被害を起こしたイルカと背びれが同一のものと断定。
・また、今年になって美浜町沖で発生している18件の噛みつき被害も同一個体によるものと断定。
・イルカの背びれは指紋のようなもので、固有の切り欠き、隆起、色素沈着があり区別可能。
・ハンドウイルカは、オスどおしで“甘噛み”をしてコミュニケーションを取っていると考えられているが、群れから離れた1頭のイルカが、同様のコミュニケーションを取ろうとしたのか、あるいは孤独に因る欲求不満からの攻撃かとも考えられる。
・従って、無闇に野生イルカに近づかず、船や陸に至急上がって回避することを推奨。
●米シャークベイ・ドルフィン研究センター(1984年設立)サイモン・アレン主任研究員
・ハンドウイルカは非常に社会性のある動物であり、人間や他の社会的な動物と同じように、ホルモンの変動、性的欲求不満、または支配したいという欲求がイルカを駆り立て、交流する人々を傷つける可能性がある。
・彼らは非常に強力な動物であるため、これは人間に深刻な怪我につながる場合があるが、自分たちのコミュニティから追放され、別の繋がりを求めて、人間にとっては攻撃的な接触につながっているかもしれない。
●シンガポール国立大学(1905年設立)海洋哺乳類専門家マティアス・ホフマン=クント博士
・イルカは自分自身の防衛のために行動している可能性がある。すなわち、ほとんどの場合、人間がイルカに近づきすぎて、どのように振る舞えばよいかわからない場合、イルカが防御的な行動を取ったと考えられる。
・また、イルカは象と同様に記憶力が豊かで、以前に人間からひどい目(背中に乗られたり、潮吹き穴に指を突っ込まれたりした等)に遭ったことがあると、別の人間であっても恐怖や防衛本能がはたらいて攻撃的になる可能性もある。
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南海トラフ地震に関わる巨大地震注意臨時情報についての米地震学者の見解【英国メディア】(2024/08/12)
気象庁(JMA、1956年設置)が8月8日に発表した「南海トラフ地震に関わる巨大地震注意臨時情報」に関し、英国メディアが米地震学者の見解について詳報している。
8月9日付
『BBCニュース』は、JMAの「南海トラフ地震臨時情報」に関し、米地震学者の見解について詳報している。
JMAは8月8日夜、同日夕刻に発生した宮崎県沖地震(震度6弱、マグニチュード7.1)に関わり、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
当該臨時注意報に関し、米地震学者が次のような見解を公表している。...
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8月9日付
『BBCニュース』は、JMAの「南海トラフ地震臨時情報」に関し、米地震学者の見解について詳報している。
JMAは8月8日夜、同日夕刻に発生した宮崎県沖地震(震度6弱、マグニチュード7.1)に関わり、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
当該臨時注意報に関し、米地震学者が次のような見解を公表している。
● 米コーネル大(1865年設立の私立大学)地球・大気科学部のジュディス・ハバード客員助教及びカイル・ブラッドリー客員研究員
・8月8日付で「アースクエイク・インサイツ(地震洞察)」と題する共同論文を発表。骨子は以下のとおり。
・カリフォルニア州で発生した地震を通じての経験則では、特定の地震が巨大地震の前震である可能性は5%前後。従って、今回のM7.1地震が、遥かに大規模で危険な地震の前震である可能性は僅か。
・日向灘では、M7~7.5の地震が過去100年間で約6回発生しているが、これらの地震は 巨大地震の引き金にはなっていない。
・地震がどのように始まるかについての我々の地震モデルと期待値は単なる推測であり、不完全で信頼性が低いことを謙虚に受け入れなければならない。
・従って、今回の臨時注意報に関し、差し迫った巨大地震発生の可能性は客観的にはまだ低いと考えられるが、今回のM7.1地震が発生する前よりもその恐れが高くなっていることは確実。
● 東京大学(1877年設立の国立大)のロバート・ゲラー地震学名誉教授(72歳)
・JMAの臨時注意報は、科学とはほとんど関係がないと懐疑的なコメント。
・何故なら、地震が「クラスター化(注後記)された現象」であることが知られている一方で、起こった地震が、前震なのか余震なのかを事前に判断することはできないから。
・但し、行うべき全ての日常的な予防策を講じているかどうか確認する上で、意義ある注意喚起であると評価。
・その上で、1週間分の水と缶詰、更に懐中電灯用の電池を用意することを推奨。
(注)クラスター化:多くの物または人についてある調査を行う場合に、いくつかの量的または質的なデータによってグループに分けて同様のものを部分的に集合させる多くの変量の解析の一手法であって、そのグループに分類すること。
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