米、宇宙ゴミに罰金
米当局は、古い人工衛星である宇宙ゴミ(スペースデブリ)を軌道から離脱させなかったとして、米衛星放送大手に初めて罰金を科したという。近年、宇宙ゴミが軌道環境の安全を脅かす可能性があることから宇宙ゴミ除去問題の早急な対処が求められており、今後の同様のケースが増えるとみられている。
10月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「宇宙ごみの取締強化、米連邦通信委員会が初めて罰金を科す」:
米政府は宇宙に危険を及ぼす可能性のあるゴミの除去の取り締まりを強化している。初めて、米連邦通信委員会(FCC)が、この宇宙ゴミに対してペナルティを科した。当局は事態の深刻さを知らせる「画期的な判例」になると期待している。
FCCの調査の結果、軌道上に衛星を「ライセンス契約条件よりかなり下方に」捨て置いたとして、衛星放送大手「ディッシュ・ネットワーク」に15万ドルの罰金が科された。...
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10月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「宇宙ごみの取締強化、米連邦通信委員会が初めて罰金を科す」:
米政府は宇宙に危険を及ぼす可能性のあるゴミの除去の取り締まりを強化している。初めて、米連邦通信委員会(FCC)が、この宇宙ゴミに対してペナルティを科した。当局は事態の深刻さを知らせる「画期的な判例」になると期待している。
FCCの調査の結果、軌道上に衛星を「ライセンス契約条件よりかなり下方に」捨て置いたとして、衛星放送大手「ディッシュ・ネットワーク」に15万ドルの罰金が科された。
NASAによると、宇宙ゴミは軌道上で猛スピードで周回する今後使う用途のない人工物とされ、放棄ロケットやその部品、わずかな塗料の欠片でもスペースシャトルの窓を壊す可能性があるという。
FCCの執行局長は2日の声明で、「衛星の利用や宇宙経済活動が活性化するにつれ、責任の重みも増してくる。罰金は当局の権限とルールの重要性を明確にするものである」としている。
現在、地球の周りを6千の衛星が周回しており、軌道上には直径1~10cmのゴミ50万個が漂っているとされる。
ディッシュ・ネットワークは、「これまで安全性を守った衛星飛行を行ってきたが、FCCライセンシーとして責任を重大に受け止めている」とする一方で、当該衛星は、「2002年に打ち上げられた比較的古い探査機で、免除対象の最小限のゴミの範囲内にあるものだった。安全への懸念となる特定の証拠は示されていない」としている。
昨年バイデン大統領は、軌道上の衛星破壊実験の禁止を呼びかけ、政府は宇宙ゴミ(デブリ)除去プロジェクト「Orbital Prime」を立ち上げた。技術的にも資金的にも難しい中、政府と企業が連携しデブリ除去に取り組んでいる。
同日付英『BBC』:「米、ディッシュ・ネットワークに初の宇宙ごみ罰金」
米政府は、地球軌道上の宇宙ゴミで、企業に初めて罰金を科した。
ディッシュ・ネットワークは同社の衛星「EchoStar-7」を対象とした「コンプライアンス計画」に合意したとしている。
米連邦通信委員会(FCC)は現在の高度にある同社の衛星が地球軌道上の他の衛星への危険リスクとなると判断したという。「EchoStar-7」は2002年、地上3千6万キロ(2万2千マイル)の静止軌道へ打ち上げられた。186マイル更に上空に移動する予定だったが、2022年の任務終了期に、燃料不足により76マイルしか上昇出来なかった。
罰金15万ドルは、2022年1670万ドルとなったディッシュ・ネットワーク社の収益に対し、微々たるものであるが、罰金の前例ができたという意味では、今後衛星業界に与える影響は大きいとみられている。
1957年以降、1万個以上の人口衛星が打ち上げられ、その半数以上が現在使用されていないとされている。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、10cm幅の空間に2.5万個以上の宇宙ゴミが存在しているとされ深刻な問題となっている。
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南シナ海:フィリピンが中国設置のブイ撤去
フィリピンは25日、中国が実効支配する南シナ海のスカボロー礁で、フィリピン漁船の航行を妨げている浮遊式の障害物を撤去したと報じられている。
9月25日付英
『BBCニュース』:「南シナ海:フィリピンが沿岸部で中国の障害物を撤去」
フィリピンは、南シナ海へのフィリピン漁船侵入妨害のため中国が設置した浮揚障害物を撤去したと発表。フィリピン沿岸警備隊は、フェルナンド・マルコス大統領の指示があったとしている。
中国は、2012年スカボロー礁を支配し、300mに渡り漁業権を侵害、南シナ海の9割以上の領有権を主張している。沿岸部の行動は、「必要な対策」だったと主張している。...
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9月25日付英
『BBCニュース』:「南シナ海:フィリピンが沿岸部で中国の障害物を撤去」
フィリピンは、南シナ海へのフィリピン漁船侵入妨害のため中国が設置した浮揚障害物を撤去したと発表。フィリピン沿岸警備隊は、フェルナンド・マルコス大統領の指示があったとしている。
中国は、2012年スカボロー礁を支配し、300mに渡り漁業権を侵害、南シナ海の9割以上の領有権を主張している。沿岸部の行動は、「必要な対策」だったと主張している。
フィリピン沿岸警備隊は声明で、中国の行動は「国際法への明らかな違反で、航海に危険が及び、フィリピンの漁業者の漁業と生活を妨害するもの」であり、スカボロー礁は「フィリピンの国土の重要な部分」だと批判している。
フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ提督は、障害物は22日に発見された。フィリピンの船が到着した時、中国沿岸警備隊の船3隻と海事民兵船がブイを設置していた、としている。また、中国船は15回無線でフィリピン船と漁船が国際法及び中国法に違反していると批判してきたが、フィリピン船に居たメディア関係者の存在に気づき退去したという。
日本は南シナ海問題の沈静化が地域の安定に不可欠だとし、松野官房長官は定例記者会見で、「我が国は南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも強く反対する」としている。
南シナ海は魚介類と地下資源の宝庫で、世界の漁船の半数以上が同地域で漁業を行っている。中国の領有権主張には、フィリピンだけでなくベトナム、台湾、マレーシア、ブルネイも反発。米国は、領土権争いに仲介しない立場をとるが、「航行の自由作戦」との名目で、艦船や軍用機を派遣している。中国がスカボロー礁を掌握した後は、ドゥテルテ政権下で関係が改善し、フィリピン漁船の近海漁業が許可されていたが、昨年マルコス政権下に変わり、今年には米軍が軍事基地を使用するのを認めたことで緊張が高まった。
同日付『AP通信』:「フィリピン沿岸警備隊、領有権を争う浅瀬で中国の沿岸警備隊が設置した障害物を撤去」:
フィリピン沿岸警備隊は25日、中国と領有権を争う南シナ海で、マルコス大統領の指示に従った「特別作戦」により、中国当局が設置した浮遊式の障害物の撤去に成功したと発表。全ての障害物を撤去したのかや、中国側の反応については伝えられていない。
フィリピン当局は、スカボロー礁の礁湖への入り口への300mに及ぶ長い障害物設置を国際法への違反であり、フィリピンの主権への侵害だとして批判している。メディアへ公開された沿岸警備隊の動画には、ダイバーがロープの一部を切っている様子が映っている。
フィリピン沿岸警備隊は声明で、「国際法の遵守と漁業者や市民の権利保護に尽力していく」としている。
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