5年前から、サウジアラビアとイランは外交関係を中断してきたが、米国がジョーバイデン大統領に替わったことと2015年のイランの核開発に関する6か国協議に再度参加する意思を示していることで状況は変わりつつある。
サウジアラビアとイランの間での今回の会議は2016年以来、初めてとなる。フィナンシャル・タイムズを通しての公式発表では、会議はイラクのバクダッドで4月9日、両国の代表団の間で行われたという。...
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5年前から、サウジアラビアとイランは外交関係を中断してきたが、米国がジョーバイデン大統領に替わったことと2015年のイランの核開発に関する6か国協議に再度参加する意思を示していることで状況は変わりつつある。
サウジアラビアとイランの間での今回の会議は2016年以来、初めてとなる。フィナンシャル・タイムズを通しての公式発表では、会議はイラクのバクダッドで4月9日、両国の代表団の間で行われたという。 サウジアラビア側の代表団は情報局主任のカリッド・ビン・アリ・アルフマイダンがリーダーを務めた。
サウジアラビアとイランの両国間の接近を取り持ったのは、イラクのムスタファ・カデイミ首相で、3月にサウジアラビアのリヤドでムハンマド・ビン・サルマーン王太子と今回の両国間の会議についての下打ち合わせを行った。
イスラム教のスン二派の盟主国、サウジアラビアとシーア派の盟主国、イランとの関係は、テヘランのサウジアラビア大使館の略奪により破綻した。この略奪はサウジアラビア側の陰謀で、シーア派の僧侶、シェイキ・二ムル・アル二ムルの殺害が目的であった。
その後、2018年に米国がイラン核開発6か国協議から離脱し、イランに厳しい経済制裁措置を科したことでサウジアラビアとイランの関係は悪化の一途をたどってきた。
今回のサウジアラビアとイランの会議は、米国バイデン政権のイラン政策と絡んでいて、イエメンでのフーシ派を支援するイランと政府軍を支援するサウジアラビアの代理戦争を終結することも視野に入れている。
今回の会議でイエメン紛争の解決の糸口が見つかることを願いたい。
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3月16日付
『CNBCニュース』:「アリババのブラウザが中国のアプリケーションストアから削除」
英経済紙『フィナンシャル・タイムズ』(1888年創刊)報道によると、中国IT大手アリババのウェブブラウザ(注後記)が、中国のアプリケーションストア(ITアプリのダウンロードサービスを提供する場)から削除されていることが判明した。
この背景には、アリババと中国共産党政府との確執があると考えられる。...
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3月16日付
『CNBCニュース』:「アリババのブラウザが中国のアプリケーションストアから削除」
英経済紙『フィナンシャル・タイムズ』(1888年創刊)報道によると、中国IT大手アリババのウェブブラウザ(注後記)が、中国のアプリケーションストア(ITアプリのダウンロードサービスを提供する場)から削除されていることが判明した。
この背景には、アリババと中国共産党政府との確執があると考えられる。
『CNBC』が中国のユーザーにインタビューしたところ、ファーウェイ(1987年創業の通信機器大手メーカー)及びシャオミ(2010年創業の総合家電メーカー)が運営しているアンドロイド・アプリケーションストアにおいて、アリババのウェブブラウザのダウンロードがブロックされているという。
ただ、韓国サムソン(1969年創業の総合家電・電子製品メーカー)や米アップルのアプリケーションストアではまだアリババのウェブブラウザが使用できるという。
この事態が判明する直前、中国国営『中国中央テレビ(CCTV)』(1958年設立)が、アリババのウェブブラウザが医療広告で間違った情報を提供しているとの非難報道をしていた。
同報道によると、同ブラウザが提供するリサーチツールが、中国国内最良の病院として私立病院を提言するように仕向けていて、公立病院に行こうとしていた患者を当該病院に誘い込むような手段となっていたという。
アリババのウェブブラウザ・チームの広報担当は『CNBC』のインタビューに答えて、“同テレビ番組報道にある問題については、今後とも最大級の優先課題としてチェック・是正を試みていく”とした上で、“同番組で「違法な広告事項」と指摘されたリサーチツールは、すぐさま削除している”とコメントしている。
一方、『CCTV』報道によると、習近平国家主席(シー・チンピン、67歳)が3月15日、中国経済諮問委員会の会合において、“IT企業大手に対する取り締まりに着手した”と語り、“いくつかのITプラットフォームは基準を満たしておらず、リスクが存在しているからだ”と付言している。
なお、中国当局は昨年11月、アリババグループ傘下のアントグループ(2014年創業の、世界最大のモバイル・オンライン決済プラットフォーム運営会社)による370億ドル(約4兆330億円)と見込まれる新規上場を差し止めている。
(注)ウェブブラウザ(インターネットブラウザ):パソコンやスマートフォン等を利用してウェブサーバに接続するためのソフトウェアであり、ウェブページを表示したり、ハイパーリンクをたどったりするなどの機能がある。主なウェブブラウザとして、グーグルクローム、マイクロソフトエッジ、インターネットエクスプローラー等がある。
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