サムスン、ギャラクシーノート7を生産打ち切り(2016/10/12)
サムスン電子は10月11日最新の高級スマートフォンであるギャラクシーノート7の生産打ち切りを発表した。ノート7は発売開始後発火問題を起こしたため同社は電池の不具合として製品の交換で対応してきたが、交換後の製品も問題を起こしたため収拾困難となり最悪の生産打ち切りに追い込まれた。生産打ち切りの損害は100億ドルにも上るという見方もあるが、ノート7以外のサムスン製品についての同様の問題はないのかと消費者に不信感も生まれており、ブランドのイメージダウンは大きい。サムスンがこの苦境をどう乗り切るかが注目される。
10月11日付
『ニューヨークタイムズ』は、「サムスン、ギャラクシーノート7の問題究明が出来ず、生産打ち切り」という見出しで、ノート7が生産打ち切りとなったと報じた。問題発生以来サムスンは何百人もの従業員を投じて原因究明に乗り出し、当初は一部サプライヤーの電池の不具合として、他のサプライヤーの電池で生産を続けて来たが、またしても問題が発生し原因究明が出来なかった。ある匿名の従業員からの情報によるとサムスンは訴訟を恐れて原因究明に当たる従業員間の電子メールを禁止したため、従業員間のコミュニケーションに問題を生じたという。...
全部読む
10月11日付
『ニューヨークタイムズ』は、「サムスン、ギャラクシーノート7の問題究明が出来ず、生産打ち切り」という見出しで、ノート7が生産打ち切りとなったと報じた。問題発生以来サムスンは何百人もの従業員を投じて原因究明に乗り出し、当初は一部サプライヤーの電池の不具合として、他のサプライヤーの電池で生産を続けて来たが、またしても問題が発生し原因究明が出来なかった。ある匿名の従業員からの情報によるとサムスンは訴訟を恐れて原因究明に当たる従業員間の電子メールを禁止したため、従業員間のコミュニケーションに問題を生じたという。
同社がこの苦境からいつ抜け出せるかは不明であり、既に財務面で大きな打撃を受けている。火曜日韓国の株式市場でサムスン株は8%下落し170億ドルの市場価値が消滅した。アナリストによれば、スマートフォン事業は同社の半導体や液晶部門の製品を使っているため、同社全体では100億ドル以上の損失を被ることになるという。韓国の朝鮮日報の社説は消費者の信頼喪失は金では測れない損害を与えると警告している。会社の評判を専門とするコンサルタントは、決定が遅れたら会社の信用を完全に喪失していたかも知れず、今回の迅速な打ち切り決定は長い目で見ると賢い決定であったと評価する。
ノート7の発売前には徹底した検査を行ったが、その過程では問題は発見されなかった。業界専門家は強敵アップルが新アイフォンを発売したため、ノート7の販売を急ぎ過ぎて技術的な問題か手抜きを生じたのではないかと調査中である。ある従業員は技術の現場を理解していないトップからのトップダウン経営手法という企業文化に問題があると言う。ある技術者は、サムスンはアイフォンに勝る製品を作るため多くの新機軸を詰め込み過ぎて制御不能になったのではないかと疑っていると伝えている。
10月11日付
『ブルームバーグビジネス』は、「ノート7の打ち切りでサムスンブランドに危機」という見出しで、サムスンがノート7生産打ち切りという劇的なステップを踏んだと報じた。サムスンのイメージは知性を市場化し、機知を技術化する会社というもので、コンサルティング会社インターブランドは2016年の調査で世界7位のブランドにランクし、アマゾン、ベンツを上回った。しかし発火問題発覚以来米国、欧州、中国のメディアやネットが厳しい評価で溢れた。特に中国ではイメージ悪化が著しく顧客や政府系メディアが同社の対応を酷評している。「サムスンは中国では終わった」という者もいる。一方韓国では愛国精神から未だサムスン製品を買うという消費者がいる。香港のアナリストは、これはスマートフォンだけの問題に止まらない。全社の製品群がこの背後にある。スマートフォンが売れなくなれば集積回路や液晶画面も売れなくなりスパイラル現象を起こすと語っていると報じている。
閉じる
日中韓三ヶ国外相会議開催(2016/08/26)
8月24日日中韓三ヶ国外相会議が2015年3月以来約1年半ぶりに開催された。8月に中国の公船が尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返したことから予定通り開催されるか心配されたが、何とか開催に漕ぎ着けた。中国の王毅外相は2013年の就任以来初来日である。24日午前北朝鮮が潜水艦ミサイルの発射実験を行ったため、3各国は対北朝鮮問題で連携強化することで一致した。また今年日本で開催予定の三ヶ国首脳会議の開催へ協力することを確認した。海外メディアの報道ぶりを紹介する。
8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。...
全部読む
8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。今回の会議では、明らかに災害予防、環境など対立が少ない問題に焦点があてられた模様であると報じている。
8月24日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「来月G20時の習安倍首脳会議へのドアは半開きと中国語る」という見出しで、中国の王毅外相は水曜日日本が要請している日中首脳会議は検討中であり、両国が開催に向け雰囲気作りをしなければならないと日中韓三ヶ国外相会議の後開催された日中外相会議後に記者団に語ったと報じた。王毅外相は、現在日中間には困難な課題とチャンスが並存しており、あたかも潮流に逆らう船のようで前進も後退もあり得るとも語ったと報じている。
8月25日付中国の
『チャイナデイリー』は、「王毅外相:中国は日本がG20首脳会議で建設的な役割を担うことを歓迎する」という見出しで、王毅外相が、三ヶ国外相会議後安倍首相と会談した際に語ったと報じた。王毅外相はまた、三ヶ国がそれぞれ二国間で障害に直面している時期に三ヶ国協調を基調とすることに合意出来たこと、協力は政治、経済、貿易、文化の四分野で行われるべきだとの提案を行ったことを語った。王毅外相は滞日中に二階自民党幹事長、河野元衆院議長、福田元首相とも会談し、二階幹事長に対しては、日中関係は前進も後退もあり得ると語ったと報じている。
8月25日付韓国の英文版
『朝鮮日報』は、「韓中日三ヶ国首脳会議東京で開催へ」という見出しで、韓中日三ヶ国は首脳会議を今年中に東京で開催することに合意したと報じた。朴大統領、習主席にとって共に就任以来初めての訪日になる。三ヶ国はまた北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を非難したこと、韓中間でミサイル防衛システム配備についての応酬があったことも報じている。
閉じる
その他の最新記事