米・英・ロシア・マレーシア・中国メディア;中国、やはり南シナ海軍事拠点化促進(2016/12/15)
11月28日付
Globali「米政権交代期にアジアに睨みを利かせる中国」及び12月12日付
同「中国軍、東シナ海で飛行訓練再実施」で触れたとおり、中国は、米大統領交代期に米国のアジアへの睨みが疎かになっている隙に、軍事演習を頻繁に行ったりして東アジアにおいて威圧的な対応を取っている。そして、更に現実になったことは、習主席が軍事拠点化はしないと言っていた南シナ海において、中国が一方的に埋め立てて築いた人工島全7島に対空機関砲等を装備していることが判明した。
12月14日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「中国、人工島の防衛強化」
「●米リサーチ社アジア海洋活動透明性追求団体(AMTI)のグレゴリー・ポーリング代表は12月14日、中国が南シナ海の人工島全7島に対空機関砲やミサイル迎撃システム等の最新兵器を装備していることが衛星写真から判明したと発表。
●ポーリング氏は、昨年オバマ大統領と会談した際に、習近平(シー・チンピン)主席が南シナ海を軍事拠点化することはないとした発言を否定するものとコメント。...
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12月14日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「中国、人工島の防衛強化」
「●米リサーチ社アジア海洋活動透明性追求団体(AMTI)のグレゴリー・ポーリング代表は12月14日、中国が南シナ海の人工島全7島に対空機関砲やミサイル迎撃システム等の最新兵器を装備していることが衛星写真から判明したと発表。
●ポーリング氏は、昨年オバマ大統領と会談した際に、習近平(シー・チンピン)主席が南シナ海を軍事拠点化することはないとした発言を否定するものとコメント。
●これに対して米国務省のジョン・カービー報道官は、人工島を武装する必要性は全く考えられず、従って中国の動静を今後とも注意深くみていくと表明。
●軍事専門家は、中国が今後更に戦闘機や長距離ミサイルを人工島に配備するとなれば、近隣諸国と脅威となり新たな国際問題を惹起しかねないので、中国はそこまで軍備強化することはあるまいとコメント。」
同日付英
『ロイター通信英国版』:「米シンクタンク:中国が人工島に兵器類を装備していると発表」
「●米シンクタンクのAMCIによれば、今年6、7月以来、南沙(スプラトリー)諸島のファイアリークロス、ミスチーフ、スビ岩礁上に築かれた人工島に軍用に資する滑走路を整備済み。
●そして更に、11月に撮影した衛星写真から、ガベン、ヒューズ、ジョンソン、クァテロン岩礁上の人工島に、最新兵器が装備されていることが判明。
●AMCIポーリング代表は、中国はあくまで防衛上の話と弁解するかも知れないが、かかる最新鋭兵器を装備することは軍事拠点化の紛れもない証拠だとコメント。
●米国務省のカービー報道官は、南シナ海の領有権問題を平和裏に解決するため、(中国含めて)どの当事国にも岩礁埋め立て、施設建設、更には軍事化することを控えるよう、引き続き要求していくとコメント。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「衛星写真から中国の“軍事拠点化”が明らかになったので、米国は中国に対して“厳しく対応していく”と表明」
「●米太平洋軍ハリー・ハリス司令官はシドニー(豪州)での講演会で、中国の南シナ海軍事拠点化は絶対許容されることではなく、必要とあれば近隣諸国に協力して中国と対峙することも辞さないと発言。
●更に同司令官は、ドナルド・トランプ新政権となっても、米国の“恒久権益”に変更はないと明言。
●これに対して中国外交部の耿爽(ゲン・シュァン)報道官は12月14日、米国はこれまでどおり、南シナ海問題に余計な口をはさまず、関係当事国が対話によって問題解決を図ろうとして努力を尊重すべき、と表明。」
12月15日付マレーシア
『ザ・ネーション』オンラインニュース:「中国、南シナ海で軍備増強」
「●AMCIによれば、衛星写真から装備されたのは最新鋭大型ミサイル迎撃システムなどで、米国他同盟国が空軍基地に配備しようとしているクルーズ・ミサイルに対応するものであるのは明らか。」
一方、同日付中国
『環球時報』(
『新華社通信』配信):「中国、米国に対して南シナ海問題に口をはさまないよう警告」
「●中国外交部の耿報道官は、ハリス太平洋軍司令官の“中国対峙”の発言に対して、域外国が南シナ海問題に口をはさめば、いらぬ緊張を高めるだけなので、当初の約束どおり 黙って見ているべきだと警告。
●更に同報道官は、米国防総省高官が、台湾の軍備強化の必要性に触れたことに対しても、米国には改めて、かつて発表の3つの米中共同声明にある“一つの中国”原則を尊重するよう求めると付言。」
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米・英・ロシア・台湾メディア;中国軍、東シナ海で飛行訓練再実施(2016/12/12)
11月28日付
Globali「米政権交代期にアジアに睨みを利かせる中国」の中で、“中国空軍は西太平洋において、バシー海峡(台湾とフィリピンの間)及び宮古海峡(沖縄本島と宮古島の間)上空を飛行させる訓練を9月に続いて実施した”と報じた。そして中国軍は、3度目となる飛行訓練を宮古海峡上空で実施したことから、航空自衛隊の戦闘機が再びスクランブル(対領空侵犯措置)をかけた。
12月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「中国軍、日本と台湾領海上空で飛行訓練」
「●中国軍は、12月10、11日と2日間にわたり、台湾と日本の領海上空で飛行訓練を実施。
●今回の台湾領海上空の飛行訓練は、先週末のドナルド・トランプ次期大統領と台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との電話会議に中国側が抗議して後間もなく実施されたもの。
●台湾国防部は、12月10日に宮古海峡上空を飛行した中国軍戦闘機は少なくとも10機、また、バシー海峡を飛行したのは4機だったと発表。...
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12月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「中国軍、日本と台湾領海上空で飛行訓練」
「●中国軍は、12月10、11日と2日間にわたり、台湾と日本の領海上空で飛行訓練を実施。
●今回の台湾領海上空の飛行訓練は、先週末のドナルド・トランプ次期大統領と台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との電話会議に中国側が抗議して後間もなく実施されたもの。
●台湾国防部は、12月10日に宮古海峡上空を飛行した中国軍戦闘機は少なくとも10機、また、バシー海峡を飛行したのは4機だったと発表。
●中国国営メディアは12月11日、中国軍艦船3隻が尖閣諸島周辺を監視航行したと報道。
●なお、中国国防部は12月10日、中国軍戦闘機が通常の訓練の一環で宮古海峡上空を飛行中、航空自衛隊の戦闘機2機が進路を妨害した上で、中国機の安全を脅かす“妨害弾”を発射したと抗議。」
同日付英
『ロイター通信英国版』:「台湾、中国空軍が遠洋飛行訓練実施と発表」
「●台湾国防部は、中国空軍機が12月10日、バシー海峡と宮古海峡上空を飛行したが、台湾の防空識別圏(ADIZ)侵犯はなかったと発表。
●一方、中国国防部の楊宇軍(ヤン・ユージュン)報道官は、中国軍機が通常の訓練飛行を行っていた際、航空自衛隊の戦闘機2機が飛行妨害をした上でデコイ・フレア(ミサイルを回避するための火炎弾)を発射しており、国際法による航行と飛行の自由を損なう行為だとして抗議。」
12月10日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「中国、航空自衛隊機の
異常接近を猛抗議」
「●中国の楊報道官は、宮古海峡は公認の国際航路であり、中国軍機の安全飛行訓練を脅かす航空自衛隊のスクランブルに対して猛烈抗議。
●また同報道官は、総合的な日中関係に則し、今後二度と妨害行為を繰り返さないよう望むとも付言。
●中国国営メディアは、宮古海峡は中国軍が、東シナ海から西太平洋方面に展開するための、限られた国際航路のひとつだと報道。」
12月11日付台湾
『台北時報』:「中国軍機、台湾上空を飛行」
「●台湾国防部は、中国軍機が12月10日、東シナ海から宮古海峡上空を通過して後、台湾北方のバシー海峡を飛行して中国軍基地に向かったと発表。
●同部によると、直近2週間で2度目の台湾上空飛来。
●11月25日に飛来したのは、西安H-6K爆撃機2機、ツボレフTu-154哨戒機及び陝西Y-8輸送機だったが、今回はSu-30戦闘機数機の模様。
●なお、同部高官によると、中国軍機が中国沿岸基地から東シナ海に飛来した途端、台湾軍のレーダーが飛行航路を全て捕捉。」
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