前トランプ政権;外国首脳らから受領のギフト管理の杜撰さが露呈【米メディア】
4月9日付
『AP通信』 や10日付
『ハフポスト』 紙が、「トランプ政権の法令軽視再び:外国首脳らから受領のギフト管理杜撰」と題して、ドナルド・トランプ前大統領、マイク・ペンス副大統領等前政権幹部が、連邦内規を無視して外交要人らから受領のギフト管理表を関係省庁に提出していないことが判明したと報じている。
国務省の高官が4月8日にリリースした報告書によると、トランプ政権幹部らが在任中の2020年までの間に、外交首脳等から受領したギフトの管理簿が関係省庁に提出されていないことが判明した。
同省儀典局が、これらのギフトの記録簿(市価含めて)を米国立公文書記録管理局(NARA、注1後記)や米連邦共通役務庁(GSA、注2後記)に照会したところ、“関連記録が見当たらない”という。
これは、ドナルド・トランプ前大統領、マイク・ペンス副大統領含めたトランプ政権幹部が受領したギフトが記録保管されていないことを意味する。...
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国務省の高官が4月8日にリリースした報告書によると、トランプ政権幹部らが在任中の2020年までの間に、外交首脳等から受領したギフトの管理簿が関係省庁に提出されていないことが判明した。
同省儀典局が、これらのギフトの記録簿(市価含めて)を米国立公文書記録管理局(NARA、注1後記)や米連邦共通役務庁(GSA、注2後記)に照会したところ、“関連記録が見当たらない”という。
これは、ドナルド・トランプ前大統領、マイク・ペンス副大統領含めたトランプ政権幹部が受領したギフトが記録保管されていないことを意味する。
連邦政府内規では、賄賂や不適切な関係との疑念が生じないよう、外交政府から受領した415ドル(約5万1千円)以上のギフトは全て、国務省に報告する義務がある。
ジョージ・W.・ブッシュ政権(2001~2009年)でホワイトハウス倫理弁護士を務めたリチャード・ペイナー氏(60歳)は、“トランプ政権の幹部らは、米憲法に定められた(外国政府等からの)報酬等取得禁止条項を軽んじている”とし、“彼らが、どこの政府からどんなギフトを受領しているのか全く不明だ”と非難している。
これは、トップであったトランプ前大統領が、如何に連邦法典を敬わなかったか、ということである。
例えば彼は、ホワイトハウスを去る際、“機密事項”のみならず、“超極秘事項”に属する公文書等15箱分をフロリダ州のマー・ア・ラゴ居住地に勝手に持ち出している。
更に彼は、記録保管しておくべき文書をしばしば破棄してしまっており、そのためNARA高官は、下院特別委員会(1月6日暴動調査担当)から求められた文書を提出するために、ビデオ画像を再生したりして周辺情報をかき集めて記録作成に奔走しなければならない事態となっている。
『ワシントン・ポスト』 紙は4月7日、トランプ前大統領が持ち去った公文書について、司法省が同氏住居に立ち入り調査に入ることになったと報じている。
また、『ニューヨーク・タイムズ』 紙も、もし外国関係者が“超極秘事項”の公文書にアクセスしたことが判明すれば、連邦捜査局(FBI、1908年設立)が捜査に乗り出すものとみられると報じた。
一方、下院監視改革委員会(1927年設立)は今年2月、トランプが持ち出した当該公文書の詳細の調査に入っている。
これに対してトランプは、(文書持ち出しは)“慣習に基づく通常の所作”だと嘯いている。
(注1)米国立公文書記録管理局NARA:米国政府の書類と歴史的価値のある資料を保存する公文書館。1935年前身母体設立。米議会の決議書、大統領の布告や行政命令、連邦行政規則集などを発行する義務もある。
(注2)米連邦共通役務庁GSA:連邦財産の管理維持、公文書の管理、資材の調達・供給などを行う。1949年設立。
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米政府、ウクライナ対応でTikTokインフルエンサーに協力を依頼
米政府は3月11日、30人のTikTokインフルエンサーをZOOMでのオンライン会議に招待し、ロシア・ウクライナ戦争に関する情報を共有し、情報拡散の協力を依頼した。
米
『ワシントン・ポスト』 によると、ZOOM会議には、国家安全保障会議のスタッフとホワイトハウスのサキ報道官がTikTokのトップインフルエンサーたちに対して、バイデン政権のウクライナ戦争に関する戦略目標に関する情報共有を行った。
中国系ソーシャルメディアアプリであるTikTokは、何百万人ものユーザーが、ウクライナで起こっているかについての情報を得るために毎日利用している。防空壕に隠れたり、家から逃げたりしているウクライナの市民は、このプラットフォームに動画を共有しており、ロシアの侵攻について、最新の状況を確認することができる。...
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米
『ワシントン・ポスト』 によると、ZOOM会議には、国家安全保障会議のスタッフとホワイトハウスのサキ報道官がTikTokのトップインフルエンサーたちに対して、バイデン政権のウクライナ戦争に関する戦略目標に関する情報共有を行った。
中国系ソーシャルメディアアプリであるTikTokは、何百万人ものユーザーが、ウクライナで起こっているかについての情報を得るために毎日利用している。防空壕に隠れたり、家から逃げたりしているウクライナの市民は、このプラットフォームに動画を共有しており、ロシアの侵攻について、最新の状況を確認することができる。
米政府のデジタル戦略ディレクターは、政府はTikTokがウクライナに関する最新情報の重要な情報源になっていることを認識しており、オンライン会議では「権威ある情報源」から信頼できる情報を提供したかったと述べている。インフルエンサーを通して、数百万人のTikTokフォロワーに直接情報を届けることができる。
今回、米政府は、「Gen Z For Change」という非営利の提言団体と協力し、TikTokのどのコンテンツクリエイターを会議に参加させるかを特定した。TikTokで53万4000人以上のフォロワーを持つ21歳のカーリル・グリーンは、ホワイトハウスのブリーフィングへの招待を受けたことに驚きはなかったと語っている。「ぼくの世代の人々は、すべての情報をTikTokから得ている。新しいトピックを検索し、物事について学ぶ最初の場所になっている」と指摘している。
TikTokで1050万人のフォロワーと約3億5000万件の「いいね!」を持つ10代のインフルエンサー、エリー・ザイラーは、「自分をZ世代のホワイトハウス特派員だと考えている」と述べており、重要な問題についてホワイトハウスと接触を続けていきたいと語っている。
民主党にコンサルティングサービスを提供しているプレシジョン・ストラテジーズ社の創業者テディ・ゴフ氏は、Z世代のインフルエンサーに情報発信を依頼するホワイトハウスの戦略は不可欠だと語っている。「伝統的なニュースメディアの記事は、TikTokの大物インフルエンサーが影響を及ぼす範囲に比べればほんのわずかだ。」と述べている。
米『フォックスニュース』 は、バイデン政権がTikTokインフルエンサーと行ったオンライン会議の通話録音の中で、サキ報道官がガス価格の上昇は、新型コロナウイルスのパンデミックの終焉が需要の上昇を煽っていること、さらにはロシアの国際貿易における孤立が供給を遮断していることが原因だと説明していたと伝えている。会議の数日後、インフルエンサーの一人、エリー・ザイラーはさっそくその内容をそのままフォロワーに共有した。『フォックスニュース』 は、サキ報道官の説明は、キーストーンXLパイプラインを中止するなど、バイデン政権の政策の責任を回避した説明となっており、それを拡散しようとしているとして批判している。
こうした中、米『ABCニュース』 は、ABC News/Ipsosの新しい世論調査によると、アメリカ人はバイデン政権のロシア産原油の輸入禁止案を強く支持している一方で、バイデン大統領の経済全般、特にインフレへの対応には非常に批判的であると報じている。アメリカ人の70%は、大統領のインフレへの対処に不支持を表明している。経済回復に関しても、58%が不支持と回答しており、12ヶ月ぶりの低評価となっている。『ABCニュース』 は、バイデン大統領は、さまざまな分野で不満を募らせる有権者だけでなく、緊迫したヨーロッパでの戦争への対応に迫られているとコメントしている。
また、共和党の多くの議員は、現政権が外国のエネルギー源に「過度に依存」していることや、キーストーンパイプラインの閉鎖と相まって連邦政府所有地での新しい石油とガスのリースを停止するなど就任直後の行政上の気候変動対策を非難していると伝えている。バイデン大統領は3月上旬の下院民主党会合で、「間違いなく、インフレは主にプーチンのせいだ」と述べ、サキ報道官も、今月初めの記者会見で「ガスの値段が上がっているのは、大統領がとった措置のせいではなく、プーチン大統領がウクライナに侵攻し、それが世界市場に大きな不安定を生み出しているからだ」と述べている。
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