英国の多くのメデイアは、5月4日、労働党のサデイック・カーン氏にとって歴史的な投票結果となり、史上初の連続して3度目の任期を務めるロンドン市長となった。サデイック・カーン氏は、パキスタン人移民でバス運転手の父を持ち、53才、2016年に初当選をはたし、初めてイスラム教徒のロンドン市長となった。3期目の選挙では競争相手の保守党候補スーザン・ホールに大差をつけて勝利し、2期連続の任期を務めた前任者、ボリス・ジョンソン氏の長期政権記録を打ち破った形となった。
これまでを振り返ると、彼のロンドン市長としての、第1期目では英国EU離脱に強く反対した。今回の選挙では、ロンドンが全ての市民にとって、より公平で、より確実性のある、より環境にやさしい都市になることを公約した。
サデイック・カーン氏は、さらの公立学校での食事提供の無料化を広めたいと計画している。彼自身が社会救済住宅で育ったことを踏まえて、4万戸の社会救済住宅を新たに建設して、2030年までにロンドンでの路上生活者を無くすことを公約に上げている。
一方、ロンドン市長に対して、保守党の市会議員たちはセキュリティの欠如の例として、市内での殺傷事件の増加をあげて責任を追及しているが、サデイック・カーン氏は、この原因が保守党連合政府による予算削減による警察官の人員削減によるものだと反発している。さらに、保守党の元副首相のリー・アンダーソンは2月に、「イスラム教徒勢力がサデイックサカーン市長をうまく操っている。 ロンドンをイスラム教徒に好きなようにさせている。」と批判し、その後は英国の極右政党の‘UK改革党’に入党している。
なお、サデイック・カーン氏は、ラマダンと朝晩の祈りを欠かしたことのない敬虔なイスラム教信者であるが、ロンドン市長としての一番の功績は、ロンドンを、46%の住民がアジア系、アフリカ系、混血した人種とそれ以外の人種からで構成された多様性を誇る、魅力のある都市に変えたことであるという。
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