米・英・ドイツ・ロシアメディア;トランプ大統領の独裁政治(2)-保守派の最高裁判事指名(2017/02/01)
2月1日付
Globali「トランプ大統領の独裁政治-不服従の高官解任」の中で、“トランプ新大統領は、中東・アフリカ7ヵ国からの入国禁止措置を命ずる大統領令を発令し、あろうことか、同命令に不服従の司法省長官代理を突如解任するという、中国や北朝鮮顔負けの専制君主になりつつある”と報じた。そして今度は、2月1日付【
風の流れ:米国最高裁判所判事にゴーサッチ氏】で述べられているとおり、空席となっていた連邦最高裁判事(注後記)に、保守派の判事を指名した。トランプ氏は、自身が発令した大統領令の無効化訴訟が、将来最高裁判断に委ねられることになった場合の布石を打ったと勘繰られなくもない。
1月31日付米
『USAトゥデイ』紙:「民主党上院議員、ゴーサッチ氏指名に疑問表明」
「●ドナルド・トランプ大統領は1月31日、空席となっていた連邦最高裁判事に、ニール・ゴーサッチ連邦控訴裁(高裁)判事を指名。
●共和党議員は挙ってその指名を称賛したが、民主党上院議員は人選に疑義があるとして、上院での指名承認に反対する意向を表明。
●民主党上院リーダーのチャック・シューマー議員(ニューヨーク州選出)は、最高裁判事の承認には60人の上院議員の賛同が必要にて、そのためにはゴーサッチ判事には、(行政等からの)如何なる無理難題に対しても憲法の番人としての務めを果たし、かつ、憲法上認められた米国民の人権を擁護するとの意思をはっきり示すことが求められるとコメント。...
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1月31日付米
『USAトゥデイ』紙:「民主党上院議員、ゴーサッチ氏指名に疑問表明」
「●ドナルド・トランプ大統領は1月31日、空席となっていた連邦最高裁判事に、ニール・ゴーサッチ連邦控訴裁(高裁)判事を指名。
●共和党議員は挙ってその指名を称賛したが、民主党上院議員は人選に疑義があるとして、上院での指名承認に反対する意向を表明。
●民主党上院リーダーのチャック・シューマー議員(ニューヨーク州選出)は、最高裁判事の承認には60人の上院議員の賛同が必要にて、そのためにはゴーサッチ判事には、(行政等からの)如何なる無理難題に対しても憲法の番人としての務めを果たし、かつ、憲法上認められた米国民の人権を擁護するとの意思をはっきり示すことが求められるとコメント。
●なお、ほぼ1年前に急死したアントニオ・スカリア判事の後任として、オバマ前大統領はメリック・ガーランド氏を指名したが、多数派の共和党が承認手続きを進めず、結局空席状態が継続。」
2月1日付英
『ジ・インディペンデント』紙(
『AP通信』配信):「ドナルド・トランプ氏の最高裁判事指名に民主党議員が抵抗表明」
「●トランプ大統領が指名したゴーサッチ氏(49歳)は、過去25年で最も若い判事候補。
●ゴーサッチ氏は、デンバー(コロラド州)に本部を置く第10連邦控訴裁判事。
●昨年のオバマ前大統領の判事指名には、共和党上院が11月の選挙まで受け付けないとして承認を拒否。
●この経緯もあってか、民主党上院議員の中には、どんな候補が指名されようと承認しないとする声もあり、また、民主党上院リーダーのシューマー議員も、ゴーサッチ氏の指名には“深い憂慮”があるとコメント。
●トランプ氏によると、21人の最終候補リストから選択されたゴーサッチ氏は、ブッシュ政権時に司法省で2年勤務しており、また、彼の母親は、レーガン政権時に環境保護局長官。」
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「トランプ大統領、最高裁判事にニール・ゴーサッチ
氏を指名」
「●トランプ大統領は、ゴーサッチ氏について、頭脳明晰で、比類ない法曹教育を受けている立派な判事と称賛。
●共和党上院リーダーのミッチ・マッコーネル議員(ケンタッキー州選出)も、“素晴らしい人選”だと指名を支持するツイート。
●一方、民主党シューマー上院議員は、ゴーサッチ氏は女性の権利擁護(特に中絶権)について偏りがみられ、中立で堅固な判事となるか疑念なしとしないとツイート。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「トランプ氏、
連邦控訴裁のゴーサッチ判事を最高裁判事に指名」
「●共和党上院議員は昨年、急死した保守派の判事の後任として、オバマ前大統領が3月に指名した判事候補について、最高裁におけるリベラル派と保守派のバランスが崩れるとして承認拒否。
●この経緯から、トランプ氏も選挙戦中から、空席の最高裁判事には、保守派の候補を指名すると公言。」
(注)連邦最高裁判事:9人の判事で構成され、終身制。昨年2月、保守派のスカリア判事が急死して以来空席で、現在はリベラル派4人、保守派3人、保守寄りの中間派1人。上院の過半数で承認される閣僚と違って、最高裁判事は全上院議員100人中60人の賛同が必要。
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米・英・ドイツ・ロシア・中国メディア;トヨタの世界販売首位陥落が確定(2017/01/31)
1月12日付
Globali「VW、初世界販売トップ奪取も米当局への重い罰金支払い」の中で、“ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループが、2016年の世界販売台数で1,031万台を達成し、2015年まで4年連続首位だったトヨタ自動車を抜いて初めてトップに躍り出る見通しとなった”と報じた。そしてこの程、トヨタの2016年販売実績が1,017万5千台であることが判明したため、VWの世界販売トップが確定した。
1月30日付米
『NBCニュース』:「スキャンダルに襲われた自動車メーカーが世界販売トップ」
「●排ガス不正問題に襲われていたVWが、2016年に全世界で1,031万台販売し、トヨタに15万台以上の差を付けて首位を奪取。
●2015年のスキャンダル発覚で辞任に追い込まれたマーティン・ヴィンターコルン前最高経営責任者(CEO)が、当初2018年までに首位奪取との目標を立てていたが、2年早く達成。...
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1月30日付米
『NBCニュース』:「スキャンダルに襲われた自動車メーカーが世界販売トップ」
「●排ガス不正問題に襲われていたVWが、2016年に全世界で1,031万台販売し、トヨタに15万台以上の差を付けて首位を奪取。
●2015年のスキャンダル発覚で辞任に追い込まれたマーティン・ヴィンターコルン前最高経営責任者(CEO)が、当初2018年までに首位奪取との目標を立てていたが、2年早く達成。
●しかし、後任のマティアス・ミューラー現CEOは、販売台数トップ目標より、企業倫理の改善と排ガス不正の汚名返上に主眼。
●VWが販売好調だったのは、欧州市場回復で421万台に到達しただけでなく、中国市場で前年比+12.2%増の398万台と、同国最大の自動車メーカーとなったためだが、業界専門家は、間もなくVWの主たる市場は欧州から中国にシフトすると予想。
●一方、トヨタは2016年世界1の収益を上げる自動車メーカーと見込まれるが、販売台数は前年の1,015万台から1,018万台に微増に留まる。」
同日付英
『ザ・サン』紙:「VW、トヨタを抜いて世界販売トップに君臨」
「●VWは、2015年まで4年連続首位のトヨタを抜いて初の世界販売トップ。
●2015年9月にVWの排ガス不正が発覚した際、英国販売の120万台含めて、欧州全域で合計1,100万台が違法回路搭載車だったことが判明。
●日本の業界専門家は、あと数年VWが販売首位を堅持しようと予測。
●なお、米最大のGMの2016年実績は来週確定数値が発表されるが、VW実績を上回ることはないことが判明済み。」
同日付ドイツ
『DPA(ドイツ通信)ニュース』:「VWが2016年世界販売台数でトヨタに競り勝ち」
「●トヨタの2016年実績が前年比僅か+0.2%だったが、VWは+3.8%と大躍進。
●トヨタは、2011年の東日本大震災による部品等供給体制崩壊危機で首位を明け渡したが、2012年以降は4年連続首位堅持。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「VW、トヨタを抜いて世界販売首位奪取」
「●VWは、ブラジル向けで▼34%減、米国で▼3%減、しかし、欧州で+4%増、更に排ガス不正に関わるディーゼル車を一切販売していなかった中国向けで+12.2%増と躍進したため、世界販売トップを獲得。
●ドイツの業界専門家は、北米市場が主流のトヨタは、目下トランプ・リスク(新大統領からの無理難題要求)を抱えて伸び悩み、一方、VWは欧州・中国で更に伸びると期待されるため、2017年も世界トップを維持すると予想。」
同日付中国
『上海日報』:「トヨタ、2016年世界販売首位から陥落」
「●1月30日の実績値発表で、トヨタが世界販売首位から陥落することが確定。
●また、トヨタは、トランプ新大統領よりメキシコ工場建設計画を非難され、対応に苦慮。
●更に、同大統領は、日本の自動車メーカー含めて、米労働者雇用に悪影響を与えるとして、対米輸出について見直すとも発言。
●
『共同通信』の1月30日報道によると、トヨタの豊田章夫社長は2月3日、来週訪米して同大統領と首脳会談予定の安倍晋三首相と面談し、日米貿易の実情等を詳しく打合せ予定。」
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