ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループが、2016年の世界販売台数で1,031万台を達成し、2015年まで4年連続首位だったトヨタ自動車を抜いて初めてトップに躍り出た。しかし、同時に、2015年売り上げを大幅に下げる原因となった排ガス不正問題について、米当局との協議の結果、43億ドル(約5,000億円)の罰金及び民事制裁金を支払うことがほぼ確定したことから、2016年12月期の決算は惨憺たるものになるとみられる。
1月11日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』配信):「VW、排ガス不正問題に関わる罰金等で従業員に重い足かせ」
「●VWは1月10日、2015年9月に米国で発覚した排ガス不正に関わり、米当局から訴追されていた問題で、このほど43億ドルの罰金及び民事制裁金を支払うことでほぼ合意したと発表。
●この他VWは、米国内ユーザーの50万台までの車買い戻し含め、150億ドル(約1兆7,400億円)の賠償金支払いで環境当局及びユーザーと合意済み。...
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1月11日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』配信):「VW、排ガス不正問題に関わる罰金等で従業員に重い足かせ」
「●VWは1月10日、2015年9月に米国で発覚した排ガス不正に関わり、米当局から訴追されていた問題で、このほど43億ドルの罰金及び民事制裁金を支払うことでほぼ合意したと発表。
●この他VWは、米国内ユーザーの50万台までの車買い戻し含め、150億ドル(約1兆7,400億円)の賠償金支払いで環境当局及びユーザーと合意済み。
●上記罰金支払いが確定すると、トヨタがアクセル・ペダル問題の責任で支払わされた12億ドル(約1,390億円)及びGMに科せられたイグニッション・キー不正問題に関わる9億ドル(約1,040億円)の罰金を大きく上回る。
●なお、米当局は先日、不正問題で当局に虚偽の報告をしていた容疑で、米VW幹部で環境法令遵守担当だったオリバー・シュミット容疑者を逮捕しているが、VW経営陣の関与までも視野に入れて捜査を継続中。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「米当局との和解進展でVW株価が上昇」
「●VWが80年の歴史上最大のスキャンダルとなった排ガス不正問題で、米当局との和解が成立する見込みとのニュースを歓迎して、欧州市場の同社株式が4%上昇。
●ただ、米国他世界の1,100万台に及ぶ排ガス不正機器のリコール・買い戻しや、追加の損害賠償請求訴訟の問題が残っており、VWのいばらの道は続く。
●VWは当初、不正問題解決に関わる対策費用として182億ユーロ(192億ドル、約2兆2,000億円)積み立てたが、上記罰金等支払いを含めると不足する見通しとなったため、2016年決算に影響が出る恐れ。」
同日付豪州
『SBSテレビニュース』:「VW、米当局に58億豪州ドルの罰金支払いで合意と発表」
「●VWは、43億ドル(58億豪州ドル)の罰金支払いに加えて、今後3年間の第3者による監督を受ける義務。
●またVWは更に今後2年間、米国の約20州に及ぶユーザーの車のリコール・買い戻しや、投資家からの損害賠償請求訴訟に対応する必要。」
同日付アラブ首長国連邦
『ガルフ・ニュース』(
『AFP通信』配信):「VW、米当局と罰金43億ドル支払いでほぼ合意」
「●VWは米当局への罰金支払い協議に先立ち、2016年に米ユーザーの車のリコール・買い戻し及びディーラーへの補償等で、175億ドル(約2兆300億円)の拠出に合意。
●VWは排ガス不正問題で、米国の販売が7.6%落ち込んだものの、世界販売で躍進(*)し、2015年比+4%販売を伸ばして初めて1,000万台超を達成。」
(*)VW販売の約8割を占める欧州・中国で好成績。
同日付中国
『新華社通信』:「VW、米当局と43億ドルの罰金支払いでほぼ合意」
「●VWの罰金支払い額については、同社取締役会の承認を経て米当局と最終合意が必要。」
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