日本、労働市場最高潮も賃金・消費上がらず、また、人手不足倒産も<米・英・ロシア・ドイツメディア>(2017/05/31)
厚生労働省の5月30日公表データによると、4月の有効求人倍率(季節調整)は1.48倍と、1990年7月に記録したバブル経済期の最高値(1.46倍)を上回り、1974年2月(1.53倍)以来43年2ヵ月振りの高水準となった。しかし、総務省の公表データでは、世帯別個人消費が14ヵ月連続で減少しており、また、東京商工リサーチによると、人手不足関連倒産が310件(うち後継者難が268件、求人難が24件、人件費高騰による資金繰り難が18件)と徐々に増えてきている。欧米メディアも関心を持って報じている。
5月30日付米
『CNNニュース』:「日本の労働市場、人手不足状況悪化」
厚生労働省が5月30日に発表したデータによると、今年4月の求人倍率が1.48倍となり、1974年の1.53倍以来の高水準となっている。安倍晋三政権が推す、女性活躍社会創生政策も後押しして、女性や高齢者の就業人口が増えているが、業種によっては必要な雇用が確保できない状況にある。
少子高齢化によって労働人口の減少、更には将来の経済規模縮小が懸念されるが、日本は依然、移民労働力受け入れに消極的なことが顕著である。...
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5月30日付米
『CNNニュース』:「日本の労働市場、人手不足状況悪化」
厚生労働省が5月30日に発表したデータによると、今年4月の求人倍率が1.48倍となり、1974年の1.53倍以来の高水準となっている。安倍晋三政権が推す、女性活躍社会創生政策も後押しして、女性や高齢者の就業人口が増えているが、業種によっては必要な雇用が確保できない状況にある。
少子高齢化によって労働人口の減少、更には将来の経済規模縮小が懸念されるが、日本は依然、移民労働力受け入れに消極的なことが顕著である。
また、労働市場が好調であるのに、十分な賃金上昇に結びついていないという問題もある。
同日付英
『ロイター通信英国版』:「日本の労働市場好調で、個人消費増への期待」
四十数年振りの求人倍率を記録しても、4月の個人消費高は、車購入や教育費用の減少によって、前年同月比▼1.4%と、通年平均の▼0.7%を大幅に上回る落ち込みとなっている。
ただ、高い求人倍率と合せて、失業率が2.8%と、1994年6月以来の最低レベルが続いていることから、経済専門家は、いずれ個人消費増につながるものと期待している。これは、消費者物価指数+2.0%の目標が中々達成できない日銀関係者も同様であろう。
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「日本の労働市場が予想以上にタイト」
4月の求人倍率は四十数年振りに高い数値を示しているが、少子高齢化に伴う労働人口減少が背景にある。かかる状況下、女性や高齢者の就業者数増となっているのは、日本経済にとって良いニュースであろう。
一方で、求人難の状況が賃金上昇に結びついていないという事態があるが、専門家によると、雇用が確保できない企業が海外移転に動いていることが背景にあるという。
同日付ドイツ
『DPA(ドイツ通信)インターナショナル』:「日本の世帯別個人消費が14ヵ月連続で落ち込み」
5月30日の総務省発表によると、4月の世帯別個人消費額は前年同月比▼1.4%と、14ヵ月連続の減少となっている。これは、日経ビジネスが予測した▼1.0%より、また、3月の▼1.3%より大きい落ち込みである。
また、平均月額賃金(インフレ調整値)も47万2,047円(4,253ドル)で、前年同月比▼2.2%と、2ヵ月連続の減少となっている。
経済専門家によると、女性や若年層が、特に低賃金のアルバイトやパートに従事していることが背景にあるとしている。総務省の発表では、かかる非正規雇用者が全体の37%に上る。
一方、今月初めの政府発表では、今年1~3月期の経済成長率は年率換算+2.2%と、5四半期連続の成長となっているとしているが、この背景には輸出が好調なことが挙げられる。
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米・英・ドイツ・ロシア・中国メディア;トランプ大統領招待を断り、ドゥテルテ大統領が中国軍艦に乗艦して上機嫌(2017/05/03)
5月2日付Globali「トランプ大統領、中国に弱腰の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国フィリピンのドゥテルテ大統領をホワイトハウスに招待」の中で、“トランプ大統領は、オバマ前大統領と犬猿の仲だったドゥテルテ大統領をホワイトハウスに招待し、新たな米比関係構築に向けた積極姿勢を示している”と報じた。しかし、招待される前に飛んでいく我が国首相と異なり、ドゥテルテ大統領は多忙を理由に訪米を辞退すると言い出しただけでなく、同じ日にフィリピン訪問中の中国軍艦に乗艦して中比蜜月関係を演じて見せた。トランプ大統領のツイッター攻撃が恐ろしい。
5月1日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「ロドリゴ・ドゥテルテ大統領、多忙のためホワイトハウス訪問は無理と発言」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は5月1日、多忙を極めるため、ドナルド・トランプ大統領からのホワイトハウス招待には応じかねると発言した。同大統領は、ロシアやイスラエルの訪問が決まっており、訪米の時間が取れないだろうとする。
ラインス・プリーバス首席報道官は、北朝鮮問題対応のため、アジア諸国における米政策理解者を増やす目的だとコメントしたが、ドゥテルテ大統領は、4月30日(米国時間4月29日)のトランプ大統領との電話会談は和やかに進んだとしながらも、北朝鮮との緊張を高めずに自制するよう求めたことを明らかにした。...
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5月1日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「ロドリゴ・ドゥテルテ大統領、多忙のためホワイトハウス訪問は無理と発言」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は5月1日、多忙を極めるため、ドナルド・トランプ大統領からのホワイトハウス招待には応じかねると発言した。同大統領は、ロシアやイスラエルの訪問が決まっており、訪米の時間が取れないだろうとする。
ラインス・プリーバス首席報道官は、北朝鮮問題対応のため、アジア諸国における米政策理解者を増やす目的だとコメントしたが、ドゥテルテ大統領は、4月30日(米国時間4月29日)のトランプ大統領との電話会談は和やかに進んだとしながらも、北朝鮮との緊張を高めずに自制するよう求めたことを明らかにした。
同日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「フィリピンのドゥテルテ大統領、トランプ大統領のホワイトハウス招待を断ることになろうと発言」
これまでの米比蜜月関係を見直し、中国やロシアとの連携を深めようとしているドゥテルテ大統領は、麻薬撲滅キャンペーンの一環で、フィリピン国家警察や“自警団”による麻薬犯罪容疑者の非合法殺人で7千人以上が犠牲になっていることを容認している。
そこで、トランプ大統領によるドゥテルテ大統領のホワイトハウス招待は、人権問題団体他多くから非難を浴びていたが、当のドゥテルテ氏はそのような話はお構いなく、日程調整が難しいことを理由に訪米を見合わせることになろうと発言した。
なお、ドゥテルテ大統領は、バラク・オバマ前大統領とは相容れない関係であったが、トランプ大統領就任で米比関係は改善しつつあると語っている。
5月2日付ドイツ
『DPA国際ニュース(ドイツ通信)』:「フィリピンのドゥテルテ大統領、訪米は不確かと表明」
ドゥテルテ大統領は、訪米が難しい理由として、年内にロシアとイスラエルへの公式訪問が決まっていて、更に、今年後半(11月)に開催される東アジアサミットのホスト国となっていること等を挙げた。なお、東アジアサミットへのトランプ大統領の出席が予定されている。
一方、同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「ドゥテルテ大統領、自身出身地(ダバオ市)寄港中の中国軍艦を訪問」
ドゥテルテ大統領は5月1日、自身の出身地であるダバオ市(フィリピン南部ミンダナオ島)に寄港中の中国軍艦を訪問した。中比関係が更に密接となっていることを内外に示す意図とみられる。
中国軍艦がフィリピンに寄港するのは2010年以来のことで、同大統領は、3隻のうちのミサイル駆逐艦“長春(チャンチュン)”に乗艦した。同大統領は前日の4月30日、マニラで開催されたASEANサミットにおいて、南シナ海問題で中国を糾弾する表現は削除し、代わって中国との関係改善を評価する議長声明を発信している。
同日付中国
『チャイナ・デイリィ』:「中国軍艦がフィリピンに寄港」
中国海軍の軍艦3隻が4月30日、フィリピン親善訪問のためダバオ市に入港した。翌日の5月1日には、ドゥテルテ大統領の表敬訪問を受けたが、同大統領はミサイル駆逐艦“長春”に乗艦した上で、とても美しくきれいな軍艦だと上機嫌であった。
中国軍艦のフィリピン寄港は2010年以来であるが、軍高官及び軍事専門家は、南シナ海問題に関し、中比関係が良好になっている表れであるとコメントしている。
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