4月22日付
『ロイター通信』は、3,400年程前に古代エジプトで君臨したラムセス大王の彫像が、三十有余年前に盗難されて以来多くの人手に渡った後、この程漸くエジプトに戻ったと報じている。
エジプト政府はこの程、3,400年程前の古代エジプトのファラオ(王)の彫像が漸く本国に戻ったと発表した。
同国古美術品本国送還省(RAD、注2後記)のシャアバン・アブデル・ガワド長官が4月21日に公表したもので、1980年代末から1990年代始め頃に盗難されていたラムセス大王の頭部の彫像を所有国のスイスから取り戻したとする。...
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4月22日付
『ロイター通信』は、3,400年程前に古代エジプトで君臨したラムセス大王の彫像が、三十有余年前に盗難されて以来多くの人手に渡った後、この程漸くエジプトに戻ったと報じている。
エジプト政府はこの程、3,400年程前の古代エジプトのファラオ(王)の彫像が漸く本国に戻ったと発表した。
同国古美術品本国送還省(RAD、注2後記)のシャアバン・アブデル・ガワド長官が4月21日に公表したもので、1980年代末から1990年代始め頃に盗難されていたラムセス大王の頭部の彫像を所有国のスイスから取り戻したとする。
同彫像は、2013年にロンドンで開催された展示会で売りに出されていた際に発見されたもので、盗難されて以来多くの人出を経由してスイスに渡ったものとされる。
なお、同長官によると、同彫像は目下カイロにあるエジプト考古学博物館(1902年開館のアフリカ最大の博物館、20万点以上収蔵)に保管されていて、修復の後に同館で展示されることになるという。
(注1)ラムセス大王:エジプト新王朝(紀元前16世紀半ば~11世紀半ば)の第19代ファラオ(古代エジプトの王)で、正式にはラムセス二世(紀元前1303~1213年)。在位(紀元前1279~1213年)期間中の前半では、ヒッタイト(紀元前1900年頃から繁栄した民族)に奪われたシリアを奪還するための戦争に明け暮れ、後半では王権を飾る巨大な神殿(カルナック神殿、ルクソール神殿、アブ・シンベル神殿)の建造に勤しんだ。
(注2)RAD:かつて違法に奪われた古代エジプトの美術品等を取り戻すために、2011年に設立された部門。これまでに、111ヵ国余りに渡っていた3万点余りの古美術品を当該国と交渉して取り戻している。
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