中国メディア、約80%が防衛費増額のための増税に反対との日本の世論調査結果を引用報道
岸田政権は昨年12月、今後5年間で防衛力を抜本的に強化するため43兆円(1年当り8兆6千億円)とする「防衛力整備計画」を発表した。この政策に関し、直近の世論調査では、約80%が防衛費増額のための増税に反対するとの結果となっているが、中国メディアが当該記事を引用報道している。
5月7日付
『新華社通信』は、日本で直近に行われた世論調査の結果、約80%が防衛費増額のための増税に反対していることが判明したとの記事を引用報道している。
『共同通信』は5月6日、直近で実施した安全保障に関する世論調査の結果を公表した。
それによると、約80%が、もし岸田政権が防衛費増額用の資金拠出のために増税する場合には明確に反対するとの声を上げている。
この数値は、昨年末の調査時の64.9%から大幅増の結果となっている。...
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5月7日付
『新華社通信』は、日本で直近に行われた世論調査の結果、約80%が防衛費増額のための増税に反対していることが判明したとの記事を引用報道している。
『共同通信』は5月6日、直近で実施した安全保障に関する世論調査の結果を公表した。
それによると、約80%が、もし岸田政権が防衛費増額用の資金拠出のために増税する場合には明確に反対するとの声を上げている。
この数値は、昨年末の調査時の64.9%から大幅増の結果となっている。
日本政府は昨年12月、防衛力強化のために2023年度からの5年間で43兆円(3,190億ドル)を確保するとし、従来実績より50%余りも増額する計画を発表している。
同政府は目下のところ、資金確保には税外収入を充てるとしているが、2027年4月以降、これまで防衛費の上限とされてきた国内総生産(GDP)の1%枠を撤廃して2%とするとしている。
しかし、今回の調査によると60%近くの人が、5ヵ年防衛費増額計画は“不適切”としていて、また、88%もが岸田文雄首相(65歳、2021年就任)による当該計画の説明は“不十分”だと回答している。
更に、回答者の76%が、政府発表の防衛計画詳細について良く理解できていないとしている。
このような調査結果を待つまでもなく、政府の5ヵ年防衛費増額計画については、日本の平和憲法に反する行為だとして、世論はもとより野党や学者らから当然のように非難の声が上がっている。
なお、今回の『共同通信』の世論調査は、18歳以上の成人男女3千人を対象に、3月7日から4月17日の間に郵便によるアンケートを実施したもので、期間内の回答者2,043人のうち、1,959人の有効回答を基に分析している。
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米メディア、国内優先でG-20外相会議欠席の林外相が米・豪・印とのクワッド会議に出席と速報
林芳正外相(62歳、2021年就任)は、国会の「審議優先」という慣例の下、目下インドで開催中の主要20ヵ国(G-20)外相会議を欠席した。しかし、国内外の批判の声に加えて、3月1日開催の参院予算委員会における同外相登場時間が僅か1分弱であったこともあってか、3月3日インド主催のクワッド会議(注後記)に急遽出席することが決まったと、米メディアも速報している。
3月2日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、「日本の外相、インド主催のクワッド会議出席」と題して、国内優先でG-20外相会議を欠席した林外相が、インドとの関係を慮って同国が主催するクワッド外相会議に急遽出席することになったと速報している。
林芳正外相は、目下開催中の国会審議を優先して、3月1日にインドで始まったG-20外相会議を欠席したものの、インドが主催するクワッド外相会議には出席することになった。...
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3月2日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、「日本の外相、インド主催のクワッド会議出席」と題して、国内優先でG-20外相会議を欠席した林外相が、インドとの関係を慮って同国が主催するクワッド外相会議に急遽出席することになったと速報している。
林芳正外相は、目下開催中の国会審議を優先して、3月1日にインドで始まったG-20外相会議を欠席したものの、インドが主催するクワッド外相会議には出席することになった。
『共同通信』報道によると、同外相は3月2日午前、国会議事運営委員会理事会の承認が得られたことから、3月3日に開催される同会議に急遽出席することになったという。
参院予算委員会での審議が3月1日から始まったが、初日の審議には全閣僚が出席するとの慣習があることから、同外相は止むを得ず国内に留まっていた。
ただ、『共同通信』は、同外相はG-20外相会議を欠席した初めての日本の外相だとした上で、肝心の同予算委員会での同外相の発言時間は僅か53秒であった、とも報じている。
同外相は2月28日の記者会見で、国内事項を優先してG-20外相会議を欠席することは主催者インドを軽視することにならないかとの質問に対して、日本は今後も海外での外交イベントに“真摯に参加”していく、とのみコメントしていた。
日本としては、アジア地域における中国の台頭に加えて、ロシアによる一方的なウクライナ軍事侵攻の事態を受けて、安全保障を含めた多分野でのインドのナレンドラ・モディ政権との関係強化を図ろうとして来ていた。
すなわち、インドとの関係強化は、中国の安全保障上の脅威に鑑み、唯一の同盟国の米国以外の国とのパートナーシップ構築という岸田文雄政権の優先政策である。
従って、G-20外相会議は欠席したものの、国内優先との慣例を変えてでも、インド主催のクワッド外相会議に出席することになったものとみられる。
なお、牽制対象とされている中国は、クワッド会議など新冷戦勃発を煽る“徒党の集まり”だと非難している。
(注)クワッド会議:2007年に発足した、日米豪印四ヵ国戦略対話。当時の安倍晋三首相によって提唱され、その後のディック・チェイニー米副大統領の支援を得て、ジョン・ハワード豪州首相とマンモハン・シン印首相が参加し開催。その後、豪州の政策変更等によって中断されたが、ジョー・バイデン大統領の呼び掛けで2021年に米国において初の対面での首脳会議が開催された後、2022年には日本で2回目の首脳会議開催。以降、対中牽制という共通認識の下、外相・国防相会議含めて不定期に開催。
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