エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で経営悪化していたタカタが、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、また、同社子会社も米連邦破産裁判所に米連邦破産法11条適用申請し、経営破綻した。負債総額は1兆7,000億円超となるとみられ、日本の製造業として戦後最大の倒産となる。同社エアバッグの異常破裂が見られるようになったのが2000年代前半で、最初のリコール公表・開始が2008年11月、更に、同社の本格的対応着手が2014年になってからとの経緯より、重大問題に対する初期動作・リスク回避対応の落ち度が同社を倒産に追い込んだものと考えられ、今更ながら、時の経営陣の危機管理能力が問われる事態ではある。
6月26日付米
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』配信):「日本及び米国で民事再生申請したエアバッグ製造のタカタ、米キー・セーフティ・システムに15億9,000億ドル救済を求める」
エアバッグ不具合問題で窮地に陥っていたタカタは6月26日、東京地裁に民事再生法適用を申請する傍ら、米国の自動車部品メーカーのキー・セーフティ・システム(KSS)に対して、15億9,000万ドル(約1,750億円)の資金援助を仰ぐことになった。同社はまた、米連邦破産裁判所宛に、米連邦破産法11条適用申請も行っている。
タカタ最高経営責任者(CEO)の高田重久氏は、KSSの支援によって、今後継続される不具合品のリコール問題対応だけでなく、同社の需要家・仕入れ先・従業員対策に当っていけると表明した。
また、KSSのジェーソン・ルーCEOは、リコール問題はあっても、タカタの製品は続ける価値のある製品ゆえ然るべく対応していく、と語った。
なお、東京証券取引所は6月26日、タカタ株を整理銘柄に指定し、7月27日に上場廃止すると発表した。
同日付フランス
『AFP通信』:「日本のエアバッグ製造大手のタカタが民事再生法適用申請」
タカタのエアバッグ不具合問題では、多くの自動車メーカーがリコール対応に追われており、中でもホンダは既に、多額の損失計上を強いられている。
同社の高田CEOは、多くの関係者及び債権者に多大な迷惑を掛けたとして陳謝するとコメントした。なお、同社の最終負債総額は1兆円(90億ドル)以上に上るという。
同社のエアバッグ搭載車は、米国の7,000万台を含めて世界で1億台と言われており、トヨタやゼネラル・モーターズ等大手メーカーは、不具合製品か否かに拘らず、対象車全てをリコールとする安全対策を講じようとしている。
なお、同社は既に、米運輸保安庁(TSA)他に対して、罰金10億ドル(約1,100億円)の支払いに同意している。
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「不具合エアバッグ製造のタカタが民事再生法適用申請」
『NHKニュース』報道によると、タカタは6月26日、負債総額90億ドルを抱えて民事再生法適用申請をしたという。また、同社は米国においても、100億~500億ドル(1兆1,000億~5兆5,000億円)の負債を抱えて、米連邦破産法11条適用申請を行っている。
同社のエアバッグ・シートベルト他事業は、中国のニンボー・ジョイソン・エレクトロニック(寧波均勝電子)傘下の米KSSが引き継ぐことになった。
同社の不具合エアバッグのリコールは2008年に開始されたが、世界中で約1億台に搭載されており、ホンダ、フォード、フォルクスワーゲン、BMWなど19社の自動車メーカーがリコール対応に追われている。
米KSSから支援される資金のうち10億ドルは、米司法省宛の罰金2,500万ドル(約27億5,000万円)含め、米当局宛の罰金支払いに充てられる。また、1億2,500万ドル(約137億5,000万円)がエアバッグ不具合による事故の犠牲者宛ての賠償に、更に、8億5,000万ドル(約935億円)が自動車メーカーのリコール費用の求償に充てられる。
同日付中国
『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「タカタ、日本と米国で破産法申請」
タカタ製の不具合エアバッグによって、世界で16人が犠牲となり、180人が負傷している。
また、米国内の6,900万台含めて、世界で1億台がリコール対象とされており、米自動車史上では最大規模のリコールとなっている。ただ、6,900万台のうち依然22%(約1,500万台)しかリコールされておらず、残り5,400万台のリコール費用だけでなく、不具合エアバッグの事故発生の恐れがある。
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北朝鮮に2016年1月に拘束され、今月13日に昏睡状態で解放されて帰国した、米国人学生オットー・ワームビア氏が19日に死去した。北朝鮮の非情な扱いに対して、トランプ大統領初め多くの米要人が怒りを表していることから、北朝鮮自身が米国の報復を恐れて、またしても軍事的行動に出る可能性がある。そこで、日米ともに万が一の北朝鮮暴走に備えて、ミサイル防衛等緊急対応を取り始めた。
6月21日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』配信):「日本、北朝鮮の脅威に万全を期してミサイル防衛訓練実施」
日本の航空自衛隊は6月21日、北朝鮮からのミサイル襲撃に備えるため、PAC-3パトリオットミサイル迎撃システムの実戦訓練を公開した。東京近郊の朝霞駐屯地で実施したもので、他3駐屯地でも同様の訓練を実施している。
同隊の花田明憲3等空佐(少佐に相当)は、(取沙汰されている北朝鮮の脅威に対して)国民に安全対策が万全であることを示し、安堵してもらう必要があると判断して、訓練を公開したものであると語った。
ただ、PAC-3ミサイル迎撃システムは、追撃範囲は約15キロメーター(9マイル)であり、大都市や重要な政府機関が守備範囲と限定されている。そこで政府は、2020年までに10億ドル(約1,100億円)を投じて、PAC-3のミサイル追撃範囲拡大と精度向上のための開発に取り掛かっている。
同日付中国
『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「北朝鮮の核の脅威が増す一方、金正恩は日米による攻撃態勢に遭い両刃の剣状態に」
北朝鮮の核の脅威が増しているが、一方で金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、自ら招いたことで両刃の剣状態になっていることが6月20日に判明した。
すなわち、米軍がまたしても超音速爆撃機B-1B 2機を朝鮮半島に飛来させたことと、日本の航空自衛隊がPAC-3ミサイル迎撃システムの実戦訓練を実施したことである。
米軍については、北朝鮮に17ヵ月拘束されて先週解放された、米国人学生オットー・ワームビア氏(22歳)が6月19日、帰国後入院した米国の病院で死去したが、その翌日に爆撃機配備という行動に出たものである。
なお、ドナルド・トランプ大統領は6月20日、中国は、北朝鮮との緊張関係改善のために米国を支援すべく努めてくれたが、それは失敗に終わったとツイートしている。
6月20日付英
『デイリィ・メール・オンライン』(
『AP通信』配信):「米軍、米国人学生オットー・ワームビア氏の死亡を受けて、北朝鮮の暴挙を威嚇するため超音速爆撃機B-1Bを配備」
韓国国防部は6月20日、米韓合同訓練の一環ではあるが、米軍が超音速爆撃機B-1B 2機を朝鮮半島に飛行させることにしたと発表した。今回の爆撃機配備は、北朝鮮に長らく拘束されていたワームビア氏が、解放されて間もなくの6月19日に死亡が確認された翌日のことである。
共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員は、ワームビア氏の死亡は“殺人的行為”によるものであり、金正恩にその責任があると強調した。
また、トランプ大統領は、北朝鮮体制の残虐性のために、またしても犠牲者を出したとして、北朝鮮を厳しく非難した。
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