北京オリンピック;岸田首相も他閣僚も開会式出席見合わせ【米・中国メディア】
12月13日付GLOBALi「北京オリンピック;バイデン政権の“外交ボイコット”の成果は如何に」で報じたとおり、米国に続いて英国・カナダ・豪州等が追随してきたが、日本含めてまだ主要国の中で大きなうねりになってはいない。そうした中、米同盟国として注目されていた日本が、首相も閣僚メンバーも同開会式には出席しない意向であると報じられた。これに対して、駐日中国大使が米国主導の政治的介入行動に追随すべきではないと諫める発言をしている。
12月16日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「日本の首相、北京オリンピック開会式出席見合わせの意向」
岸田文雄首相(64歳)は12月16日、自身は北京オリンピック開会式への出席を見合わせる意向である旨表明した。
同首相が、参院予算委員会における野党側議員の質問に答えたもので、他の閣僚の派遣についても慎重な姿勢をみせ、日本の国益等を総合的に判断して決める、と言及している。...
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12月16日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「日本の首相、北京オリンピック開会式出席見合わせの意向」
岸田文雄首相(64歳)は12月16日、自身は北京オリンピック開会式への出席を見合わせる意向である旨表明した。
同首相が、参院予算委員会における野党側議員の質問に答えたもので、他の閣僚の派遣についても慎重な姿勢をみせ、日本の国益等を総合的に判断して決める、と言及している。
先週初めの米国による外交ボイコット政策を受けて、英国・カナダ・豪州が、同様にウィグル族等への人権問題を理由として追随する旨発表している。
しかし、日本は、米同盟国であると同時に、中国が日本にとっての最大の貿易相手国でもあることから、米国に追随して公式な外交ボイコットには踏み切れないとみられている。
12月16日付『共同通信』報道によると、閣僚級ではなく、例えば橋本聖子参議院議員(57歳、東京大会組織委員会会長)を出席させる模様だという。
一方、フランスと韓国は、外交ボイコットは考えていないと表明している。
フランスは、2024年にパリ大会開催を控えていることもあるのか、エマニュエル・マクロン大統領(43歳)は先週、英国『BBC』のインタビューに答えて、外交ボイコットは象徴的な意味しかないとして消極的意向である旨コメントしている。
また、韓国にとって中国は最大の貿易相手のみならず、朝鮮半島非核化には中国の介在は必須であることから、文在寅大統領(ムン・ジェイン、67歳)は今週、外交ボイコットは一切考えていないと発言している。
これに対して中国側は、友好の証だとして歓迎している。
12月17日付中国『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「中国大使、日本は米国に追随して外交ボイコットを行うべきではないと強調」
中国の孔鉉佑駐日大使(コン・シュエンヨウ、62歳、2019年着任)は12月16日、日本は米国に追随して北京オリンピックへの外交ボイコットを実行すべきではないと発言した。
同大使は、“日本の一部の人が、中国の新疆ウィグル自治区や香港で人権問題が発生しているとの根拠のない噂や偏った見方に基づき、外交ボイコットを呼びかけている”とした上で、“日中両国関係を棄損しかねない行動は慎むべきで、(かかる動きに対して)もっと毅然とした対応をみせる必要がある”と強調した。
日本は、中国との貿易に大きく依存しているにも拘らず、閣僚級を派遣しないことを検討している。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(69歳)は12月15日、北京オリンピックの開会式に喜んで出席すると正式に表明した。
また、フランスも先週、主要7ヵ国(G-7)と違って、外交ボイコットは行わない旨表明している。
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トランプ大統領の新型コロナウィルス感染報道に、中国では歓喜の声【米・中国メディア】
トランプ大統領夫妻が、新型コロナウィルス(COVID-19)に感染していることが判明した。同大統領から散々敵視された中国では、多くの人がソーシャルメディア上で“COVID-19を軽視した罰が当たった”と言及すれば、国営メディアは、劣勢が予想される大統領選を延期させるための巧妙な作戦だ、とまで酷評している。
10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。...
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10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。
同ニュースは、まるで山火事のように僅か数分間でインターネット上に拡散し、ミニブログサイト微博(ウェイボー)では瞬く間にトップ・トレンドとなった。
同ブログ上でも、COVID-19の恐ろしさを無視しただけでなく、中国発症の感染症だと何度も繰り返していたリーダーが感染したとして、食後のおいしいデザートのような甘美な話だと言ったり、罰が当たったと罵倒したりしている。
また、中国国営メディアも10月2日、同大統領の感染につき大々的に報道し、中には、“劣勢となっている大統領選の投票日を延期させるための巧妙な作戦だ”との評論家コメントをも紹介している。
同大統領はこれまで、COVID-19を過小評価してきていた。
3月に全米で都市封鎖措置が講じられた際でも、同大統領は、感染症専門家が恐れる程深刻な感染症ではないと何度も述べている。
その上で、保健当局から大勢の集会は控えるようにとの警告が出ているにも拘らず、大統領選支持者集会を強行開催し、また、しばしばマスク不着用で登壇していた。
更に、陽性が判明する数時間前には、選挙関連の会食の席上、“COVID-19の終焉が見えてきた”とし、“来年は史上最高に素晴らしい年になる”とまでアピールしていた。
南カリフォルニア大(1880年設立の私立大学)政治学・国際関係部の中国専門家のスタンリー・ローゼン教授は『バイス』のインタビューに答えて、“中国は国を挙げてCOVID-19対策に取り組んできたので、習近平(シー・チンピン)国家主席が感染することなど考えられない”とし、“中国が抑え込んだに比べて、現職大統領が感染してしまうとは、米国は何と愚かにもCOVID-19を軽んじたことか、と多くの中国人は思っているはずだ”とコメントした。
なお、アジアのその他の国々でも注目され、フィリピンではハッシュタグ“#トランプ陽性”がトップ・トレンドに、シンガポールでは“トランプ”、“メラニア”、“COVID”が検索トップとなる等、数百万人がツイートしている。
同日付中国『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「トランプ大統領感染のニュースに中国では様々な反応」
『新華社通信』は、トランプ大統領自身の感染ツイートに基づいて詳報しているが、『人民日報』は、一面掲載だが数行触れただけである。
中国外交部(省に相当)は、トランプ夫妻の早期快復を祈念するとコメントした。
しかし、『環球時報』の胡錫進(フー・チーチン)主筆は、“トランプ夫妻は、COVID-19を軽視した罰が当たった”とし、“これで、米国におけるCOVID-19感染が依然深刻であることが明らかになった”と辛らつにツイートしている。
一方、独立系学者の張同祖(チャン・トンチュー)氏は、中国以外の多くの国の指導者が感染しているのに、何故中国では、国家主席はもとより、首相や中央政治局委員等幹部の誰一人として感染していないのか、と素朴な疑問を呈している。
(注)シャーデンフロイデ:自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。「損害」「害」「不幸」などを意味する "Schaden" と「喜び」を意味する "Freude" を合成したドイツ語。
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