米ピュリツァー賞、『ロイター通信』が国際報道賞(フィリピンの麻薬戦争)及び特集写真賞(ロヒンギャ族難民)を受賞【米・英国メディア】
米報道界で最高の栄誉とされる、2018年のピュリツァー賞(注後記)が発表された。そのうち、
『ロイター通信』が、フィリピンの麻薬戦争実態を報じたことで国際報道賞を、また、ミャンマーのロヒンギャ族難民の苦境を如実に示す写真で特集写真賞を受賞した。
4月17日付米
『ロイター通信』:「ロイター通信、フィリピンの報道及びロヒンギャ族の写真でピュリツァー賞受賞」
4月16日に発表された、2018年ピュリツァー賞で、『ロイター通信』が国際報道賞と特集写真賞を受賞した。
国際報道部門では、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅運動に伴う超法規的殺人等の麻薬戦争の実態を具に報道したこと、また、特集写真部門では、ミャンマーとバングラデシュで難民となっているロヒンギャ族の苦境を如実に示す写真が評価された。...
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4月17日付米
『ロイター通信』:「ロイター通信、フィリピンの報道及びロヒンギャ族の写真でピュリツァー賞受賞」
4月16日に発表された、2018年ピュリツァー賞で、『ロイター通信』が国際報道賞と特集写真賞を受賞した。
国際報道部門では、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅運動に伴う超法規的殺人等の麻薬戦争の実態を具に報道したこと、また、特集写真部門では、ミャンマーとバングラデシュで難民となっているロヒンギャ族の苦境を如実に示す写真が評価された。
『ロイター通信』のステファン・アドラー編集長は、今年のピュリツァー賞の受賞対象の多くが米国内問題に関わるものであった中で、同通信が世界的な事件・事象に注目したことが認められたことを誇りに思うと語った。
なお、フィリピン大統領府のハリー・ローク報道官は4月16日、『ロイター通信』のフィリピン記者チームの報道が評価されたことを称賛するとしたものの、ドゥテルテ政権が進める麻薬撲滅運動は合法的で、かつ必要不可欠なものと強調している。
一方、公益報道部門では、ハリウッドの大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン氏らによるセクハラ疑惑を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ニューヨーカー』誌が同時受賞した。
また、国内報道部門で、2016年大統領選へのロシア介入疑惑を報道した『ニューヨーク・タイムズ』及び『ワシントン・ポスト』紙が受賞している。
一方、同日付英『Yahooニュース英国版』(『AP通信』配信):「2018年ピュリツァー賞受賞者」
報道部門の主要受賞者は以下のとおり。
・公益報道部門:映画・演劇界のセクハラ問題を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙及び『ニューヨーカー』誌。
・ニュース速報報道部門:カリフォルニア州で発生の破壊的な山火事を報道した『プレス・デモクラット』紙(カリフォルニア州北部の地方紙)。
・調査報道部門:アラバマ州の共和党上院議員候補ロイ・ムーア氏(71歳)のセクハラ疑惑を暴いた『ワシントン・ポスト』紙。
・解説報道部門:トランプ大統領のメキシコ国境に壁を建設するとの政策に関わる報道をした『アリゾナ・リパブリック』紙と『USAトゥデイ』紙。
・国内報道部門:2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙及び『ワシントン・ポスト』紙。
(注)ピュリツァー賞:卓越した新聞報道・文学活動・楽曲作曲等に与えられる米国で最も権威ある賞。1917年創設。2010年からは、インターネット上のニュースサイトも対象。コロンビア大学ジャーナリズム大学院が、同賞の運営を行っている。主要な授賞項目は以下。
・報道部門:公益、ニュース速報報道、調査報道、解説報道、国内報道、国際報道、特集記事、社説、特集写真、ニュース速報写真
・文学芸能部門:フィクション、歴史書、伝記、詩、一般ノンフィクション、戯曲
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米ワシントン州、トランプ政権の”インターネット中立性”原則撤廃決定に抗って初の中立性原則の州法採択・発効【米・英国メディア】
トランプ政権は昨年12月半ば、その公約に従って、オバマ前政権が導入した“インターネット中立性(N-N、注後記)”原則の撤廃を決めている。これによってインターネット通信会社(ISP)の収益力が高まり、技術革新、更には過疎地の通信サービス向上への設備投資を促すことになると自画自賛している。しかし、今年1月、21に及ぶ州司法長官ら、更に複数のインターネット企業が、N-N原則撤廃を決定した米連邦通信委員会(FCC)を提訴するに至っている。そして今週、ワシントン州が全米で初めて、新興ネット企業や低所得者保護の観点からNN原則を州法化することを決定した。
3月5日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「ワシントン州、全米他州に先駆けてN-N原則を州法化して発効」
ワシントン州は3月5日、トランプ政権が昨年12月に撤廃を決めたN-N原則について、全米の他州に先駆けて立法化の上発効させた。
同州法に署名するに当り、ジェイ・インスリー州知事(67歳)は、連邦政府ができないことを、州が率先して消費者保護のために実行するものだと表明した。...
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3月5日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「ワシントン州、全米他州に先駆けてN-N原則を州法化して発効」
ワシントン州は3月5日、トランプ政権が昨年12月に撤廃を決めたN-N原則について、全米の他州に先駆けて立法化の上発効させた。
同州法に署名するに当り、ジェイ・インスリー州知事(67歳)は、連邦政府ができないことを、州が率先して消費者保護のために実行するものだと表明した。
N-N原則は2015年、オバマ前政権の下で規制化されたが、トランプ政権の意を汲んだFCCが昨年12月、ISP大手のコムキャスト、AT&T、ベライゾンの思惑に沿う形でN-N原則の撤廃を決めている。
ワシントン州は他20州とともに今年1月、FCC決定を不服として提訴している。
なお、同州の他オレゴン州がN-N原則に関する立法化手続きを取り、また、ハワイ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、モンタナ州、バーモント州では、知事による執行命令の形でN-N原則を貫こうとしている。
一方、3月6日付英『Yahooニュース英国版』(『マッシャブル・インターネットブログ』配信):「更に大手のインターネット企業がN-N原則に関わりFCCを提訴」
更に6社の大手インターネット企業が3月5日、FCCがN-N原則を撤廃したことを不服として、ワシントン特別区連邦控訴裁判所(関税や知的財産権等の特定分野の事件を管轄する全米12ヵ所にある裁判所のひとつ)に提訴した。
6社は、エッツィ、エキスパ、キックスターター、オートマティック、フォースクエア、シャッターストックである。
キックスターターのキャンデース・マーティン商事顧問弁護士は、今回の提訴は市民の選択の自由を獲得するためと、IT技術の更なる発展のための戦いだと述べた。
また、フォースクエアのマーク・エレンボーゲン法務担当役員は、全ての人にはインターネット上で様々な情報・人・ネット空間にアクセスする権利があり、更に、インターネット企業自身にも、ニーズ・トレンドを調査して開発していく環境が求められると語った。
N-N原則に関しては今年1月、大手インターネット企業のアマゾン・グーグル・フェイスブックがFCCを提訴している。
(注)N-N:ユーザー、コンテンツ、サイト、 プラットフォーム、アプリケーション、接続している装置、通信モードによって差別や区別されることなく、インターネットサービスプロバイダー(インターネット接続業者)や各州当局が、インターネット上の全てのデータを平等に扱うよう求める理論。
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