米メディアでトランプの反移民広告放送中止(2018/11/06)
アメリカの中間選挙を控え、移民キャラバンの暴力、腐敗を前面にキャンペーンを展開するトランプ大統領陣営による選挙広告が、人種差別的だとして、各メディア(NBC,FOX、フェースブック)がこの放送を中止した。
11月6日付
『YAHOO』(AP通信引用)は「FOX,NBC、フェースブックがトランプの人種差別広告を停止」との見出しで以下のように報道している。
NBC,FOXニュース、フェイスブックが月曜、警官2人殺害で有罪となった移民を扱ったトランプ大統領の選挙広告の放送、配信を中止すると発表。CNNも同広告を拒否していた。
これに関し集会に向かうトランプ氏は、「多くの事が反発を招いている。...
全部読む
11月6日付
『YAHOO』(AP通信引用)は「FOX,NBC、フェースブックがトランプの人種差別広告を停止」との見出しで以下のように報道している。
NBC,FOXニュース、フェイスブックが月曜、警官2人殺害で有罪となった移民を扱ったトランプ大統領の選挙広告の放送、配信を中止すると発表。CNNも同広告を拒否していた。
これに関し集会に向かうトランプ氏は、「多くの事が反発を招いている。メディアの質問もそうだ」と回答。
NBCはこの時期約2000万人が視聴し高視聴率の「サンデーナイト・サッカー」で既に広告を放送。MSNBCも月曜の「モーニング・ジョー」で広告を放送していた。
先週公開された同広告の内容は、2度送還されカリフォルニアで警官2人の殺害で死刑となったメキシコ移民の男が、法廷で笑いながら「すぐに(刑務所を)出てもっと殺す」と言っている映像が流れ、「民主党が入国させたのだ」と言った後、大勢の移民がフェンスを打ち破ろうとする映像が流され、その後、お決まりのフレーズ“トランプと共和党が米国を安全にする。”と締めくくられるもの。
NBCがウェブ上の反応からまず掲載を取り下げた。その後、FOXの広告担当部も、検討の上取り下げを決めたと発表。既に放送された回数には触れていない。フェイスブックは、広告を放送していたが、その内容は同社の方針に反するもので、間違いであったとスポークスマンが述べた。
トランプ選対部長Parscale氏は、ツイッターで各社の決定は、「不法入国者を支援するものだ」としメディア(FOXには言及せず)は国民の情報を統制しようとしていると述べた。トランプ・ジュニア氏もツイッターでCNNの広告中止に言及し、「偽ニュースしか放送しない。」等とコメントしている。
11月5日付米国『USAトゥデイ』は「CNNが人種差別的と判断したトランプ移民広告を、NBC,FOX、フェイスブックも取り下げる」との見出しで以下のように報道している。
中間選挙を前に、トランプ大統領は、移民を重要な争点としている。30秒の当該広告に関し、インタビューでトランプ氏は「それに関しては知らない。広告は沢山ある、目にする数により効果がある。」と述べている。
この広告を批評家は人種差別的だとし、ニュース校正者はこれを誤解を招きかねないと判断した。
法廷記録では、最初は、共和党が手続きをしている、とアリゾナ・リパブリックが報道。少なくとも1度の送還はビル・クリントン政権時となっているが、他の送還はG.W.ブッシュ政権時だという。
同広告は、トランプ陣営のために制作されたものであり、ネット媒体で法の縛りが無いため、連邦選挙管理委員会の承認を得ていないという。
NBC、FOX,フェースブックが放送した短い広告では、7千人の移民キャラバンがメキシコを超え米国国境に向かう映像で始まり、ナレーションが無いまま、急にブラカモンテスの映像に飛ぶ。その間、「警官殺しのブラカモンテスのような危険で違法な犯罪者は、米国の法を無視する」とのナレーションが流れる。その後キャラバンの映像に戻り、「米国は侵入を容認できない。移民キャラバンは阻止しなければならない」という。その後移民当局でのトランプの映像と、「政権と同盟国が国境や国民の安全を守る」とのナレーションが流れる。最後に、女性が投票ブースに立ちい、「米国の未来はあなたにかかっている。キャラバンを阻止し、共和党に投票しよう。」という内容。
閉じる
米ピュリツァー賞、『ロイター通信』が国際報道賞(フィリピンの麻薬戦争)及び特集写真賞(ロヒンギャ族難民)を受賞【米・英国メディア】(2018/04/18)
米報道界で最高の栄誉とされる、2018年のピュリツァー賞(注後記)が発表された。そのうち、
『ロイター通信』が、フィリピンの麻薬戦争実態を報じたことで国際報道賞を、また、ミャンマーのロヒンギャ族難民の苦境を如実に示す写真で特集写真賞を受賞した。
4月17日付米
『ロイター通信』:「ロイター通信、フィリピンの報道及びロヒンギャ族の写真でピュリツァー賞受賞」
4月16日に発表された、2018年ピュリツァー賞で、『ロイター通信』が国際報道賞と特集写真賞を受賞した。
国際報道部門では、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅運動に伴う超法規的殺人等の麻薬戦争の実態を具に報道したこと、また、特集写真部門では、ミャンマーとバングラデシュで難民となっているロヒンギャ族の苦境を如実に示す写真が評価された。...
全部読む
4月17日付米
『ロイター通信』:「ロイター通信、フィリピンの報道及びロヒンギャ族の写真でピュリツァー賞受賞」
4月16日に発表された、2018年ピュリツァー賞で、『ロイター通信』が国際報道賞と特集写真賞を受賞した。
国際報道部門では、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅運動に伴う超法規的殺人等の麻薬戦争の実態を具に報道したこと、また、特集写真部門では、ミャンマーとバングラデシュで難民となっているロヒンギャ族の苦境を如実に示す写真が評価された。
『ロイター通信』のステファン・アドラー編集長は、今年のピュリツァー賞の受賞対象の多くが米国内問題に関わるものであった中で、同通信が世界的な事件・事象に注目したことが認められたことを誇りに思うと語った。
なお、フィリピン大統領府のハリー・ローク報道官は4月16日、『ロイター通信』のフィリピン記者チームの報道が評価されたことを称賛するとしたものの、ドゥテルテ政権が進める麻薬撲滅運動は合法的で、かつ必要不可欠なものと強調している。
一方、公益報道部門では、ハリウッドの大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン氏らによるセクハラ疑惑を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ニューヨーカー』誌が同時受賞した。
また、国内報道部門で、2016年大統領選へのロシア介入疑惑を報道した『ニューヨーク・タイムズ』及び『ワシントン・ポスト』紙が受賞している。
一方、同日付英『Yahooニュース英国版』(『AP通信』配信):「2018年ピュリツァー賞受賞者」
報道部門の主要受賞者は以下のとおり。
・公益報道部門:映画・演劇界のセクハラ問題を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙及び『ニューヨーカー』誌。
・ニュース速報報道部門:カリフォルニア州で発生の破壊的な山火事を報道した『プレス・デモクラット』紙(カリフォルニア州北部の地方紙)。
・調査報道部門:アラバマ州の共和党上院議員候補ロイ・ムーア氏(71歳)のセクハラ疑惑を暴いた『ワシントン・ポスト』紙。
・解説報道部門:トランプ大統領のメキシコ国境に壁を建設するとの政策に関わる報道をした『アリゾナ・リパブリック』紙と『USAトゥデイ』紙。
・国内報道部門:2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を報じた『ニューヨーク・タイムズ』紙及び『ワシントン・ポスト』紙。
(注)ピュリツァー賞:卓越した新聞報道・文学活動・楽曲作曲等に与えられる米国で最も権威ある賞。1917年創設。2010年からは、インターネット上のニュースサイトも対象。コロンビア大学ジャーナリズム大学院が、同賞の運営を行っている。主要な授賞項目は以下。
・報道部門:公益、ニュース速報報道、調査報道、解説報道、国内報道、国際報道、特集記事、社説、特集写真、ニュース速報写真
・文学芸能部門:フィクション、歴史書、伝記、詩、一般ノンフィクション、戯曲
閉じる
その他の最新記事