生成AIを使用したプロパガンダ拡散(2024/05/31)
チャットGPTを開発した米「オープンAI」社は、同社の生成AIを使い、中国、イラン、ロシア、イスラエルの集団が誤情報を拡散していたとしている。米大統領選が近づく中、AI技術の濫用への懸念が高まっている。
5月30日付米
『ワシントン・ポスト』:「ロシアと中国の集団がAI技術を悪用しプロパガンダ拡散」:
チャットGPTを開発したオープンAI社は30日、同社の生成AIを使って世界的に政治世論工作を図っていたロシア、中国、イラン、イスラエルの集団を確認したことを公表した。
今年の米大統領選が近づく中、闇のプロパガンダ活動が生成AIを用いて容易に行われるのではないかとの懸念が高まっている。...
全部読む
5月30日付米
『ワシントン・ポスト』:「ロシアと中国の集団がAI技術を悪用しプロパガンダ拡散」:
チャットGPTを開発したオープンAI社は30日、同社の生成AIを使って世界的に政治世論工作を図っていたロシア、中国、イラン、イスラエルの集団を確認したことを公表した。
今年の米大統領選が近づく中、闇のプロパガンダ活動が生成AIを用いて容易に行われるのではないかとの懸念が高まっている。
同社は、ロシア、中国、イランの有名プロパガンダに関連したアカウントを削除。これらの集団は同社のAI技術を使って、投稿をしたり、別の言語に翻訳したり、ソーシャルメディアへの自動投稿を可能にするソフトウェアを構築していたという。
だがいずれもそれほどの注目はなく、関連アカウントへのアクセスも殆ど無く、僅かなフォロワーがいるのみだった。だが、同社のレポートによると、生成AIを使用した集団は、大量のテキストを、以前と比べ、殆どミスなく生成していることが確認されたという。そのため、「他の集団も行う可能性もあり、看過する時ではない。歴史をみると、世論工作は何年も失敗を積み重ねるが、見過ごすとある時突然ブレークスルーを遂げる」と懸念を示している。
中国の「スパムフラージュ」と呼ばれる集団はソーシャルワーク上のリサーチ活動でAIを使用し、中国語、韓国語、日本語、英語での投稿を行っていたという。イランの「国際バーチャルメディア連合」という集団は、自身の記事作成に同社のAIを使っていた。
ロシアの「バッドグラマー」という初登場の集団は、テレグラムアプリに自動的に投稿を行うプログラムで、ロシア語や英語で「米国はウクライナを支援すべきではない」と主張する内容のコメントを投稿させていたという。また、イスラエルの「STOIC」という政治的活動企業は、カナダ、米国、イスラエル向けに、ガザ戦争に関してイスラエル寄りの投稿させていたという。
フェースブックを運営するメタ社も29日、「STOIC」の活動を公表、同集団によるフェースブックの510個、インスタグラムの32個のアカウントを削除したとしており、中にはハッキングされたアカウントもみられたという。
5月31日付米『ロイター通信』:「オープンAIがAIを不正操作した工作活動を摘発」:
オープンAIのサム・アルトマン氏は30日、インターネット上で同社のAIを使い「工作活動」を図っていた5つの活動を阻止したと発表。
工作活動は過去三ヶ月にわたり、偽名やプログラムで様々な言語を使い、短文コメントや長文記事を生成していたという。これらはロシア、中国、イラン、イスラエルによるもので、ロシアのウクライナ侵攻、ガザ紛争、インド総選挙や欧米の政治等の問題を話題にしたものだったという。
オープンAI社は28日、幹部による安全とセキュリティ委員会を設置。これらの工作活動では、AI生成物だけでなく、手動で書かれたテキストやネット上からコピーしたとみられる情報や画像も含まれていたという。
メタ社は、29日の四半期セキュリティレポートで、「AI生成のような」内容の投稿がフェイスブックやインスタグラムで確認されたとしている。例としては、各国ニュース機関や米議員の投稿の下に、イスラエルのガザ戦争での対応を賞賛するコメントがみられたという。
閉じる
妊娠により加齢が加速するとの研究(2024/04/09)
妊娠は女性の体に大きな影響を与えるが、最新の研究によると、妊娠期間中に、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。...
全部読む
4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。825人を対象とした研究では、1回の妊娠ごとに2~3ヶ月生物学的年齢が加速していた。調査した6年間での妊娠回数が多い人ほど、加速傾向が高くまったという。社会経済的地位、喫煙、遺伝的差異、環境要因等を考慮しても、妊娠と生物学的年齢の関係性については同じだった。
米国立科学アカデミー紀要に掲載された同研究を行ったコロンビア・エイジング・センターのカレン・ライアン所長は、「我々の研究で、妊娠により加齢が進むことが確認された。その影響は若い、妊娠力のある女性でより顕著にみられた」としている。
同日付米『ワシントン・ポスト』:「妊娠により老化が加速する仕組み」:
妊婦の血中細胞内の遺伝子マーカーを調査した2つの最新研究によると、妊娠により、数ヶ月または数年、妊婦の細胞の生物学的年齢が増していたという。
一方で、出産後にそのプロセスがもとに戻り、妊娠期間よりも細胞が生物学的に若くなり、特に母乳を与えている場合に、それが顕著にみられたという。
8日、米国立科学アカデミー紀要に掲載された研究では、人工知能プログラムを使用し開発された「生物学的年齢」の「時計」を使い、血液サンプル中のDNAマーカーを分析。マーカーは、遺伝以外の要素である年齢、健康、生活に反応し変化し、「生物学的年齢」は、実際の年齢とは違う働きをする。
同じ年に生まれたフィリピン人女性のサンプルを調査したところ、この「生物学的年齢」は妊娠により、少なくとも7ヶ月高まる傾向が見られたという。
同様に、3月、国際科学誌.「セル・メタボリズム」に掲載された研究では、米国人女性119人の血液サンプルを使い生物学的年齢に関連した後成的変化を追ったところ、妊娠周期が経過するにつれ、血液細胞のDNAに2年ほどの加齢が確認されたという。
研究を行ったイェール児童研究センターのキーラン・オドネル博士は、「妊娠の自然ストレステストとしての影響が興味深いものだった」としている。
一方で、妊娠が終了してから3ヶ月以内に、殆どの場合で加齢現象が逆転。総じてDNAマーカーはすぐもとの若い状態に戻っており、特に授乳を行った場合に、明らかに生物学的年齢が最大8歳「若く」なったケースもみられたという。
閉じる
その他の最新記事