米軍の爆撃機が対北朝鮮攻撃訓練
米軍は8日、B-1B戦略爆撃機2機が、韓国北東部の江原道の演習場で、韓国軍と合同で、北朝鮮のミサイル発射場などの施設への攻撃を想定した精密爆撃訓練を実施したと発表した。韓国も訓練の実施について声明を発表している。B-1B爆撃機はその後、九州周辺で日本の航空自衛隊とも共同訓練を行った。米韓、日米の強固な同盟と軍事力を示し、4日にICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行った北朝鮮を強くけん制する狙いがあると見られる。
『AP通信』や
『ロイター通信』等のメディアが伝えている。
B-1B爆撃機2機は、グアムのアンダーセン空軍基地を出発し、在韓米軍、韓国軍、日本の航空自衛隊と共同で10時間の任務をこなしたという。訓練の想定は、B-1Bが北朝鮮の弾道ミサイル発射台を精密誘導爆弾で爆撃し、韓国軍のF-15K戦闘機が地下にある施設を攻撃するという内容であった。在韓米軍のF-16戦闘機もこれに加わった。
韓国の
『聯合ニュース』は、B-1B爆撃機はそれから西へ飛び、防備を固めた国境のDMZ(非武装地帯)付近をしばらく飛行したと報じた。...
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B-1B爆撃機2機は、グアムのアンダーセン空軍基地を出発し、在韓米軍、韓国軍、日本の航空自衛隊と共同で10時間の任務をこなしたという。訓練の想定は、B-1Bが北朝鮮の弾道ミサイル発射台を精密誘導爆弾で爆撃し、韓国軍のF-15K戦闘機が地下にある施設を攻撃するという内容であった。在韓米軍のF-16戦闘機もこれに加わった。
韓国の
『聯合ニュース』は、B-1B爆撃機はそれから西へ飛び、防備を固めた国境のDMZ(非武装地帯)付近をしばらく飛行したと報じた。韓国での訓練の後、B-1B爆撃機はグアムに帰る途中、九州周辺の東シナ海上空で、日本の航空自衛隊F-2戦闘機2機とも共同訓練を実施した。防衛省航空幕僚監部は「日米韓の強固で緊密な連携の一環」と説明している。
北朝鮮は4日、ICBMの発射実験を行い成功したと発表した。ミサイルは大型で重量のある核弾頭を装着可能としている。同国外務省は、ICBMは米国の敵意を打破し、「いついかなる時でも米国の心臓部を攻撃する」ことを可能とするものと強調した。北朝鮮は今回のICBMの試射を、原爆や水爆を含む戦略的兵器を保有する軍事力の完成と言えるものとして、高く評価している。金正恩委員長は、故金日成主席の命日に当たる8日、その墓を訪れた。ICBM試射の成功に貢献した軍の高官たちも同行したと、国営メディアである
『朝鮮中央通信』が報じている。
米国では、今回の弾道ミサイルはアラスカやハワイにまで到達可能であり、今回の発射実験は、北朝鮮が宣言した、米国本土を攻撃可能な、核弾頭を装着したミサイルの開発において、大きな進歩を遂げたという見方をする専門家もおり、新たな脅威と考えられている。
トランプ米大統領と韓国の文大統領、日本の安倍首相は、7日、G20首脳会議の間に会談した。北朝鮮のICBMの発射実験を非難し、「最大限の圧力」を要する世界的な脅威とする共同声明を発表した。3国はまた、国連の北朝鮮に対する新たな制裁について、安保理の早期の決定を求めていくことで合意している。
トランプ大統領は、その1日前にポーランドで、北朝鮮の行動に対して「何らかのかなり厳しい措置」を検討中であると言った。詳細は何も語らなかったが、軍事力行使のオプションを除外しなかった。米韓両国は、基本的にこの危機を平和的な手段で解決することを目指しているが、ティラーソン米国務長官は、7日にハンブルクで、「もし平和的に圧力をかけていく戦略が失敗すれば、余り良いオプションは残っていない。」とも述べている。
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北朝鮮のICBMミサイルによる緊張
北朝鮮が4日、日本海に向けて発射したミサイルに関し、米国政府は大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと認めたと報道されている。(初期段階の分析では中距離弾道ミサイルだと見られていた)
同日、ロシアのプーチン大統領は中国の習近平国家主席と会談したがその北朝鮮に関する共同声明では、北朝鮮の非核化に向けた問題解決へはあくまで対話と協議が唯一の方法だと強調した。更に、米国は北朝鮮をアジアにおける軍事インフラ拡大の口実に使い、地域内の権力バランスを乱す危険を冒しているとしている。しかし、あくまで対話による解決を望むとする両国は米国へ制止を求めたが、米韓は合同軍事演習を行い、ミサイル防衛力を誇示した。韓国国防省は「挑発を続けるなら、金正恩政権は破滅する」と強く牽制している。
7月5日付英国
『インディペンデント』は「レックス・ティラーソン米国務長官が北朝鮮による“世界の脅威”に対抗する“世界的行動”を呼びかけ」との見出しで以下のように報道している。
「北朝鮮のミサイル試射成功が続き緊張状態が高まる中、レックス・ティラーソン米国務長官は北朝鮮による“世界の脅威”に対抗する“世界的行動”を呼びかけ、米国は「より強固な政策を定める」とした。韓国も北のミサイルに米韓は「精度の高い迎撃」で対抗し北朝鮮は「崩壊する」と警告している。...
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7月5日付英国
『インディペンデント』は「レックス・ティラーソン米国務長官が北朝鮮による“世界の脅威”に対抗する“世界的行動”を呼びかけ」との見出しで以下のように報道している。
「北朝鮮のミサイル試射成功が続き緊張状態が高まる中、レックス・ティラーソン米国務長官は北朝鮮による“世界の脅威”に対抗する“世界的行動”を呼びかけ、米国は「より強固な政策を定める」とした。韓国も北のミサイルに米韓は「精度の高い迎撃」で対抗し北朝鮮は「崩壊する」と警告している。北朝鮮「KCNAニュース」の報道によると、金正恩党委員長はICBM試射は成功したと発表、更に米国が敵対政策を解かない限りは長距離ミサイルを放棄せず米との交渉に応じる意思はないとしているという。
ティラーソン氏は、水曜の緊急国連安保理会合を要請し、議論する予定であると述べた。 国防相のダナ・ホワイト報道官も「総力で高まる脅威に臨む、韓国、日本との同盟は強固だ」とした。水曜、緊張状態に備え、米韓はロシアと中国の制止を振り切り、弾頭ミサイル防衛訓練を行った。
米軍は、韓国沿岸にミサイルを発射した軍事演習では、目的への正確な発射が行われたと発表。声明によると、習主席は「北朝鮮の深刻な挑発下、声明では対応しきれない状況で、我々のミサイル防衛能力を明示する必要があった」と述べたという。韓国「聯合ニュース」の報道によると、(同氏は)韓国や同盟国の安全を脅かすことは北朝鮮の「崩壊」に繋がると述べたという。
米韓首脳は今週、「北朝鮮体制への戦略的忍耐の時代は終わった」とし、北朝鮮への追加制裁に関しワシントンで会談した。
一方、ロシアと中国は、緊張緩和に向けた共同声明を発表、「この状況は両国の国家的利益を蝕むもの」、「ロシアと中国は朝鮮半島の複雑な問題の進展に向けあらゆる方面で協調していく」とし、又、米国は北朝鮮をアジアにおける軍事インフラ拡大の口実に使い、地域内の権力バランスを乱す危険を冒しているとしている。」
同日付ロシア
『スプートニク』は「習主席訪ロ、ロシアと中国が共同合意」との見出しで次の様に報道している。
「中国の習国家主席がプーチン大統領の招待による2日間の訪ロを終えた。両国は2つの共同声明を発表。更にプーチン大統領は周主席に、露中間の友好関係を固めた功績をたたえロシア連邦最高勲章である「聖アンドレイ勲章」を授与した。中ロは、経済の様々な分野40項目の協定を締結し協力関係を強化する。また軍事、技術分野で協力し、地域と世界の問題における協調。国際問題では、シリア紛争解決に向けた政治、外交的解決を視野に、化学や生物テロに対抗する国際会議の進展に言及。いかなる外的状況の変化によっても、両国の強固な関係は乱されないことに合意。朝鮮半島問題での戦略的協力で一致した。
北朝鮮に関しては、非核化に向けた問題解決には、対話と協議が唯一の効果的方法である事を強調した。プーチン大統領は、包括的な解決は、中ロとも外交政策における優先課題だと述べた。
ロシア経済研究所関係者によると、今回の中国主席のロシア訪問は異例のことだという。経済分野で締結された(または予定の)総額200億ドルとなる協定の多さとからみると、ロシア経済の再生や革新的な資源開発モデルの変容にプラスとなると見込まれている。」
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