北朝鮮;相変わらず新型コロナウィルス感染者はゼロと言い張るが、市民に欧米流感染防止対策を要求【韓国・英国メディア】
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、ドナルド・トランプ大統領が同委員長に親書を送り、米朝関係改善のための自らの構想を説明、新型コロナウィルス対策での協力も申し出たことを明らかにした。わざわざかかる情報を公開するのは、やはり新型コロナウィルス感染対策での海外からの支援を望んでのこととみられるが、公式には依然感染者ゼロと言い張っている。そうした中、北朝鮮国営メディアが市民に対して、欧米諸国で採用されているウィルス禍予防対策の徹底を訴えている。
3月22日付韓国
『コリア・ヘラルド』紙(
『聯合ニュース』配信):「北朝鮮メディア、新型コロナウィルス感染予防のため“少なくとも1メートル間隔を開ける”よう指示」
北朝鮮国営メディア『労働新聞』は3月22日、海外の新型コロナウィルス感染予防対策を紹介して、大衆間での感染を防ぐため、他の人との間隔を“少なくとも1メートル開ける”よう市民に求めた。
同紙はまた、“子供の感染予防のため、公共の場や混雑した場所に行かせない”ようにも求めた。...
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3月22日付韓国
『コリア・ヘラルド』紙(
『聯合ニュース』配信):「北朝鮮メディア、新型コロナウィルス感染予防のため“少なくとも1メートル間隔を開ける”よう指示」
北朝鮮国営メディア『労働新聞』は3月22日、海外の新型コロナウィルス感染予防対策を紹介して、大衆間での感染を防ぐため、他の人との間隔を“少なくとも1メートル開ける”よう市民に求めた。
同紙はまた、“子供の感染予防のため、公共の場や混雑した場所に行かせない”ようにも求めた。
更に、成人に対しても、“近過ぎる対話、外で飲食すること、また、他人と触れ合うことを避ける”よう求めている。
北朝鮮は依然、公式には国内感染はないと言い張っているが、他国からは、ウィルス禍発生源の中国と国境を接する北朝鮮がゼロとは信じられず、同国の統率力強化の一環のみならず、医療体制の不足を糊塗する意図があると指摘されている。
なお、同国プロパガンダ発信局の『メアリ』は、新型コロナウィルスはヒト-ヒト感染よりも野鳥や野生動物からの感染の可能性が高いとして、野生動物が出現する場所へ立ち入らないよう要求している。
同日付英国『スカイ・ニュース』:「トランプ大統領、金委員長の新型コロナウィルス感染予防対策を称賛」
北朝鮮国営『朝鮮中央通信』は3月22日、トランプ大統領が金委員長に宛てた親書の中で、同委員長の“新型コロナウィルス感染予防対策を称賛”した上で、“必要ならそのための支援を提供したい”旨表明したと報じた。
更に同メディアは、両首脳間の関係が良好だからと言って、“公平性が保たれず、また、一方的な要求がなされる限り、両国間の関係は悪化するばかり”だとも警告している。
なお、トランプ政権高官は当該親書の送付を認め、(北朝鮮に限らず)“新型コロナウィルス感染撲滅のために多くの首脳に協力を申し出ることは大統領の一貫した姿勢”だとコメントしている。
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北朝鮮:最高人民会議で憲法修正
29日、北朝鮮は4月に最高人民会議を開催したのに続き、今年2回目となる最高人民会議を開催した。会議では憲法の修正が議題となり、国務委員長の権限を強化し、国務委員長は代議員(国会議員に相当)を務めないことが明示された。
3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。...
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3月に行われた代議員選挙の当選者の名簿に、金正恩氏の名前がなかったことが注目されていたが、国務委員長は代議員を務めないことが、憲法で明確にされたわけである。
会議では、崔竜海最高人民会議常任委員会委員長が、第一議題の報告を行い、「金正恩同志の指導の下、社会主義強国の建設をさらに推進するための法律的担保として朝鮮社会主義憲法の修正案が提出された」ことが明らかにされ、新しい憲法の条文では、国務委員長の法的地位や権能に関連し、国務委員会委員長は最高人民会議で選挙され、代議員としては選挙しない、ことが明らかにされた。また国務委員長は最高人民会議の法令、国務委員会の重要政令と決定を公布し、他国に駐在する外交代表を任命、または召喚することが付け加えられた。
これにより国務委員長の法律的地位がさらに強化されたことになる。
第二議題は人事で、最高人民会議常任委員会副委員長がこれまでの金永大議員から朴勇一議員に変わり、また内閣総理の提議により、孫英訓氏が内閣事務長に新たに任命された。
韓国聯合ニュースによると、当日は687名が出席したが、金正恩委員長は中央電視台の画面には映らなかったという。金正恩政権になって以来これまで10回最高人民会議がなされているが、参加したのはうち7回であった。
また1年に2回最高人民会議が開催されたのは2012,14年に続いて3度目になる。
非核化問題や米韓との外交問題が話し合われたどうかは不明だが、議題とならなかった可能性が高い。
なお憲法は本年4月の最高人民会議でも一部修正されており、そのときは国務委員長が「国家を代表する」とされた。また金正恩政権になってからは2012年、13年、16年に各々憲法に修正が加えられている。
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