米メディア;COP21での温室効果ガス削減政策に対して、米中二大国内の抵抗(2015/11/30)
11月30日から12月11日まで、パリにおいて、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が開催される。日本を初めとする世界各国は、自国の温室効果ガス削減目標を掲げて、2020年以降の新しい温暖化対策の枠組み合意を目指す。その中で、二酸化炭素排出量の世界第1位、2位の米中が率先して、気候変動対策構築に向けて各国をリードしていくことが求められるが、両大国とも国内や為政者の中に、温室効果ガス削減を無意味として、国際社会と逆行する動きをみせる人達がいると米メディアが批評している。
11月27日付
『ボイス・オブ・アメリカ』は、「COP21で、温室効果ガス削減合意期待」と題して、「11月30日からパリで開催されるCOP21には、196ヵ国・地域の代表が出席して、科学者が警鐘を鳴らす、地球上の気温上昇を2度以下に抑えるため、温室効果ガスの削減目標について枠組み合意を目指す。温暖化の悪影響の一例として、中国グリーンピース代表が挙げているのは、海抜4,700メーターのチベット高原の氷河が融け出していて、このままでいくと2050年までには3分の2が失われ、中国、インド、パキスタン、バングラデッシュ、ブータンのおよそ20億人の人が深刻な被害を受けることになるという。...
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11月27日付
『ボイス・オブ・アメリカ』は、「COP21で、温室効果ガス削減合意期待」と題して、「11月30日からパリで開催されるCOP21には、196ヵ国・地域の代表が出席して、科学者が警鐘を鳴らす、地球上の気温上昇を2度以下に抑えるため、温室効果ガスの削減目標について枠組み合意を目指す。温暖化の悪影響の一例として、中国グリーンピース代表が挙げているのは、海抜4,700メーターのチベット高原の氷河が融け出していて、このままでいくと2050年までには3分の2が失われ、中国、インド、パキスタン、バングラデッシュ、ブータンのおよそ20億人の人が深刻な被害を受けることになるという。」とし、「気象情報では2015年が史上最も暑い1年になるとみられることから、科学者が異口同音に、地球の危機が迫っており、可及的速やかなる気候変動対策の実施が不可欠だとしている。」と報じた。
一方、同日付
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュースは、「COP21の流れに逆行する米国政党」と題して、「議会多数派を占める野党・共和党は、オバマ民主党政権が推し進めようとしている、大気浄化法にもとづく温暖化対策に真っ向から抵抗し、監督官庁である米環境保護局を絶え間なく攻撃している。歴史的にみてみると、米国がリーダーシップを発揮せねばならないとき、いつも共和党保守派が邪魔をしてきた。古くは、第一次大戦(1914~1918年)のベルサイユ講和条約締結に当り、ウィルソン民主党政権に反対して調印せしめなかったこと(よって、これを契機に創立された国際連盟に参加せず)、また、1930年代のファシズムの台頭(イタリアのエチオピア侵略、スペイン内乱、日本による満州国設立等)を喰い止めようとはせず、結果的に、米国がリーダーシップを発揮したのは第二次大戦に巻き込まれてのことだった。ただ、同大戦後はむしろ、国際連合(UN)、世界銀行(WB)、国際通貨基金(IMF)、世界保健機構(WHO)設立などに国際的リーダーシップを発揮してきた。」とし、「しかし、ここへきて共和党保守派は、温室効果ガスが気候変動に影響を与えたとの科学的報告を否定し、更に、温室効果ガス排出量削減のために途上国等への資金援助に真っ向から反対しているのである。温室効果ガス排出量世界1位の座を中国に譲りはしたが、依然世界総排出量の20%前後を占めているという事実があるのにも拘らず、である。」と非難した。
また、11月26日付
『CNNニュース』は、「中国、COP21開催前にも拘らず石炭火力を擁護」と題して、「中国のCOP交渉団代表の解振貨(シー・チェンフア)国家発展・改革委員会副委員長(66歳)は、中国政府が進める石炭火力発電所建設計画を擁護した。中国は依然エネルギーの3分の2を石炭に頼っており、その消費量は全世界のほぼ半分に匹敵する。中国政府は、今年だけで150ヵ所以上の新規石炭火力発電所建設を許可しているが、解氏によれば、温室効果ガス排出量が少ない近代的な石炭火力に建て直しているものであり、依然中国は、2030年を排出量のピークとしてそれ以降は漸減していくとの目標は達成可能だとしている。更に、この2年間で水力発電は2倍に、風力は60倍に、更に太陽光は280倍に増えているとも語った。」と伝えた。
日本の温室効果ガス排出量については、11月26日の環境省発表によると、2014年度排出量が前年度比▼3.0%の13億6,500万トンに留まった。一次エネルギーの供給において、石油の比率が前年度比▼1.4%減り、一方、二酸化炭素排出が少ない、天然ガスが+1.1%、再生エネルギーが+0.6%増えたことによる。
なお、安倍政権は2020年までの温室効果ガス削減目標として、2005年度比3.8%減を掲げているが、2014年度の排出量は、2005年度比2.2%減に相当する。
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米・中・韓国メディア;靖国神社での爆発事件の報道について(2015/11/24)
11月23日(祝日)の午前10時頃、靖国神社から、爆発音がして煙が出ているとの110番通報があり、警視庁が調べたところ、敷地内の男子用トイレで金属パイプや発火装置の残骸が見付かった。この日、同神社では、五穀豊穣を祝う新嘗祭が催されていたが、怪我人はなく、祭祀も予定通り行われた。この事件について、靖国神社に特別な見方をしている米・中・韓国メディアそれぞれが速報している。
11月23日付米
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、「何かと物議をかもす靖国神社で11月23日朝10時頃、爆発騒ぎが発生した。当日は日本の祝日で、同神社の秋の収穫祭祀が行われる直前の出来事だった。爆発は同神社南門付近の公衆トイレで起こった。怪我人はおらず、また、犯人も捕まってはいない。同神社には、第二次世界大戦で戦死した240万人の慰霊に加えて、14人のA級戦犯も祀られているため、日本の軍国主義の象徴として注目を浴びていて、2013年には可燃性の液体で同神社に放火しようとした韓国人が逮捕され、また、昨年大晦日にも25歳の日本人が、同様放火容疑で逮捕されている。...
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11月23日付米
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、「何かと物議をかもす靖国神社で11月23日朝10時頃、爆発騒ぎが発生した。当日は日本の祝日で、同神社の秋の収穫祭祀が行われる直前の出来事だった。爆発は同神社南門付近の公衆トイレで起こった。怪我人はおらず、また、犯人も捕まってはいない。同神社には、第二次世界大戦で戦死した240万人の慰霊に加えて、14人のA級戦犯も祀られているため、日本の軍国主義の象徴として注目を浴びていて、2013年には可燃性の液体で同神社に放火しようとした韓国人が逮捕され、また、昨年大晦日にも25歳の日本人が、同様放火容疑で逮捕されている。」とし、「2013年の安倍首相含めて、日本の首相が同神社を参拝する度に、旧日本軍によって侵略された中国や韓国からは猛烈な抗議の声が挙がっている。」と報じた。
同日付米
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュース(
『AP通信』記事引用)は、「爆発が起きたトイレには、時限発火装置の残骸が見付かっており、警視庁は監視カメラの映像を解析して、犯人の特定に努めている。日本の政治家の何人かは、お国に命を捧げた精霊を慰めるためとして同神社に参拝しているが、中国や韓国からは度々非難されている。それを慮ってか、明仁天皇は参拝されておらず、また、安倍首相も2年前の参拝を最後に、以降参拝していない。」と伝えた。
同日付香港
『アジア・タイムズ』オンラインニュース(
『ロイター通信』記事引用)は、「爆発事件発生時は、秋の収穫を祝う新嘗祭が行われていたが、祭祀は影響なく行われたものの、安全のため子供を連れた訪問者の訪問は断られた。なお、同神社は、軍国主義の象徴であり、侵略や植民地化された当時を思い起こさせるとして、中国や韓国から、日本の政治家による参拝には強い反対運動が度々起きている。」と報じた。
また、同日付中国
『グローバル・タイムズ(人民日報タブロイド判)』(
『AFP通信』記事引用)は、「同神社管理者によると、幸い怪我人が出なかったこと、また、事前に脅迫通知などはなかったという。なお、同神社に日本の政治家が参拝する度に、中国や韓国から怒りの声が挙がっている。」と伝えた。
更に、同日付韓国
『KBSニュース』は、「同神社には、(第二次大戦の)多くのA級戦犯が合祀されている。」と報じた。
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