就任間もないトランプ新大統領は、既報どおり、自身の大統領令に不服従の司法省長官代理を突然解任するなど、中国や北朝鮮顔負けの専制君主となりつつある。しかし、先制君主本家の北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長はこの程、トランプ大統領に負けじと、秘密警察機関トップを解任し、また、同機関の多数の幹部を“処刑”した。
2月3日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩、秘密警察トップを処刑はしなかったものの突如解任」
「●
『ロイター通信』は2月3日、独裁者の金正恩委員長が、北朝鮮秘密警察(国家安全保衛部)トップの金元弘(キム・ウォノン)部長(大臣に相当)を解任したと報道。
●韓国統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官によると、金委員長によって金部長が1月中旬、汚職・職権乱用・人権蹂躙の疑いで解任された模様。
●同報道官は、独裁体制維持のため、金委員長はしばしば強権を発動しているが、今回もその一環とコメント。
●調査の結果、金部長の容疑が深刻なものと判断されれば、追って“処刑”される可能性大。
●なお、金委員長は昨年4月、当時の国防部長を、家族が見守る前で高射砲で処刑し、2014年には、当時の国家安全保障部副部長を火炎放射器で処刑。」
同日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「北朝鮮の金正恩、直近の粛清として秘密警察トップを解任」
「●昨年韓国に亡命した、北朝鮮の前ロンドン公使の太永浩(テ・ヨンホ)氏は、金正恩がこれまで多くの幹部を粛清しており、その度に北朝鮮“高級幹部エリート”の不満が増幅しつつあるが、今回の粛清が事実とすれば、同エリートによる違背の念が更に強まる可能性があるとコメント。」
2月4日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「北朝鮮、秘密警察トップを“汚職・職権乱
用”容疑で解任」
「●韓国統一部の鄭報道官は、今回の粛清で、北朝鮮エリートは更に動揺し、国民への統制力が弱まるものと評価。
●金委員長はこれまで、叔父の張成沢(チャン・ソンテク)含めて、多くの高級幹部エリートを粛清。」
2月5日付韓国
『朝鮮日報』紙:「金正恩、北朝鮮リーダー就任以降340人も粛清」
「●韓国情報部傘下の国家安全保障戦略研究所は2月2日、金正恩が2011年末にトップに就任してからの5年間で、340人も粛清したと報告。
●特に2012年以降粛清される人数が増え、その年だけで140人もの幹部が粛清。
●また、市民の粛清も増えており、2016年8月現在で60人以上が処刑。
●一方、金委員長は2016年だけで、2度の核実験と20発以上の大陸間弾道ミサイル発射実験で3億ドル(約340億円)を消費。
●更に、過去5年間で、金ファミリー(祖父の金日成、父の金正日)の450以上の彫像建造に1億8千万ドル(約203億円)を支出した模様。」
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12月14日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「プーチン氏、4年連続“最も影響力ある人”に選出」
「●米経済誌
『フォーブス』は12月14日、2016年に世界に最も影響力を与えた人物として、ウラジミール・プーチン大統領(64歳)を4年連続で選出。
●同誌は選出理由として、プーチン氏は“望んだ通りのことを達成し続け”、また、“他国からの制約をものともせず、最近は益々影響力を拡大させている”ためと言及。
●2位にはドナルド・トランプ次期大統領(70歳)が選出されたが、昨年の72位から大幅アップで、共和党代表候補選を勝ち抜いたり、資産等での問題発覚等、米市民を“スキャンダル慣れさせた”ことだと説明。
●3位はアンゲラ・メルケル首相(62歳)、4位は習近平(シー・チンピン)主席(63歳)、そして5位はフランシス法王(80歳)。」
同日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「
『フォーブス』誌、“最も影響力ある人物”としてウラジミール・プーチン氏、ドナルド・トランプ氏を選出」
「●昨年2位だったバラク・オバマ大統領(55歳)は、黒田東彦日銀総裁(72歳)とサウジアラビアのハリド・アリ=ファーリハ エネルギー相(56歳)に挟まれた48位まで急落。
●トランプ氏の他に急上昇した人物は、英国のEU離脱の国民投票で失政し、圏外に去ったデイビッド・キャメロン前首相に代わって就任したテリーザ・メイ首相(13位、51歳)。
●なお、メイ首相含めて、全74人中女性は僅か6人。」
12月15日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドゥテルテ氏が
『フォーブス』誌選出の最も影響力ある人物ランキングに初登場で、プーチン氏は首位堅持」
「●フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領(71歳)が、
『フォーブス』誌が選ぶ、世界に最も影響を与えた人物74人の中の70位として初登場。
●同誌の選出理由は、同大統領が非情な麻薬撲滅政策を推し進めていたり、米国・国連などの非難に敢然と立ち向かい、また、米国離れする等の新外交政策を取ると宣言していること。
●同誌は、世界人口は今や74億人近くとなっているが、今回選出の74人(1億人に1人となるが)は明らかに世界に影響力を持つ人物だと評価したと説明。」
12月16日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「プーチン氏、『フォーブ
ス』誌選出の“最も影響力のある人物”ランキング4年連続首位なるも、オバマ氏は48位
に急落」
「●オバマ氏は、43位にランクインした北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長(33歳)よりも下位の48位に急落。
●同誌はオバマ氏の急落について、同氏が推し進めてきたオバマ・ケア(医療保険制度改革)やイラン核合意を痛烈に批判するトランプ氏が次期大統領になることから、もはやオバマ氏の影響力はあまり評価できないと説明。
●ロシアのアレクセイ・プシコフ下院外交委員会委員長は、プーチン大統領が4年連続首位となったのに対して、ロシア孤立政策を取ったオバマ大統領は48位まで急落したことが世界の評価だとツイート。
●なお、インドのナレンドラ・モディ首相が9位に滑り込み。」
一方、同日付中国
『チャイナ・デイリィ』:「
『フォーブス』誌選出の“世界に最も影響力あ
る人物”ランキングに中国人起業家がランクイン」
「●
『フォーブス』誌は、下記の中国人起業家5人を選出。
・電子商取引大手アリババの馬雲(ジャック・マー)会長(52歳):28位、今後20年で1千万種のビジネスと1億人の雇用創出を可能にする人物。
・中国政府系ファンドの中国投資有限責任公司の丁学東(ディン・ズェドン)会長(56歳):41位、8,000億ドル(約94兆4,000億円)の金融資産取引を行う責任者。
・世界最大のインターネット・ゲーム会社のテンセントの馬化騰(マー・ホァテン)最高経営責任者(45歳):45位、世界にWeChatなどの斬新なソーシャル・ネットワーク・サービスを提供。
・不動産最大手の大連万達集団の王健林(ワン・チァンリン)会長(62歳):59位。
・検索エンジン最大手の百度(バイドゥ)の李彦宏(ロビン・リー)最高経営責任者(48歳):60位。」
なお、日本の政財界人でランクインした人物は下記のとおり。
・29位:豊田章男トヨタ自動車社長(60歳)
・37位:安倍晋三首相(62歳)
・47位:黒田東彦日銀総裁(72歳)
・53位:孫正義ソフトバンク・グループ社長(59歳)
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