中国の元国家安全部副部長(スパイの元締め)、習国家主席主導の“反汚職政策”の下での汚職罪で終身刑の判決【米・ロシアメディア】(2018/12/29)
7月31日付Globali
「中国;今年前半だけでも3万7千人近くの役人を汚職罪で処罰」で触れたとおり、2期目(6年目)に入っている習近平(シー・チンピン)国家主席は、“反汚職政策”の下、トラ(幹部級)もハエ(党員)も叩く、とのスローガンを掲げて、容赦なく摘発・処罰している。そうした中、2015年1月に汚職罪容疑で逮捕・拘留された元国家安全部副部長(副大臣に相当、スパイの元締め)に対して、終身刑の判決が下された。
12月28日付米
『ナショナル・パブリック・ラジオ(米公共ラジオニュース)』:「中国の元防諜部門トップに終身刑の判決」
香港の『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』報道によると、大連(ダーリェン)中級人民法院(地裁に相当)は12月27日、中国の元国家安全部副部長だった馬建(マー・チェン)被告に対して終身刑を言い渡した。
馬被告は2006年に副部長に就任したが、以降2015年1月に摘発されるまで、数々の汚職に関わってきたとされる。
判決文によると、馬被告は米国に逃亡している郭文貴(クォ・ウェンコイ、実業家)容疑者の事業を支援するため、職権で多くの不正を行ったとされ、郭容疑者から合計1,450万ドル(約16億円)の賄賂を受け取ったと認定した。
同法院は更に、馬被告に対して735万ドル(約8億1千万円)の罰金支払いも命令している。
なお、郭容疑者も中国に留まっていれば当然投獄されているはずだが、当局の追及が迫る前に米国に渡り、現在はニューヨークで事業を続けている。
12月27日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国情報部門の元トップが汚職罪で終身刑に」
検察側訴状によると、馬被告は1999~2014年の間に、自身の職権を乱用して不正な取引を支援し、合計1,580万ドル(約17億4千万円)の賄賂を受け取っていたという。
更に、馬被告は2008~2014年において、中国当局から指名手配され目下米国に逃亡している郭容疑者と共謀して、数々の不正取引に関わっていたとされる。
なお、習国家主席が主導する“反汚職政策”の下で2015年に摘発・逮捕された馬被告は、2016年には共産党員の資格を剥奪されている。
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最初の“トラ(幹部級)”として摘発されていた中国インターネット取締り機関元トップに有罪判決【米・香港メディア】(2018/10/20)
既報どおり、習近平(シー・チンピン)国家主席は、昨年10月に2期目に入って以降も、自身が最重要課題のひとつと掲げる「反汚職政策」を緩めないと宣言している。その際の同国家主席のスローガンは、“トラ(幹部級)もハエ(党員)も叩く”であり、それに違わず、今年前半だけでも3万7千人近くの“ハエ”役人を汚職罪で処罰している。直近では、国際社会に自らの影響力を示して送り込んだはずの国際刑事警察機構(ICPO、通称インターポール)の孟宏偉(モン・ホンウェイ)総裁を“トラ”として摘発している。そしてこの程、“トラ”の第1号として昨年11月に摘発された、中国国家サイバー空間管理室(CAC、インターネット取締り機関)のトップだった魯煒(ルー・ウェイ)容疑者に有罪判決が下った。
10月19日付米
『ロイター通信』:「中国国家インターネット取締り機関の元トップが収賄罪で有罪判決」
中国東端の浙江省(チェーチャン)寧波市(ニンポー)の中級人民法院(控訴審に相当)は10月19日、CAC元トップの魯煒被告人に対して、収賄罪の有罪判決を下した。
中国国営『新華社通信』報道によると、検察は魯被告人が、2002~2017年の間、自身の職権を乱用して、3,200万人民元(460万ドル、約5億1千万円)余りに上る賄賂を受領していたと訴えたという。...
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10月19日付米
『ロイター通信』:「中国国家インターネット取締り機関の元トップが収賄罪で有罪判決」
中国東端の浙江省(チェーチャン)寧波市(ニンポー)の中級人民法院(控訴審に相当)は10月19日、CAC元トップの魯煒被告人に対して、収賄罪の有罪判決を下した。
中国国営『新華社通信』報道によると、検察は魯被告人が、2002~2017年の間、自身の職権を乱用して、3,200万人民元(460万ドル、約5億1千万円)余りに上る賄賂を受領していたと訴えたという。
魯被告人は昨年11月、習近平国家主席が掲げる“トラもハエも叩く”の下、“トラ”の第1号として汚職容疑で摘発されていた。
同報道によると、魯被告人は罪を認め、また、深く反省していると陳述したとする。
なお、習指導部は「反汚職政策」の下、贈収賄罪の容疑で役人らを摘発するだけでなく、同指導部への忠誠心や共産党方針に疑念を挟む人々も対象として取り締っている。
国際社会からは、「反汚職政策」が政治抗争に使われているとの声が上がっているが、中国政府はこの批判を一蹴している。
同日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「中国国家インターネット取締り機関最高責任者だった魯煒被告人に有罪判決」
中国中級人民法院での審理で明らかにされたところによると、魯被告は北京市政府、CAC及び共産党宣伝部での在籍時を通じ、その職権を利用して、特定企業等への利益誘導や、昇進人事に絡む介入等を行い、その見返りに合計3,200万人民元余りの賄賂を受け取っていたという。
魯被告は、特にCACトップ時代のことが世界的に報道されていて、2015年には米誌『タイム』が掲げる「世界で最も影響力ある100人」として、フェイスブック共同創業者のマーク・ザッカーバーグ氏らとともに選出されていた。
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