米海軍;西太平洋グアム基地沖で中国軍艦が米軍哨戒機に向けて不当なレーザー照射したと非難【米・中国メディア】(2020/02/29)
米中両国は今年1月半ば、懸案だった貿易協議において「第一段階」の合意文書に署名した。しかし、特に東アジアの覇権争いは少しも緊張緩和に進む余地はないようで、この程、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍哨戒機が、近くを航行する中国軍艦から不当なレーザー照射を受けたことを明らかにして非難した。
2月28日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国軍艦、米軍機に対して“危険かつ不当な”レーザー照射を浴びせる挑発行為」
米海軍は2月27日、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍機が2月17日、近くを航行する中国軍艦から“危険かつ不当な”レーザー照射を受けたことを明らかにした。
米太平洋軍の報道官が同日、『ネイビー・タイムズ』紙(1951年発刊)のインタビューに答えたもので、グアム基地の380マイル(約600キロメートル)西沖を飛行中のP-8Aポセイドン哨戒機に向けて、中国軍駆逐艦から浴びせられたもので、海上衝突回避規範(CUES、注後記)に違反する不当な行為だと非難した。...
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2月28日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国軍艦、米軍機に対して“危険かつ不当な”レーザー照射を浴びせる挑発行為」
米海軍は2月27日、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍機が2月17日、近くを航行する中国軍艦から“危険かつ不当な”レーザー照射を受けたことを明らかにした。
米太平洋軍の報道官が同日、『ネイビー・タイムズ』紙(1951年発刊)のインタビューに答えたもので、グアム基地の380マイル(約600キロメートル)西沖を飛行中のP-8Aポセイドン哨戒機に向けて、中国軍駆逐艦から浴びせられたもので、海上衝突回避規範(CUES、注後記)に違反する不当な行為だと非難した。
同報道官によれば、有事の場合を除き、飛行中の飛行機にレーザー照射を行うことは、乗員の健康・安全を脅かすだけでなく、計器等にも被害をもたらし、衝突や墜落等の重大事故を引き起こす可能性があるという。
シンガポールのS.ラジャラトナム防衛研究所コリン・科(コー)研究員は香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』のインタビューに答えて、“至近距離のレーザー照射は無用な衝突等を引き起こしかねず、非常に危険”だと語った。
同研究員は更に、“P-8A機が中国軍艦に近すぎたとされたのかも知れないが、それでも同艦に衝突する恐れなどないはずで、レーザー照射は無用で危険な挑発行為だ”とも言及した。
これと反対に、香港軍事評論家の孫中平(ソン・チョンピン)氏は同紙に対して、中国軍艦が余りにグアム基地に近すぎ過ぎたことを“不満に”思って、米海軍がレーザー照射の問題を殊更強調したものだと批評した。
同氏によれば、“近すぎ過ぎた相手に警告を発するのは通常の行為”だという。
ただ、肉眼で見えない危険なレーザー照射で“警告”することは、別の話だとも言及した。
なお、米海軍によれば、同機はフロリダ州のジャクソンビル基地から沖縄嘉手納基地に派遣されていて、同海域を監視飛行していたものだが、事態発生後嘉手納基地に戻り、“損害状況について調査中”だという。
同日付中国『環球時報』:「軍事専門家;中国軍艦がレーザー照射を行ったとの米軍の非難は“中国の脅威”を誇大宣伝するものと批評」
中国人民解放軍海軍研究所の軍事専門家である張軍事(チャン・チュンシェ)上級研究員は2月28日、米海軍が前日、グアム島沖を飛行中の米軍のP-8A哨戒機に中国軍駆逐艦“呼和浩特(フフホト)”からレーザー照射を浴びせられたと非難した事態について、米軍機が同艦に異常接近してきたことから防衛手段として行ったものだと明言した。
同研究員は『環球時報』のインタビューに答えて、米海軍は、レーザー照射が乗員を危険にさらすもので、CUESに違反するものだとしているが、米軍機が同艦に猛スピードで接近してきて、同艦の航行及び通常訓練を妨害しようとしてきたための止むを得ない対抗措置だったと説明している。
更に同研究員は、目下米議会で予算折衝が行われている最中、米国防総省がより多くの国防予算を得るため、そのタイミングに合わせてこのレーザー照射事件を殊更強調して、“中国の脅威”について誇大宣伝しているものだとも付言した。
(注)CUES:他国の海軍同士が西太平洋地域の洋上で不慮の遭遇をした場合に取るべき艦艇及び航空機の行動を定めた規範。2014年に合意され、日米中ロ豪加等太平洋圏の21ヵ国が署名。
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南シナ海をめぐる近況【米メディア】(2020/01/21)
1月20日付
『AP通信』:「南シナ海をめぐる近況」
<インドネシア研究者が中国は信用を失いつつあると警告>
戦略国際問題研究所(CSIS、ワシントンDC本拠の民間シンクタンク、1962年創立)ジャカルタ事務所のエバン・ラクスマーナ上級研究員は、1月20日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙に投稿して、中国が漁船団を派遣し、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)内のナトゥーナ諸島周辺で勝手に操業をさせることは、悪戯にインドネシアからの信用を失うだけだと警告した。...
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1月20日付
『AP通信』:「南シナ海をめぐる近況」
<インドネシア研究者が中国は信用を失いつつあると警告>
戦略国際問題研究所(CSIS、ワシントンDC本拠の民間シンクタンク、1962年創立)ジャカルタ事務所のエバン・ラクスマーナ上級研究員は、1月20日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙に投稿して、中国が漁船団を派遣し、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)内のナトゥーナ諸島周辺で勝手に操業をさせることは、悪戯にインドネシアからの信用を失うだけだと警告した。
中国は昨年12月、“伝統的な漁場”だと一方的に主張して、南シナ海南端のナトゥーナ諸島海域に、中国海警局の警備艇を伴わせて漁船団を派遣してきていた。
同研究員は、“インドネシアはかかる国と対話する必要もない”とも強調している。
<中国が米軍艦の台湾海峡横断を警戒>
中国外交部(省に相当)の耿爽(グァン・シュアン)報道官は1月17日、米軍艦が先週、無断で台湾海峡を横断したことから、“厳重警戒”しながら追尾したと発表した。
そして同報道官は、“米国は台湾問題について、米中関係を棄損させないよう注意を払うべき”と付言した。
米海軍は、ミサイル巡洋艦“シャイロー”が台湾海峡を通航したとのみ発表している。
なお、中国が“一つの中国”と主張する台湾では、台湾独立を支持する総統が先週の選挙で再選されたばかりである。
<中国の習国家主席がミャンマー訪問して連携強化>
習近平(シー・チンピン)国家主席は先週、ミャンマーを訪問した上で、種々の相互協力協定に署名して、両国間の連携強化に努めた。
中国はこれまで、西側諸国がミャンマーに経済制裁を科していた際に経済的支援を行い、また、国連などでミャンマーの問題が議題となる場合、同国を支持する立場を取ってきている。
かかる背景もあって、同国は、南シナ海領有権問題で、数少ない中国支持国の一つとなっている。
<米海軍長官代行がシンガポール訪問>
米海軍のトーマス・モドゥリィ長官代行が先週、シンガポール国軍を訪問して、両国が強固な戦略的パートナーであることを改めて強調した。
同代行はまた、“インド太平洋は最も重要”であり、“米・シンガポール両国の連携で安定を持続”させていく必要があるとも言及した。
なお、同代行は、チャンギ海軍基地を訪問し、また、寄港中の沿海域戦闘艦“ガブリエル・ギフォーズ”にも乗船している。
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