米国;各国がウィルス禍に忙殺されている隙の中国による南シナ海制海権強化を改めて非難【米・香港メディア】(2020/04/24)
既報どおり、各国が新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題で忙殺されている隙に、中国は南シナ海における制海権を拡充すべく、あらゆる方面で好き勝手に活動している。米国政府も、折に触れて非難しているが、同海域監視任務に当たる原子力空母乗組員のCOVID-19感染問題もあって、中々目に見えた行動がとれないでいた。そしてこの程、米空軍配下のアラスカ州イールソン基地に、最新鋭ステルス戦闘機F-35の配備が開始され、インド太平洋地域への睨みが効かせられるようになることから、米政権が改めて中国の一方的な海洋進出について警告を発した。また、COVID-19の隠蔽問題についても、再び糾弾した。
4月22日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「米国、中国による南シナ海周辺国への
“いじめに強硬に反対”と表明」
米政府は4月22日、各国がCOVID-19対策で忙殺される隙に、南シナ海周辺国に対する軍事的圧力を増大させているとして、中国を厳しく非難した。
当日テレビを通じて開催される、米国・東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議に先立って、マイク・ポンペオ国務長官が、公式記者会見の場で表明したものである。...
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4月22日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「米国、中国による南シナ海周辺国への
“いじめに強硬に反対”と表明」
米政府は4月22日、各国がCOVID-19対策で忙殺される隙に、南シナ海周辺国に対する軍事的圧力を増大させているとして、中国を厳しく非難した。
当日テレビを通じて開催される、米国・東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議に先立って、マイク・ポンペオ国務長官が、公式記者会見の場で表明したものである。
同長官は、“中国が台湾周辺に軍艦等を配備したり、また、ベトナム漁船沈没事故に表れているように、南シナ海周辺国への軍事的圧力を増大していることに対して、強硬に反対する”と述べた。
同長官はまた、“これまで70年にわたり米国が示してきた、インド太平洋地域の安定と秩序を守る活動”の延長で、南シナ海における監視強化の一環で、4月半ばから空軍部隊による監視強化を実践しているとも付言した。
国務省の発表によれば、COVID-19感染流行問題が深刻化する中、中国は、南シナ海スプラトリー諸島(南沙諸島)内のファイアリー・クロス礁及びスビ礁上に築いた人工島に、“調査研究所”と称する恒久施設を建設したり、ファイアリー・クロス礁人工島で特別仕様軍用機の離着陸を繰り返しているという。
また、ベトナム沖やマレーシア沖で両国がそれぞれ天然資源探査を行っている周辺海域に、中国海警艦を伴った天然資源調査船“海洋地質(ハイヤン・ヂーチー)8号”が何度も出没、あるいは何日も居座って、間接的な妨害行為を行っているという。
更に、台湾国防部(省に相当)発表によれば、4月11~12日、台湾東岸沖に中国空母及び随行軍艦5隻が表れ、軍事訓練を実施しながら南岸沖まで周回したという。
シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策学院(2004年設立)の上級研究員で元米国防総省職員であったドゥリュー・トンプソン氏は、“中国人民解放軍(PLA)のかかる示威行動は、COVID-19の影響を全く受けていないことを内外に示そうとしたもの”だと分析している。
一方、ポンペオ長官は記者団に対して、国際保健機関(WHO)で採用された国際保健規則(IHR、注1後記)第6条(注2後記)を引用して、“人類の健康保護のため、関係国は全ての情報を詳らかにすることが求められる”とした上で、“武漢ウィルス研究所は、COVID-19のゲノム(染色体遺伝子)を特定したはずであるのに、一切公開していない”と糾弾するメッセージを述べた。
そして同長官は、“中国当局は、武漢市で最初に確認されたCOVID-19の検体サンプルをリリースしていないばかりか、発症地とされる海鮮市場やウィルス研究所に調査に入ることも許可していない”とも言及して非難している。
4月23日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙:「ポンペオ米国務長官、中国当局はCOVID-19発症初期段階の検体サンプル提出及び関連資料を公開すべきと要求」
ポンペオ国務長官は4月22日の記者会見で、“中国は、COVID-19に関する情報をWHOにタイムリーに報告しなかったと考えられる”とした上で、“報告した後も、当該ウィルスがヒト・ヒト感染する事実もしばらく伏せていた”ともコメントした。
更に同長官は、“初期段階でウィルス禍の問題を隠蔽しようとしただけでなく、その際に検出したCOVID-19検体サンプルを破棄して、当該ウィルスがどこで発生して、宿主は何か等、WHOや米専門家が調査できないようにした”と中国当局を糾弾した。
(注1) IHR:2005年に採択された、全人類の保健保護のために各国に履行義務を課した国際法。感染症等人類に被害をもたらす恐れの病気が発生した場合、当該国を支援すること、また、不必要な貿易遮断や渡航禁止措置を取らないこと、とされている。
(注2) IHR第6条:“当該国内で大衆衛生を脅かすような病原菌等が発生した場合、24時間以内にWHO宛に報告する義務がある”と記されている。
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NYダウの1933年以来史上最大のジャンプアップに伴い、アジア市場も軒並み上昇【米・香港メディア】(2020/03/25)
既報どおり、新型コロナウィルス感染世界流行に伴う景気後退を憂い、世界株式市場は大幅下落している。特に、ニューヨーク・ダウ平均株価は、ドナルド・トランプ大統領の稚拙なウィルス禍対策を嫌気して、昨夏のピーク時より▼30%以上下落していた。しかし、この程、米議会とトランプ政権によって大規模経済対策がまとまるとの期待感から、1日としては1933年以来+11.30%と史上最大のジャンプアップを見せた。そして、この流れを引き継いで、日経平均株価含めてアジア市場でも軒並み上昇している。
3月25日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「NYダウの1933年以来の史上最大のジャンプアップを好感してアジア市場も軒並み上昇」
ニューヨーク・ダウ平均株価は3月24日、米議会とトランプ政権が、新型コロナウィルス感染問題に伴う景気後退を食い止めるため、2兆ドル(約220兆円)の大規模経済対策につきほぼ合意するとの期待感から、1日としては1933年以来史上最大となる+2,112.98ドル(+11.30%)上昇の2万704.91ドルの終値を付けた。...
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3月25日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「NYダウの1933年以来の史上最大のジャンプアップを好感してアジア市場も軒並み上昇」
ニューヨーク・ダウ平均株価は3月24日、米議会とトランプ政権が、新型コロナウィルス感染問題に伴う景気後退を食い止めるため、2兆ドル(約220兆円)の大規模経済対策につきほぼ合意するとの期待感から、1日としては1933年以来史上最大となる+2,112.98ドル(+11.30%)上昇の2万704.91ドルの終値を付けた。
この流れを引き継いで、3月25日午後時点でのアジア市場も軒並み上昇している。
・日経平均株価:+952.24円(+5.3%)上昇の1万9,044.59円
・香港ハンセン株価指数:+457.34(+3%)上昇の2万3,120.83
・韓国総合株価指数:+67.94(+4.2%)上昇の1,677.91
・豪州S&P/ASX200株価指数:+94.94(+2%)上昇の4,830.60
・その他、台湾市場含め軒並み+2%以上の上昇
ニューヨーク株式上昇には、米連邦準備制度理事会が直近で行った、大胆な▼0.5%緊急利下げ決定からのプレッシャーが効いたともみられる。
更に、機関投資家の間では、新型コロナウィルス感染問題に伴う悪条件での市場価格下落作用が一段落し、そろそろ底値を迎えるとの期待感があったことも見逃せない。
米資産運用会社ノーザン・トラスト・ウェルス・マネジメントのキャティ・ニクソン最高投資責任者は、“例えて言えば、重症患者の緊急治療室に余裕ができたので、有効な治療に当たれる状況になった”ということだと分析している。
なお、日経平均株価の上昇率が高いのは、懸案だった2020年東京オリンピック・パラリンピックのおよそ1年の延期が漸く決定されたことを評価したものとみられる。
同日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「NYダウが2兆ドルの大型経済対策を好感して1933年以来最大のジャンプアップを見せたことから、アジア市場も軒並み上昇」
ニューヨーク市場の大幅ジャンプアップを受けて、アジア市場も軒並み上昇している。
香港ハンセン株価指数は、本日午後3時15分現在、前日比+3.4%上昇しており、上海総合指数も+2.2%値を上げている。
韓国総合株価指数は、3月24日の+8.6%に続いて本日も+5.9%上昇し、日経平均株価も、同様前日の+7.1%に続いて、更に+8.1%となっている。
また、豪州S&P/ASX200株価指数も、前日の+4.3%に引き続き、+5.5%で終えている。
ただ、アジア市場の上昇は、3月23日に軒並み大幅下落したことに対する反動もあるとみられる。
なお、日経平均株価の上昇率が他のアジア市場より一段と高いのは、2020年東京オリンピック・パラリンピックを1年程延期することが漸く決定されたことが背景にある。
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