フランス:マクロン大統領による首相の任命まで、残された時間は後わずか(2024/09/02)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』9月1日付けで、マクロン大統領が、誰を、何時になって、首相に任命するかについて数日から議論の的になっていることを伝えている。マクロン大統領は、現在、週末 過ごすことになっている‘ランテルヌ’宮に引きこもり、任命する首相を構想しているものと見られる。マクロン大統領の首相任命に関して、多くの憶測が飛び交っているという。
フランスでは、大統領からの発表は、日曜日の夜と月曜日の間で行われるのが通例であるので、大統領としては、充分時間をかけて熟考していると想像しながらも、側近の1人は「慌てて決定するより、相談してほしい。」と考えている。
しかし、フランスでは、ガブリエル・アタル首相の辞任から47日間の政権の空白が続いており、RFI政治担当記者によると、いろんな憶測や威嚇が飛び交っているという。つい最近では、二コラ・サルコジ元大統領が、『フィガロ紙』の記事で、自政党の共和党に対して、政権に入って右派の首相を擁立することを主張している。...
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フランスでは、大統領からの発表は、日曜日の夜と月曜日の間で行われるのが通例であるので、大統領としては、充分時間をかけて熟考していると想像しながらも、側近の1人は「慌てて決定するより、相談してほしい。」と考えている。
しかし、フランスでは、ガブリエル・アタル首相の辞任から47日間の政権の空白が続いており、RFI政治担当記者によると、いろんな憶測や威嚇が飛び交っているという。つい最近では、二コラ・サルコジ元大統領が、『フィガロ紙』の記事で、自政党の共和党に対して、政権に入って右派の首相を擁立することを主張している。サルコジ元大統領によると、元首相のベルナール・カゼネーブの名が挙がっているが、中道右派から離れているので適切ではないとの見解を出して反対している。
今日の日曜日に流れた情報によると、明日の月曜日の朝、マクロン大統領がベルナール・カゼネーブ氏をエリゼ宮に迎え、新しい首相の任命に関して相談するという。
なお、数日前からベルナール・カゼネーブの名前が、新首相候補として挙がっているが、社会党のカゼネーブ元大統領の取り巻きの情報によると、「カゼネーブ自身としては首相になることを望んでいる訳でなく、国を余計なトラブルに巻き込まないために、義務として首相になる。」という。
情報では、これまで人気のなかった64才での一括退職とする制度改革がマクロン大統領とカゼネーブとの会談の議題に含まれるという。
さらに、マクロン大統領の口からは、これまで誰も予想もしなかった他の新首相の名前が出てくる可能性もある。いずれにせよ、来週初めのフランスの政治の動きに注目したい。
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セルビア:フランスのラファール戦闘機12機の購入を契約(2024/08/31)
『フランス・ルモンド誌』8月30日付けで、セルビア空軍がフランスのラファール戦闘機を購入する契約を結んだことでのフランスや欧州にとってのメリットを論じている。
なお、注意事項としては、フランスの航空技術やノウハウをセルビアのような、中国やロシアの製造工場がある国で盗まれないように気を付けることだという。特に、セルビアに常駐する中国やロシアの防空設備のメーカーが時間をかけて、ラファ―ル戦闘機に対する自分たちの防空システムの効果を向上するのに使われる可能性がある。
ラファールはフランスの航空機メーカー、ダッソー社により製造されている多用途の戦闘機で、多くの国々への輸出に成功している。...
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なお、注意事項としては、フランスの航空技術やノウハウをセルビアのような、中国やロシアの製造工場がある国で盗まれないように気を付けることだという。特に、セルビアに常駐する中国やロシアの防空設備のメーカーが時間をかけて、ラファ―ル戦闘機に対する自分たちの防空システムの効果を向上するのに使われる可能性がある。
ラファールはフランスの航空機メーカー、ダッソー社により製造されている多用途の戦闘機で、多くの国々への輸出に成功している。フランスは、ストックホルムの国際平和研究所の、今年3月に発行した最新の報告書によると、世界の武器輸出国として、米国に次ぐ2番目の輸出国となっており、ロシアが3番目でその後に続いている。
ダッソー社の新規注文リストは、今のところぎっしりと一杯になっていて、ダッソー社としては新規の注文に追われた状況となっている。最新の契約は、先日の8月29日木曜日にセルビアの首都ベルグラードで、フランス大統領エマニュエル・マクロンの臨席の下で発表された。この時、セルビアは12機のラファール戦闘機を約30億ユーロ(=約4800億円)の金額で購入する契約をフランスと取り交わした。
一方、3年前にクロアチアに別タイプのラファール戦闘機を売ってから、クロアチアの隣国でその敵対国、セルビアへの戦闘機売却計画は、当初から政治的な意味合いが濃く、論争の的になっていた。すなわち、セルビアはロシアのプーチン政権と緊密な関係を維持しており、セルビアへの戦闘機売り込みは、一見するとフランス側の商業的な成果ではあるが、国際情勢が絡む微妙な問題と判断されている。すなわち、セルビアはEU加盟への候補国となっているものの、ロシアのウクライナ侵攻以降もEU加盟国のようなロシアに対する経済制裁は行っていない。さらに、EU諸国の航空会社と違って、エアーセルビアは、今もモスクワ空港に乗り入れている。加えて、戦闘用ヘリコプターや対空防御システム設備は、ロシアや中国に発注している。ともあれ、フランスとしては、セルビアを’ミグ‘グループから‘ラファール′グループに引き寄せることで今後の欧州の安全保障を高めたいと目論んでいる。
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