豪州において、ロシア系豪州人のスパイ活動が発覚したばかりであるが、今度は、ドイツの防衛企業トップの暗殺計画がロシア側によって練られていたことが明らかにされている。
7月11日付米
『CNNニュース』、12日付米
『NBCニュース』、英国
『BBCニュース』は、ロシアによるドイツ防衛企業トップの暗殺計画を米情報機関が阻止したと報じている。
標的とされたのは、ドイツの防衛機器大手企業のラインメタル(1889年設立、軍需・防衛及び自動車部品メーカー)のアルミン・パッペルガー最高経営責任者(61歳、2013年CEO就任)である。
同社は、2022年のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、ドイツによる防衛予算増額に伴い、軍需品の生産増強を決定していて、2023年にはウクライナに兵器修理工場を建設し、同国への兵器供給の重要な役割を担っている。...
全部読む
7月11日付米
『CNNニュース』、12日付米
『NBCニュース』、英国
『BBCニュース』は、ロシアによるドイツ防衛企業トップの暗殺計画を米情報機関が阻止したと報じている。
標的とされたのは、ドイツの防衛機器大手企業のラインメタル(1889年設立、軍需・防衛及び自動車部品メーカー)のアルミン・パッペルガー最高経営責任者(61歳、2013年CEO就任)である。
同社は、2022年のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、ドイツによる防衛予算増額に伴い、軍需品の生産増強を決定していて、2023年にはウクライナに兵器修理工場を建設し、同国への兵器供給の重要な役割を担っている。
『CNN』が欧米当局者5人から得た匿名情報によると、米情報機関が今年1月、ロシアによるパッペルガー氏の暗殺計画についてドイツ政府に通報し、以降同氏はドイツ治安当局によって保護されるようになったという。
この事態に関し、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相(43歳、2021年就任)は7月11日、ワシントンで開催中の北大西洋条約機構首脳会談(NATOサミット)出席後の記者会見で、“ラインメタルに関わる案件は、私どもがここ数ヵ月特に情報共有を密にしていることだ”とした上で、“ロシアはハイブリッド戦争(正規戦、非正規戦、サイバー戦、情報戦を組み合わせた軍事戦略)を仕掛けてきている”と強調している。
これに対して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官(56歳、2000~2008年在任、2012年再任)は、“他の類似案件同様、すべて虚偽の事柄が紹介されているので、そのような報道を真剣に受け止めることはできない”と全否定した。
また、ラインメタルはコメントを避けたが、パッペルガー氏は現在、ドイツ財界内で最も厳重に保護されている人物と言われており、彼自身も『フィナンシャル・タイムズ』紙に、“ドイツ当局は私の身辺にかなりの警備態勢を敷いてくれている”と語っている。
一方、オラフ・ショルツ首相は当該暗殺計画についてコメントを控えたものの、“ドイツは目下、ロシアからの様々な脅威に曝されていることから、最大限の注意を払っている”と述べた。
また、NATO当局者は今週初め、『BBC』のインタビューに答えて、“ロシアはウクライナに対する西側諸国の支持を弱めることを狙って、破壊工作、放火、暗殺計画等、ヨーロッパ全域で攻撃的な秘密作戦を仕掛けてきている”と警鐘を鳴らしている。
更に、ドイツの外交委員会のミヒャエル・ロート委員長(53歳、2021年就任)は、“ウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナのみならずこれを支援する国々も殲滅させるべく戦争を激化しようとしている”と非難した。
また、国防委員会のマルクス・ファーバー委員長(40歳、2023年就任)も、“もし今回の暗殺計画にロシア諜報機関が関わっていたことが明らかになれば、各国でロシア外交官の追放という事態や、更には、被疑者の国際指名手配も行う必要がある”とコメントしている。
閉じる
ミレイ大統領とビヤルエル副大統領は、首都ブエノスアイレスのリベルタドール大通りを戦車に搭乗し、歓喜して手を振って群衆の声援に答えた。7月9日火曜日は、アルゼンチンの独立記念日に当り、2時間以上、7000人の兵士と70台の軍用車両が緑の並木が連なる大通りを行進し、空では62機の戦闘機と軍用ヘリコプターが飛び交う中で、数十万人の国民が南半球の真冬の寒さに負けず沿道に繰り出し、「祖国万歳」と盛んに歓声を上げた
このような独立記念日の軍隊パレードは、モリシオ・マクリ右派政権(2015-2019)を除いて、過去20年間の中道左派ペロン派政権時には放棄されていた。...
全部読む
ミレイ大統領とビヤルエル副大統領は、首都ブエノスアイレスのリベルタドール大通りを戦車に搭乗し、歓喜して手を振って群衆の声援に答えた。7月9日火曜日は、アルゼンチンの独立記念日に当り、2時間以上、7000人の兵士と70台の軍用車両が緑の並木が連なる大通りを行進し、空では62機の戦闘機と軍用ヘリコプターが飛び交う中で、数十万人の国民が南半球の真冬の寒さに負けず沿道に繰り出し、「祖国万歳」と盛んに歓声を上げた
このような独立記念日の軍隊パレードは、モリシオ・マクリ右派政権(2015-2019)を除いて、過去20年間の中道左派ペロン派政権時には放棄されていた。
大統領の政党「リベルタド・アバンサ」のアグスチン・ロモ議員はSNSで「ひさしぶりに、兵隊のファンファーレや精鋭部隊や陸軍の装備、空軍の隊列やフォークランド紛争の退役軍人たち、などの愛国心に充ちた行進を見るのはとても感動する。」と語った。
ハビエル・ミレイ大統領が軍隊パレードで上機嫌なのは、それもそのはずで、数時間前に1200㎞離れたトゥクマン州の州都、サンミゲルの1816年7月9日にアルゼンチン独立が調印された歴史的な場所で、10項目からなる「5月の協議書」に対する同意書への18州の知事による調印式が行われ、全24州中の18州(いずれも野党政権)で同意が成立したことになった。調印された法令は、各州の知事が順守すべき「10戒」ともいえるものであるが、強制力はなく、すでにアルゼンチンの憲法に含まれている内容がほとんどだという。
なお、ミレイ大統領による州知事との同意書の一件を通して、大統領は当初、現政治体制の激しい批判者と見なされてきたが、大統領自身も最終的には種々の政治家や官僚とネゴしていく中で、伝統的な政治のやり方をいくぶんか学んだものと見られる。
閉じる