アルゼンチン:インフレーションから回復中であるが経済成長は時間がかかる(2024/06/15)
『フランス24チャンネル』6月13日付けによると、アルゼンチンのインフレは5か月前から徐々に収まりつつあり、1か月当たり、4.2%で過去2.5年間での最低値となったが、過去1年間のインフレ率は、276.4%で依然として高い値となったと伝えている。国家統計局(Indec)6月13日木曜日に発表された物価指数によると、5月の物価指数は5%以下となり、2022年11月に3.9%に達して以来のこととなる
インフレ率の減速が続いており、ハビエル・ミレイ大統領が自我自賛するように、昨年12月に25.5%であったのが、通貨ペソの価値を落とすことで今年の1月には20.6%、2月に13.2%、3月には11%、4月には8.8%となった。
なお、修正後のインフレ率データによると、南米第3位の経済規模を誇るアルゼンチンの2024年5か月間のインフレ率は、71.9%で、過去12か月では276.4%となった。...
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インフレ率の減速が続いており、ハビエル・ミレイ大統領が自我自賛するように、昨年12月に25.5%であったのが、通貨ペソの価値を落とすことで今年の1月には20.6%、2月に13.2%、3月には11%、4月には8.8%となった。
なお、修正後のインフレ率データによると、南米第3位の経済規模を誇るアルゼンチンの2024年5か月間のインフレ率は、71.9%で、過去12か月では276.4%となった。しかし、インフレ率以外に消費額や経済活動については、昨年12月からのペソの価値引き下げや、各分野での国家予算カットの影響を受け、減少傾向にある。
国際通貨基金(IMF)によると、アルゼンチン経済は、前年度の1.6%の縮小に続き、本年度は2.8%縮小するものと予測している。
一方、ミレイ大統領は、「経済回復がすでに始まっている。例えば、4月には民間企業での給与が実質16%増加し、消費者の購買力が、2009年以来の回復基調にある。」と吹聴している。しかし、アルゼンチンのような非正規雇用が、労働人口の45%以上(ミレイ大統領の財政再建政策前の2023年末のデータ)を占める国では実際に給与の増加が起こっているかは疑わしいものと見られている。
ミレイ大統領の反対勢力や社会運動家たちは、経済回復を否定しており、2023年末から、2024年第1四半期までの期間に貧困層の増加が加速している。例えば、貧困層の人口割合が1年前に比べて、44.7%から55.5%に増加している(カトリック大学の社会負債調査機関データ:ODSA-UCA)と反発している。
アルゼンチンでのインフレ率データは、ミレイ大統領の提案した規制緩和改定案の上院での議会承認の後、数時間で公表された。
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中国:国産の中距離旅客機 C919は外国のノーハウが生かされ、定期運航開始(2024/06/12)
『仏ルモンド誌』6月12日付けによると、中国製の中距離旅客機C919は長い間、試作段階であったが、今年の初めから、ようやく国内での定期運航を果たしていると伝えている。C919は、現状では大部分の部品が、欧州製や米国製を使っているものの、開発意図は、将来的には外国の航空機市場を征服することにあった。しかし、その目標に到達するには、まだまだ遠い道のりだという。
C919は、2023年5月に最初の商業運航を開始したが、定期運航を果たしたのは今年の初めであった。すなわち、中国の3大国営航空会社の1つである中国東方航空の上海発、成都着、西安着、および北京着の各定期便に採用された。
中国にとって、C919は、まだ、道半ばにあるという。これまでの開発期間に15年もかけている。2008年に国営企業,中国商用航空機会社Comac社が創立され、エアーバス(A)とボーイング(B)2社に独占されている商用航空機業界に中国企業(C)を食い込ませたいと考えていた。...
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C919は、2023年5月に最初の商業運航を開始したが、定期運航を果たしたのは今年の初めであった。すなわち、中国の3大国営航空会社の1つである中国東方航空の上海発、成都着、西安着、および北京着の各定期便に採用された。
中国にとって、C919は、まだ、道半ばにあるという。これまでの開発期間に15年もかけている。2008年に国営企業,中国商用航空機会社Comac社が創立され、エアーバス(A)とボーイング(B)2社に独占されている商用航空機業界に中国企業(C)を食い込ませたいと考えていた。
しかし、航空機の政策に当たっては、乗り越えるべき技術的な挑戦事項は多くあり、中国としては膨大な量の外国技術に頼らざるを得なかったという。
例えば、エンジン本体は、フランスのサフラン社と米国のGE社の共同開発エンジンを、またエンジン室は、サフラン社製を使用している。さらに、航空電子制御システムは、米国のハネウエル社製、ブラックボックスはGE社製、着陸装置はドイツのリープヘル社製、といったところである。
なお、航空機の機首部分は、成都の企業で製作し、翼の一部は西安の企業で製作し、飛行機の主要胴体部分は、中国航空工業集団(AVIC)で製作している。
2020年の航空機調査、分析サイトAirframeの調査によると、C919には重要部品48個が米国製で、26個が欧州製で、14個が中国製という結果が出ている。
専門家によると、C919の主要部品は外国製で、全コストの半分以上は外国部品の購入によるという。米国のシンクタンクの推算では、2020年時点でComac社は、450億ドル(=約7.2兆円)以上の政府援助を受けているという。
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