米大学での反戦デモの波が英国に飛び火(2024/05/02)
米大学での親パレスチナの抗議デモの波が英国にも飛び火し、これまで穏やかだった英国の大学でも学生らによるデモや野営が活発化しているという。
5月1日付英
『BBC』:「ガザをめぐる抗議でイギリスの大学を学生が占拠」:
ガザ攻撃戦争に抗議し、親パレスチナの学生が英国の大学を占拠している。
リーズ、ニューキャッスル、ブリストルでは1日、大学講堂外にテントを貼って野営。支援者には食べ物や飲み物、衛生用品の寄付を求めた。その他の地域では、学生活動家がデモ行進や一回限りのデモを行ったところもあったという。
抗議者らは、大学に対し、ガザへの軍事活動を行うイスラエルとの関係を断つよう求めている。...
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5月1日付英
『BBC』:「ガザをめぐる抗議でイギリスの大学を学生が占拠」:
ガザ攻撃戦争に抗議し、親パレスチナの学生が英国の大学を占拠している。
リーズ、ニューキャッスル、ブリストルでは1日、大学講堂外にテントを貼って野営。支援者には食べ物や飲み物、衛生用品の寄付を求めた。その他の地域では、学生活動家がデモ行進や一回限りのデモを行ったところもあったという。
抗議者らは、大学に対し、ガザへの軍事活動を行うイスラエルとの関係を断つよう求めている。これは、イスラエル企業の株を売却し、資金援助を辞めることを意味する。
ニューキャッスルでの野営に参加したある学生は、コロンビア大学での占拠が明らかに英国の学生に影響しているが、一方で英国の警察による対応は米国と比べて比較的ゆるく、一定の言論の自由や集会の自由が保たれており、また学生の要求にはやや相違があるとしている。
同日付英『Guardian』:「米国での逮捕劇をうけてイギリスでもガザ反戦抗議の波」:
数百人が逮捕された米国のキャンパスでの暴動映像が流れたのを受け、英国の大学でも学生らによるデモや野営への準備が活発化している。
1日にはシェフィールド、ブリストル、リーズ、ニューキャッスル等、少なくとも6つの大学で抗議デモが行われる予定で、その他の場所もこれに追随するものとみられる。各大学の学生らは、イスラエルへの軍事投資をやめ、イスラエルとの関係を断つことを求めているという。
過去数ヶ月、英国での抗議活動はロンドン他都市部でのデモ行進が中心で、比較的小規模かつ注目もあまりない中、学生が大学構内を占拠しデモが行われていた。しかしここ数日、米コロンビア大学等キャンパス内での暴力的なシーンが世界的に放送されたことで、学生らの怒りに火がつき、団結意識が高まった。
イーストアングリア大学の副学長は、英国内での学生デモは平和的なものだったが、米国で起きたようなことがここでも起きかねないと警戒している。
シェフィールドでは、大学スタッフ、学生やOBらによる親パレスチナ連合が結成し、野営を行った。ニューキャッスルでも40人以上の学生が野営、1日にも集会が予定されており、デモは、大学がイスラエル国防軍のF35向けレーザーを製造する軍需企業とパートナーシップ契約を行ったことに抗議している。
マンチェスターでは、50人の学生が野営で抗議し、BAEシステムズ等の防衛企業とのパートナーシップをやめ、テレアビブ大学やヘブライ大学との関係を絶ち、「非倫理的研究」をやめるよう求めた。一方、デモが長引いていたヨーク大学では、「軍事関連企業への投資は今後行わない」ことを発表している。
142の大学を代表する報道官は、「各大学は米国カナダの大学でのデモを注視している。ハラスメント防止を含め、学生らの安全と、合法的な言論の自由への支援との間のバランスを探っている」としている。
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米国、各地の大学で反戦デモ、卒業式中止も(2024/04/26)
全米各地の大学で、イスラエル軍のガザ攻撃に反対し、イスラエルを支援する拠出金停止を求めるデモが各地に広がっており、学生や教職員の間で多くの逮捕者が出ている。安全を考慮し、先週卒業スピーチが中止された南カリフォルニア大学では、来月予定される卒業式の一部を中止するという。
4月26日付
『AP通信』:「反戦デモ拡大で卒業式中止や逮捕者」:
南カリフォルニア大学(USC)が25日、主な卒業式の中止を発表した。別の大学では、数十人の逮捕者が出ており、各地でイスラエル・ハマス戦争に反対するデモが広がりを見せている。
全米各地の大学では、全米各地で来月行われる卒業式典の予定の影響が出るものと懸念している。
コロンビア大学等は、デモ参加者との交渉を続ける一方、野営テントを禁止するよう、大学の規則を変更したり、最終試験を別の場所で行うなどの対応をする大学も出ている。...
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4月26日付
『AP通信』:「反戦デモ拡大で卒業式中止や逮捕者」:
南カリフォルニア大学(USC)が25日、主な卒業式の中止を発表した。別の大学では、数十人の逮捕者が出ており、各地でイスラエル・ハマス戦争に反対するデモが広がりを見せている。
全米各地の大学では、全米各地で来月行われる卒業式典の予定の影響が出るものと懸念している。
コロンビア大学等は、デモ参加者との交渉を続ける一方、野営テントを禁止するよう、大学の規則を変更したり、最終試験を別の場所で行うなどの対応をする大学も出ている。
一方、野営抗議は拡大しており、インディアナ州立大学でも発生後、多くの逮捕者が出ている。
デモ隊は、大学のイスラエルへの援助金停止や、企業への支援から離脱することを求めて抗議している。ユダヤ教徒の学生の中には、デモにより、反ユダヤ主義が高まり、キャンパスへ行くのが怖いという学生もいる。
USCは90人以上のデモ参加者が逮捕された翌日、5月10日に予定されていた卒業式の中止を発表した。各学科で行われる数十の卒業イベントは行うとしている。同大学では先週、安全面を考慮して、卒業イベントでの親パレスチナの卒業生代表による演説を中止した後、既に緊張感は高まっていた。
ロス警察によると24日、不法侵入容疑で93人、凶器による暴行で1人が逮捕されたという。ボストンのエマーソン大学では、路地での野営で108人が逮捕され、テキサス大学オースティンでも25日、57人が逮捕された。アトランタのエモリー大学では、学生以外の外部者が野営しているとして逮捕者が出ている。
ハーバード大など多くの大学は、テントで野営するデモ参加者への対応は行っていない一方、ノースウェスタン大学のように、キャンパスでの野営禁止のため、大学の規則を急遽変更した大学もある。ジョージ・ワシントン大学は、法科大学の試験をデモが行われている建物から、静かな別の場所に移すとしている。
現在のデモの波は、ニューヨークのコロンビア大学に影響されている。先週野営する100人超が警察に逮捕されたが、撤収後再び設営された。ここは数週間後に卒業式典が行われる予定の場所である。
ミゲル・カルドナ米教育相は、「学生の多様な意見を聞く能力が国の成長に必要不可欠であるが、ヘイトや暴力の脅威に甘んじることは当局者には受け入れられない」と述べている。
イスラエル・ハマス戦争開始以来、教育省は、反ユダヤ、イスラム主義への苦情対策として、大学や教育機関への市民権調査を開始。ハーバード大やコロンビア大学など多くの大学が調査対象となっている。
4月25日付米『USAトゥデイ』:「コロンビア大、デモ撤収期限迫る、USCは卒業式を中止」:
34000人の民間人が犠牲となっているガザへの攻撃に、各地の大学で抗議者がデモを行っており、コロンビア大学の学生がその中心となっている。
コロンビアでは、ここ数日で100人以上が逮捕されており、デモ隊は野営テント解体の期限が迫っている。ミノウチ・シャフィク学長は、テントが26日までに片付かなければ、キャンパスの静寂を取り戻すことを検討する」と警告している。
議会下院のマイク・ジョンソン議長は25日、前日の大学訪問で抗議者のブーイングを受け、デモに参加した学生や教員を批判、シャフィク学長の辞任を要求。SNSで、「ハマスがコロンビアの抗議を支持した。ハマスが行ったことは恐ろしいことで、あの抗議者らは犯罪に旗を振っている。これは米国ではない」と批判している。
学生らは、米軍のイスラエル支援に反対しており、大学がガザ戦争で利益を得るような武器製造業など、イスラエル関連企業等に支援金拠出することに反対している。
専門家によると、イスラエル関連への投資を定義するのは容易ではなく、大きな投資は明らかにしやすいが、小さな投資は隠れ蓑となりやすいとする。抗議の中心となるコロンビア大は、130億ドル超を拠出する最大機関の一つとなっている。
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