ウクライナ戦争:ロシア侵攻以来8人の記者が犠牲に
フランスのニュース専門局BFMTVの映像記者フレデリック・ルクレールイモフさんが30日、セベロドネツク近郊で民間人を避難させる人道的活動に同行していた際にロシア軍による砲撃で死亡した。ロシア侵攻後、すでに8人の記者が命を落とした。
仏
『レゼコー』紙によると、ルクレールイモフさんは、2月24日のロシア侵攻開始以来、2度目のウクライナ滞在中であった。ルハンスク州のハイダイ知事は30日、「今日、敵の攻撃を受けている地域から十数人を避難させるために装甲車が派遣された。破片が装甲を貫通し、作戦を撮影していたフランス人ジャーナリストが死亡した」と報告した。一緒にいた同僚のマキシム・ブランドシュテッターさんは軽傷を負い、現地仲介者のオクサナ・ロイタさんは無傷だったという。...
全部読む
仏
『レゼコー』紙によると、ルクレールイモフさんは、2月24日のロシア侵攻開始以来、2度目のウクライナ滞在中であった。ルハンスク州のハイダイ知事は30日、「今日、敵の攻撃を受けている地域から十数人を避難させるために装甲車が派遣された。破片が装甲を貫通し、作戦を撮影していたフランス人ジャーナリストが死亡した」と報告した。一緒にいた同僚のマキシム・ブランドシュテッターさんは軽傷を負い、現地仲介者のオクサナ・ロイタさんは無傷だったという。激しい戦闘が進行中で、ロシア軍はセベロドネツクに入ったという。同時期にキエフ近郊を訪れていたフランスのカトリーヌ・コロナ外相は、「人道支援の車と記者を狙うのは二重の犯罪だ」と糾弾した。
元軍事情報局長で元特殊作戦司令官のクリストフ・ゴマール将軍は31日、仏ラジオ『RTL』に出演し、「戦争では通常、民間人を撃つことはない。それは目的ではない」と指摘し、「2つの軍隊が互いに戦っているのだから、普通、民間人には発砲しない」と述べた。そして、「個人的には、ロシア軍が意図的に発砲したとは思わない。記者は、補給や退出を防ぐためにロシア軍が砲撃している軸上にいた。敵と戦争をするときは、相手の通信回線を遮断しようとするものだ。ロシア側は、その場所をランダムに、あるいは狙い撃ちして、人の出入りを防いでいる。」と説明している。
仏テレビ局『TF1』は、3カ月に及ぶ紛争で8人のジャーナリストが命を落としていると伝えた。国境なき記者団が「情報戦争」と呼ぶこの戦争で、最も高い代償を払っているのは現地の記者たちだという。一人目の犠牲者はテレビ記者だった。侵攻が始まって数日後の3月1日に、ロシア軍によるキーウへの爆撃に巻き込まれて死亡した。
国境なき記者団は5月24日、8人の犠牲者に加え、9人の記者が負傷し、13人が拉致または任意で拘束され、うち4人が拷問または虐待を受けたと報告している。例えば、「ラジオフランス」の現地仲介者が1人、キーウ近郊でロシア軍に拉致され、拷問を受けた後に解放された。同団体は先週21日、国際刑事裁判所の検察官とウクライナの検察官に対し、記者やメディア関係者を直接狙ったとされるロシア兵による攻撃を糾弾するため、5件目の訴状を提出した。クリストフ・ドロワール事務局長は、「ロシアは、戦争犯罪に特徴的な暴力に訴えることによって、情報を統制し、公式プロパガンダと異なる意見を表明する人々を黙らせたいという欲望を示している」と述べている。
閉じる
ウクライナ戦争:ガス配給に備えるドイツ産業界
ドイツ連邦ネットワーク庁(BNetzA)は、ロシアのプーチン大統領が、非友好国に対してドルやユーロといった西側通貨ではなくルーブルでロシア産ガスを購入するよう要求したことを受け、ガスの配給を実施するための行動計画を立案していると報道された。
『ロイター通信』によると、ドイツでエネルギーを規制するドイツ連邦ネットワーク庁は「ガス不足の深刻さによっては、一部のユーザーへのガスの供給をゼロにする必要があるかもしれない 」と述べた。ドイツは、政府がロシアの石油とガスへの依存度を減らすための措置をとった後でも、ガスの輸入の約35パーセントをロシアから受けており、産業界では、供給が停止されれば、すでに40年ぶりの高いインフレを経験しているドイツ経済に大きな影響を与える可能性があると懸念が広がっている。...
全部読む
『ロイター通信』によると、ドイツでエネルギーを規制するドイツ連邦ネットワーク庁は「ガス不足の深刻さによっては、一部のユーザーへのガスの供給をゼロにする必要があるかもしれない 」と述べた。ドイツは、政府がロシアの石油とガスへの依存度を減らすための措置をとった後でも、ガスの輸入の約35パーセントをロシアから受けており、産業界では、供給が停止されれば、すでに40年ぶりの高いインフレを経験しているドイツ経済に大きな影響を与える可能性があると懸念が広がっている。
ガス供給緊急時に配給を担当することになる連邦ネットワーク庁が作成した行動計画では、配給制度は重要で収益性の高い産業を維持することに焦点を当てるとしている。同庁は、産業界へのガス配給を決定する際には、企業の規模、その分野の重要性、潜在的な経済損失など、いくつかの基準が考慮されると述べている。
これに対し、ドイツ産業界は、ガラス、鉄鋼、食品、医薬品製造などのガスを最も使用する工場や、産業の構成要素の多くを提供する化学部門に対して特に懸念しているという。製造業のサプライチェーンは複雑に絡み合っており、その影響を予測することは難しいため、規制当局が一貫した配給リストを作成することは難しいという声も上がっている。
行動計画に対抗するために、ドイツ産業連盟(BDI)は6月上旬に、連邦ネットワーク庁に対してオークション方式のガス供給を提案することにしている。しかし、中小企業は、「ガスの権利をオークションにかけるのは公平ではない」だけでなく、「経済力のある大企業は、中堅企業よりもオークションの痛みに強い」とし、オークション方式をガス配給で使うという考えに警鐘を鳴らしている。
米『ブライトバート』は、隣国のフランスとは異なり、ドイツ政府は非核化政策を進めており、風力や太陽光といったいわゆるグリーン・エネルギーを優先してすべての原子炉を停止することを目指しているため、天然ガスをロシアに依存することになったと伝えている。
こうした危機の中、ドイツのオラフ・ショルツ首相はセネガルを訪問し、セネガルのサル大統領と共に22日、ドイツが西アフリカのセネガルのガス資源に関するプロジェクトに参加するため、「集中的」な話し合いを行っていると発表した。
ベルギーの『RTBF』によると、西アフリカの貧しい国であるセネガルは、近年大西洋で発見されたガス田や油田を、モーリタニアと共同開発することに大きな期待を寄せている。2023年12月に生産を開始し、当初は年間250万トンの液化天然ガス、2030年には1000万トンを生産することを目標としているという。同大統領は、「私たちセネガルは、欧州市場へのLNG供給を視野に入れた活動を行う用意がある」と語っている。
閉じる
その他の最新記事