ハンター・バイデン氏の起訴は司法批判を繰り返すトランプ氏に不利となる(2024/06/12)
ジョー・バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張してきたドナルド・トランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
6月12日付英
『Guardian』:「ハンター・バイデン氏起訴はトランプ氏に逆風」:
ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父ジョー・バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張するトランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
前大統領で共和党暫定候補のドナルド・トランプ氏は、先月の不倫口止め料での起訴の理由として、繰り返し司法システムの腐敗を強調している。...
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6月12日付英
『Guardian』:「ハンター・バイデン氏起訴はトランプ氏に逆風」:
ハンター・バイデン氏が銃所持等で有罪となったことは、父ジョー・バイデン氏の選挙に有利となり、司法省の追及が不公平だと主張するトランプ氏に不利な材料となると専門家は分析している。
前大統領で共和党暫定候補のドナルド・トランプ氏は、先月の不倫口止め料での起訴の理由として、繰り返し司法システムの腐敗を強調している。
トランプ氏の裁判は司法省から独立した地方裁判所であったのに対し、ハンター氏は、政権内となる司法省の権限下での起訴である。これは、バイデン政権が司法を政治的武器として利用しているという共和党の主張を一層弱め矛盾させる点となる。
その結果、専門家は、バイデン氏は息子の起訴で個人的な打撃を受けるものの、これが返ってバイデン氏を接戦にまで持ち上げるものだと分析する。
この傾向は、ハンター氏の別の罪に攻撃をシフトさせている共和党の反応からも伺える。ハンター氏は実刑判決となる可能性もあり、9月に脱税容疑でも法廷に立つとされるが、バイデン大統領は、大統領権限での恩赦は与えないとも述べている。
同日付米『CNN』:「トランプ氏の司法迫害主張を覆すハンター氏有罪判決」:
過去2週間、前大統領と、現職大統領の息子の有罪判決という前代未聞の事態をうけ、11月の有権者の選択に米国の法規範が健在であるかが試されている。
バイデン氏は、息子の起訴に干渉するつもりはないとし、ハンター氏も判事や検事を攻撃していない。バイデン側の振る舞いは、トランプ氏が2週間前の有罪判決時に見せた反応とは対照的である。司法省が無関係であるにもかかわらず、「バイデン政権が政敵を陥れるために仕組んだもの」だと証人、陪審員、判事を罵り、不正判決だと批判した。以来トランプ氏は、大統領権限を使って政敵に懲罰を与え、司法制度を変えるつもりだと強調している。
トランプ氏は、ニューヨーク州での裁判で、民主党が強い青い州では、公正な判決はできないと主張していた。しかし、ハンター氏の判決を下したデラウェア州は青い州である。もし無罪だったなら、共和党は当然「偏見のある判決」だと主張していただろう。しかし、有罪判決がその政治的主張を吹き飛ばした。
司法省が共和党だけを標的にしており、同氏が利用された司法制度の被害者だという主張だが、司法省は共和党だけを追及しているという考えは、ハンター氏の銃所持と9月に迫りくる税金裁判により、誤りであることが判明した。
共和党は、判決が気に入らないため、司法システムや法規制全体を攻撃したが、ハンター氏起訴に関して民主党からは一つも不正だとの訴えはない。バイデン大統領は、トランプ前大統領が就任中、個人司法事務所のように法的権限や捜査権限を私物化していたのを受け、司法省の独立性を復活させると公約していた。
都合の悪い事実が露呈し、トランプの迫害主張は崩壊した今、議会のトランプ支持者は不正や陰謀論としてハンター氏の有罪判決を殆ど使わないのである。
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米大学での反戦デモの波が英国に飛び火(2024/05/02)
米大学での親パレスチナの抗議デモの波が英国にも飛び火し、これまで穏やかだった英国の大学でも学生らによるデモや野営が活発化しているという。
5月1日付英
『BBC』:「ガザをめぐる抗議でイギリスの大学を学生が占拠」:
ガザ攻撃戦争に抗議し、親パレスチナの学生が英国の大学を占拠している。
リーズ、ニューキャッスル、ブリストルでは1日、大学講堂外にテントを貼って野営。支援者には食べ物や飲み物、衛生用品の寄付を求めた。その他の地域では、学生活動家がデモ行進や一回限りのデモを行ったところもあったという。
抗議者らは、大学に対し、ガザへの軍事活動を行うイスラエルとの関係を断つよう求めている。...
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5月1日付英
『BBC』:「ガザをめぐる抗議でイギリスの大学を学生が占拠」:
ガザ攻撃戦争に抗議し、親パレスチナの学生が英国の大学を占拠している。
リーズ、ニューキャッスル、ブリストルでは1日、大学講堂外にテントを貼って野営。支援者には食べ物や飲み物、衛生用品の寄付を求めた。その他の地域では、学生活動家がデモ行進や一回限りのデモを行ったところもあったという。
抗議者らは、大学に対し、ガザへの軍事活動を行うイスラエルとの関係を断つよう求めている。これは、イスラエル企業の株を売却し、資金援助を辞めることを意味する。
ニューキャッスルでの野営に参加したある学生は、コロンビア大学での占拠が明らかに英国の学生に影響しているが、一方で英国の警察による対応は米国と比べて比較的ゆるく、一定の言論の自由や集会の自由が保たれており、また学生の要求にはやや相違があるとしている。
同日付英『Guardian』:「米国での逮捕劇をうけてイギリスでもガザ反戦抗議の波」:
数百人が逮捕された米国のキャンパスでの暴動映像が流れたのを受け、英国の大学でも学生らによるデモや野営への準備が活発化している。
1日にはシェフィールド、ブリストル、リーズ、ニューキャッスル等、少なくとも6つの大学で抗議デモが行われる予定で、その他の場所もこれに追随するものとみられる。各大学の学生らは、イスラエルへの軍事投資をやめ、イスラエルとの関係を断つことを求めているという。
過去数ヶ月、英国での抗議活動はロンドン他都市部でのデモ行進が中心で、比較的小規模かつ注目もあまりない中、学生が大学構内を占拠しデモが行われていた。しかしここ数日、米コロンビア大学等キャンパス内での暴力的なシーンが世界的に放送されたことで、学生らの怒りに火がつき、団結意識が高まった。
イーストアングリア大学の副学長は、英国内での学生デモは平和的なものだったが、米国で起きたようなことがここでも起きかねないと警戒している。
シェフィールドでは、大学スタッフ、学生やOBらによる親パレスチナ連合が結成し、野営を行った。ニューキャッスルでも40人以上の学生が野営、1日にも集会が予定されており、デモは、大学がイスラエル国防軍のF35向けレーザーを製造する軍需企業とパートナーシップ契約を行ったことに抗議している。
マンチェスターでは、50人の学生が野営で抗議し、BAEシステムズ等の防衛企業とのパートナーシップをやめ、テレアビブ大学やヘブライ大学との関係を絶ち、「非倫理的研究」をやめるよう求めた。一方、デモが長引いていたヨーク大学では、「軍事関連企業への投資は今後行わない」ことを発表している。
142の大学を代表する報道官は、「各大学は米国カナダの大学でのデモを注視している。ハラスメント防止を含め、学生らの安全と、合法的な言論の自由への支援との間のバランスを探っている」としている。
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