豪、家庭内暴力急増に危機感(2024/04/30)
オーストラリアでは近年、家庭内暴力が急増しており、国家的危機となっているという。
4月29日付
『Yahooニュース』(NCA NewsWire):「豪州にとっての新たな”テロ”脅威」:
豪州では、現在または元パートナーの暴力により殺害された女性の数が増加傾向にあることから、政府が家庭内暴力をテロと呼ぶほど問題は深刻になっている。
警察の最新統計によると、女性パートナーの殺害件数は2022年から28%増加した。大多数が男性パートナーによる女性の殺害となっている。...
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4月29日付
『Yahooニュース』(NCA NewsWire):「豪州にとっての新たな”テロ”脅威」:
豪州では、現在または元パートナーの暴力により殺害された女性の数が増加傾向にあることから、政府が家庭内暴力をテロと呼ぶほど問題は深刻になっている。
警察の最新統計によると、女性パートナーの殺害件数は2022年から28%増加した。大多数が男性パートナーによる女性の殺害となっている。
29日の緊急閣僚会議に先立ち、アン・アリー議員は、法的定義に違いはあるが、女性が「テロ」にあっていることを理解する事が重要だと指摘。近年ジェンダーバイオレンスへの対策が求められており、政府は今後5年でこのような犯罪を25%減らすことを目標としている。
オーストラリア犯罪学研究所が発表した最新統計によると、2022年7月から2023年6月までで、家庭内殺人が232件報告されており、前年比で4%増加している。先住民族と、それ以外では、先住民族の女性が7倍多くなっている。被害者の割合をみると、アボリジニーとトレス諸島民で10万人に3.07人、先住民族以外の女性では、10万人に0.45人となっている。
このように近年増加傾向にある家庭内暴力だが、1980年代からは、52%も減少している。2022~2023年では、被害者の69%が男性で、先住民族の男性が、先住民族でない男性より8倍多い。
同日付英『Guardian』:「昨年パートナーにより殺害された女性が3割増との調査結果」:
29日にオーストラリア犯罪学研究所が発表した最新統計によると、2022~2023年の豪州国内のパートナーによる女性殺害率が、前年比で30%増となっている。
2022~2023年に現パートナーまたは元パートナーにより殺害された女性は34人で、2021~22年に比べ8人増加した。今年の入ってからの4ヶ月でも、このような犯罪による被害者は26人となっている。
前年比で増加しているものの、統計が開始された30年以上前の1989~90年と比較すると、増加率は最低で、現在では66%も減少している。専門家は、コロナ禍での制限やロックダウンも「抑圧への影響」となったと指摘する。
家庭内暴力には、殺害で82%、過失致死で15%、その他3%が含まれる。殆どの被害者は男性で、69%となっている。男性は家庭内暴力を起こす側としての傾向も高く86%、女性が13%となっている。先住民族の63%が、その他で52%がパートナーによる犠牲となった。
家庭内暴力で最も多いのは、パートナーや親戚で34%、知人が28%、面識のない人で15%。犯行場所は、自宅敷地内が56%、家の中が33.6%だった。 2022-23年の家庭内暴力90%は警察が介入している。
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妊娠により加齢が加速するとの研究(2024/04/09)
妊娠は女性の体に大きな影響を与えるが、最新の研究によると、妊娠期間中に、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。...
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4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。825人を対象とした研究では、1回の妊娠ごとに2~3ヶ月生物学的年齢が加速していた。調査した6年間での妊娠回数が多い人ほど、加速傾向が高くまったという。社会経済的地位、喫煙、遺伝的差異、環境要因等を考慮しても、妊娠と生物学的年齢の関係性については同じだった。
米国立科学アカデミー紀要に掲載された同研究を行ったコロンビア・エイジング・センターのカレン・ライアン所長は、「我々の研究で、妊娠により加齢が進むことが確認された。その影響は若い、妊娠力のある女性でより顕著にみられた」としている。
同日付米『ワシントン・ポスト』:「妊娠により老化が加速する仕組み」:
妊婦の血中細胞内の遺伝子マーカーを調査した2つの最新研究によると、妊娠により、数ヶ月または数年、妊婦の細胞の生物学的年齢が増していたという。
一方で、出産後にそのプロセスがもとに戻り、妊娠期間よりも細胞が生物学的に若くなり、特に母乳を与えている場合に、それが顕著にみられたという。
8日、米国立科学アカデミー紀要に掲載された研究では、人工知能プログラムを使用し開発された「生物学的年齢」の「時計」を使い、血液サンプル中のDNAマーカーを分析。マーカーは、遺伝以外の要素である年齢、健康、生活に反応し変化し、「生物学的年齢」は、実際の年齢とは違う働きをする。
同じ年に生まれたフィリピン人女性のサンプルを調査したところ、この「生物学的年齢」は妊娠により、少なくとも7ヶ月高まる傾向が見られたという。
同様に、3月、国際科学誌.「セル・メタボリズム」に掲載された研究では、米国人女性119人の血液サンプルを使い生物学的年齢に関連した後成的変化を追ったところ、妊娠周期が経過するにつれ、血液細胞のDNAに2年ほどの加齢が確認されたという。
研究を行ったイェール児童研究センターのキーラン・オドネル博士は、「妊娠の自然ストレステストとしての影響が興味深いものだった」としている。
一方で、妊娠が終了してから3ヶ月以内に、殆どの場合で加齢現象が逆転。総じてDNAマーカーはすぐもとの若い状態に戻っており、特に授乳を行った場合に、明らかに生物学的年齢が最大8歳「若く」なったケースもみられたという。
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