ドイツ:エネルギー危機で原発や高速道路で議論
ロシア産天然ガスの供給停止に備え、ドイツでは、燃料使用を減らす目的からアウトバーン(高速道路)の速度制限を設ける案や、原発稼働延長をめぐる議論が起きている。
7月19日付
『ロイター通信』:「天然ガス供給危機で、原発運転延長案」:
ドイツ経済相によると、ロシアからの天然ガス供給が停止する恐れのあるドイツでは、国民の支持が上がっていることから、残る3基の原発稼働を延長することを検討しているという。
2011年の福島原発でのメルトダウンを受け、ドイツでは段階的に原発が廃止されており、残っている3ヶ所の発電所も年末までに停止される予定となっている。...
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7月19日付
『ロイター通信』:「天然ガス供給危機で、原発運転延長案」:
ドイツ経済相によると、ロシアからの天然ガス供給が停止する恐れのあるドイツでは、国民の支持が上がっていることから、残る3基の原発稼働を延長することを検討しているという。
2011年の福島原発でのメルトダウンを受け、ドイツでは段階的に原発が廃止されており、残っている3ヶ所の発電所も年末までに停止される予定となっている。2022年第1四半期では、この3基でドイツ国内の電力生産の6%をまかなっていた。
環境経済省による3月の調査では、原発稼働延長は提言されていなかったが、ノルドストリーム1からのロシア産ガス供給が減少したドイツ他欧州では、電力需要が増す冬に備え、原発稼働を強化を望む声が高まっている。経済相は、今後数週間に渡る調査の結果をもとに、決定を下すとしている。
7月18日付英『Guardian』:「エネルギー供給への不安から、原発や速度制限見直し論に発展」:
ドイツでは、原発稼働延長や、アウトバーンの速度制限案で議論が割れている。
エネルギー危機の高まりにより、社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)から成る連立政権では、燃料使用を減らす目的から、アウトバーンの速度制限を設ける案や、長い間タブー視されてきた原発の延長をめぐる議論が起きている。
冬に向けてロシアからの天然ガス供給が完全に止まるのか、電力供給が不足するのかの状況が不透明となっている。
議論の中心は、期間限定で石炭火力を利用するという決定の影響もあり、気候変動目標を維持したいという意図も絡んでいる。
稼働延長はまだ空想ではあるが、議論の内容からすると、妥協案に向かう可能性もある。専門家は、この議論は複雑な背景があり、ドイツにとってこの二項対立は、アメリカの銃所持権問題に匹敵するものだと指摘する。
また、アウトバーンの速度制限設定も容易にいくものではない。賛成派は、高速の安全性が増し、排出量が減ると主張する。ドイツ環境庁によると、130キロ制限で、年間CO2排出量は1.9トン削減される。一方、反対派は、死亡事故のほとんどは高速ではなく通常の道路で起きているのだから、速度制限による安全性の向上は期待できないと主張する。
社会民主党(SPD)は、速度制限なし、原発存続を支持する層であり、緑の党は、速度制限、原発廃止を支持する層である。緑の党が速度制限がCO2排出削減となると主張するように、SPDは原発存続により、年間のCO2を3千トン削減できると主張する。
2千100万人が加盟するドイツ自動車連盟(ADAC)は、加入者の約半数50%が速度制限導入に賛成だとしている。
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NASA,オーストラリアからロケット打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)が、オーストラリアの宇宙センターからのロケットの打ち上げに成功した。
6月27日付英
『Guardian』(AAP通信):「素晴らしき偉業:NASAがオーストラリアの宇宙センターからロケット打ち上げ」:
NASAがオーストラリアのノーザンテリトリー州デュプマ高原のアーネム宇宙センターから、ロケットの打ち上げに成功。米国外にある商業宇宙センターから初の打ち上げとなった。深夜過ぎの強風により、何度かカウントダウンは中止された。
同宇宙センターでは、星の光が惑星の居住性に与える影響などの研究が行われるという。...
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6月27日付英
『Guardian』(AAP通信):「素晴らしき偉業:NASAがオーストラリアの宇宙センターからロケット打ち上げ」:
NASAがオーストラリアのノーザンテリトリー州デュプマ高原のアーネム宇宙センターから、ロケットの打ち上げに成功。米国外にある商業宇宙センターから初の打ち上げとなった。深夜過ぎの強風により、何度かカウントダウンは中止された。
同宇宙センターでは、星の光が惑星の居住性に与える影響などの研究が行われるという。ロケットには、エックス線量子熱量計が搭載され、星間X線の計測や宇宙の成りたりに関する新たなデータが提供される。
オーストラリアでのロケット打ち上げは27年ぶりとなる。前回は1995年で、南オーストラリア州の民間航空宇宙施設(Royal Australian Air Force Woomera)からの打ち上げであった。
ノーザンテリトリー州のナターシャ・ファイルズ首相は、「アーネムからの打ち上げはオーストラリアにとり、画期的偉業となる。各国の宇宙投資家を魅了し、若者の雇用やビジネスに繋がることが期待されている」としている。今後も7月4日、12日に同センターから、紫外線や天体の構造を計測する装置が搭載されたロケットの打ち上げが予定されている。
6月26日付『Yahooニュース』(ロイター通信):「NASAがオーストラリアの民間宇宙センターから初のロケット打ち上げ」:
NASAが26日夕、豪北部の荒れ地からロケットを打ち上げた。南半球からのロケット打ち上げは長く待たれていた。
オーストラリアの乾燥した風土と、赤道に近い点が、ロケットの打ち上げに最適な条件だと判断された。アーネム宇宙センターは赤道から南緯12度と赤道に近く、空気が乾燥し安定している、一方、米ケネディ宇宙センターのあるフロリダ州ケープカナベラルは湿地だという。
今回3つのミッションのため、70人のスタッフが搭乗した。NASAは声明で、「ミッションでは、宇宙空間の惑星間に存在するX線を搭載された計測器で測り、X線の宇宙の進化への影響を調査する」としている。
今後も、同宇宙センターからは6月から7月にかけ3回打ち上げが行われる予定で、惑星の居住性と光の影響の調査が行われる見込み。
今後のミッションでは、地球と、オーストラリアの国旗に描かれている南十字星に最も近いアルファケンタウリ (ケンタウルス座アルファ星)の調査が行われるという。これらの星は南半球でのみ観測できる。今後の大きな目標としては、地球のような条件をもつ惑星の存在が調査される。
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