G7サミットと核問題
19日から広島で開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、ウクライナや台湾情勢が議論されるとみられる一方、岸田首相は被爆地広島で核問題への機運と透明性を高めたい考えだと報じられている。
5月18日付英
『Guardian』:「G7首脳が到着する中、広島で核兵器廃絶訴え」:
ウクライナ戦争や中国の台湾進出がG7サミットで議論されるとみられるが、岸田首相は世界で最初の被爆地広島で、核兵器廃絶議論を進めようとしている。
18日に各国首脳が到着、現地では資料館の展示物等を通して、原爆の危険を示す必要性が、米現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ元大統領以降高まっている。...
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5月18日付英
『Guardian』:「G7首脳が到着する中、広島で核兵器廃絶訴え」:
ウクライナ戦争や中国の台湾進出がG7サミットで議論されるとみられるが、岸田首相は世界で最初の被爆地広島で、核兵器廃絶議論を進めようとしている。
18日に各国首脳が到着、現地では資料館の展示物等を通して、原爆の危険を示す必要性が、米現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ元大統領以降高まっている。広島をサミットの開催地に選定したのは、原爆ドームが献花の際に実際に首脳らの目に映る場所に象徴として存在する点にある。
ロシアのプーチン氏がウクライナでの戦術核兵器の使用の可能性を否定する一方、北朝鮮は米国本土を射程内とする高度ミサイルの開発を継続している。
岸田氏は、サミットで核縮小の透明性を示したい考えだが、核保有国であるロシア、北朝鮮、中国での緊張が高まる中、問題解決への期待は薄い。米当局は、米国が広島で独自の核兵器議論を主導する予定はないとし、ドイツ政府筋は、日本にとり重要だが、核軍縮は優先事項ではないとしている。
マクロン仏大統領の補佐官が「G7は反中国ではない」と主張するように、中国の軍拡や経済影響力への対応で、各国の団結はみられないだろう。また、G7各国は、中国を重要な貿易パートナーと認めつつも、台湾への脅威や西欧の経済やサプライチェーンが中国依存な点については、問題とせざるを得ないだろう。
19日付『ロイター通信』:「広島の厳粛な遺産を前に、ウクライナ戦争対応に取り組むG7」
G7首脳が広島で原爆慰霊碑に献花し、ロシアへの制裁強化等が議論される主要7カ国首脳会議が静かに幕を開けた。
ロシアのウクライナ侵攻とプーチン大統領の核兵器使用発言を受け、核兵器が初めて使われた地として広島の重要性がより注目されることとなった。
ウクライナのゼレンスキー大統領も訪日することとなり、ロシアへの制裁強化や、1年以上続く侵攻への戦略が発表されることが期待される。
英国は、ウクライナ支援のため、銅、アルミ、ニッケルを含むロシア産ダイヤモンドの輸入禁止を発表。欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は、欧州もロシア産ダイヤモンドを制裁対象とするとしている。
制裁強化は、欧州とアジア更には中東に及ぶまで、ロシアの戦争資金源となる商品を標的とした制裁回避の抜け穴を阻止し、また、ロシア産エネルギーへの依存を減らし、ロシアの国際金融システムへのアクセスを遮断することが目的となる。
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アジアで熱波続く
アジアでは10カ国以上で最高気温を更新するなど、数週間にわたって猛烈な熱波が続いているという。
4月27日付
『Yahooニュース』:「猛烈な熱波でアジアの夏に不安」:
アジアの10カ国以上で最高気温を更新、ここ数週間インド、中国、タイ、ラオスなどの南・東南アジアで高温が続いているという。
世界の3分の1の人口が気候変動の影響による熱波に苦しんでおり、専門家は4月の熱波は今夏のさらなる猛暑への「警告サイン」だと指摘する。国際統合山岳開発センター(ICIMOD)のシャルマ気候環境学者は、「人間の活動による気候変動はアジアでの熱波の増加の主な要因となっている。...
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4月27日付
『Yahooニュース』:「猛烈な熱波でアジアの夏に不安」:
アジアの10カ国以上で最高気温を更新、ここ数週間インド、中国、タイ、ラオスなどの南・東南アジアで高温が続いているという。
世界の3分の1の人口が気候変動の影響による熱波に苦しんでおり、専門家は4月の熱波は今夏のさらなる猛暑への「警告サイン」だと指摘する。国際統合山岳開発センター(ICIMOD)のシャルマ気候環境学者は、「人間の活動による気候変動はアジアでの熱波の増加の主な要因となっている。インドやタイでは休校や生産性低下に加え、死者も発生している」とする。
4月中旬、タイ西部のタク州では気温が44.6℃に達した。一方、ラオスでは、2日連続過去最高気温を更新。バングラデシュのダッカで41℃、インドのプラヤグラジで45℃、ミャンマーのカレワで44℃となった。
中国では、長沙と福州で浙江省で4月として最高気温を更新した。パキスタンでは23日、7つ都市で40度以上を記録するなど、アジア各地で夏の猛暑への脅威が高まっている。インドの気象庁は今年、昨年の記録的熱波以上の暑さとなると予測しており、2月時点で既に同時期として史上最高の暑さを記録している。
専門家は世界各地で2023年と2024年は気候変動やエルニーニョ現象により、平均気温を更新すると予測。I欧州の高山や氷河が溶け、大西洋の海氷が記録的な減少傾向にあるのも、気候変動の影響とみられる。
同日付英『Guardian』:「4月は史上最高気温記録、アジアで止まらぬ記録的熱波」:
アジアでは数週間、記録的熱波により学校が休校となり、電力使用上昇が起きている。4月の記録的気温は中国や南アジアのタイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムで観測されている。
ミャンマーの4つの観測所では25日、月間最高気温を記録。タイでは先週末、当局がバンコク周辺地域を対象に体調を考慮したステイホームを呼びかけた。22日バンコクの気温は42度を記録、湿度と合わせた体感温度は54度に達したという。高温によりタイでは電力消費が記録的に増え、4月6日は昨年4月の32,000メガワットを超える39,000メガワット以上となった。
フィリピンでは、パンデミックにより始業時期が変更されたため、学生らは最も暑い数ヶ月を学校で過ごすことになる。先月、39~42度の気温下、避難訓練に参加した100人以上の学生が脱水症状を起こし病院で治療を受けた。
世界的に、2022年は記録史上最も暑い年の一つとなった。過去8年間は、現代科学で議論が活発化、今年エルニーニョ現象が再び起きることで、更に気温が上昇するとみられている。
政府間作業部会の専門家は気候変動問題として、特にヒンドゥークシュヒマラヤ地域への影響を懸念している。この地域は世界で3番めに大きな凍結水があり、平均の2倍の温暖化が起きているという。
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