経済大国中国に対する日韓それぞれのアプローチ;韓国は新大統領が初訪中して、また日本は実業界が”一帯一路”経済政策への積極投資表明でそれぞれ関係改善模索【米・韓・中国メディア】
韓国は、米軍の尻馬に乗って、米国製終末高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の導入を決めてしまい、結果として中国の逆鱗に触れてしまった。一方、日本は、東シナ海の尖閣諸島の帰属問題の一環で、南シナ海においても中国の海洋進出に非難の声を上げていることから、やはり中国から敵視されている。ただ、両国とも経済大国中国との貿易に大きく依存していることから、それぞれのやり方で中国との関係修復・改善を図ろうとしている。すなわち、韓国は新大統領が来週半ば、初めて訪中して習近平(シー・チンピン)国家主席と直談判をする予定である。また、日本は実業界を中心に、習主席が推す“一帯一路(OBOR)”経済政策に積極的に関わっていくことを表明している。
12月6日付米
『Yahooニュース』(
『AFP通信』配信):「韓国の文大統領が来週初訪中」
韓国大統領府は12月6日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12月13日から4日間にわたり訪中すると発表した。
今年5月就任の同大統領にとって初訪中で、北朝鮮問題の協議を主目的として、習近平国家主席と首脳会談を行う予定である。
韓国は昨年、米国製THAAD配備を決定しているが、中国政府からは安全保障上問題があるとして、厳しい対応を取られている。...
全部読む
12月6日付米
『Yahooニュース』(
『AFP通信』配信):「韓国の文大統領が来週初訪中」
韓国大統領府は12月6日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12月13日から4日間にわたり訪中すると発表した。
今年5月就任の同大統領にとって初訪中で、北朝鮮問題の協議を主目的として、習近平国家主席と首脳会談を行う予定である。
韓国は昨年、米国製THAAD配備を決定しているが、中国政府からは安全保障上問題があるとして、厳しい対応を取られている。特に、韓国製品の中国向け輸入制限や、中国人観光客の韓国訪問禁止措置によって、中国が最大の貿易相手である韓国にとって大きな痛手となっている。
同日付韓国『聯合(ヨナプ)ニュース』:「韓国大統領、来週訪中して習国家主席と北朝鮮問題協議」
朴守賢(パク・スヒョン)大統領府報道官は12月6日、文大統領が12月13日より初訪中して、習国家主席の他、李克強(リー・クーチアン)首相らと会談すると発表した。
主目的は、先週も国際法違反のミサイル発射を敢行した北朝鮮問題を協議することである。更に、中韓国交樹立25周年を迎えていることから、昨年のTHAAD配備決定以降ギクシャクしていた中韓関係についても協議したいと考えている。
一方、同日付米『CNBCニュース』:「日本、中国のOBORプロジェクトへの投資表明」
『日本経済新聞』は12月6日、日本政府が、中国政府が進めるOBORプロジェクトへ資金的支援をする考えであると報じた。
具体的には、政府傘下の金融機関を通じて、日中両国の企業がOBORの下で進める、アジア地域での環境インフラ、工業化、道路・鉄道輸送関係プロジェクトへの金融支援を行うというもの。
同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「日中関係者、相互協力会議開催」
日中財界代表及び元政府高官が12月5日、東京において第3回日中共同対話(日本経済団体連合会(経団連)及び中国国際経済交流センター共催)を開催した。
日本から52名、中国から32名の企業代表及び元政府高官が一堂に会し、2日間にわたり日中経済協力について協議した。その中で日本側より、中国が推し進めるOBOR経済圏構想に積極的に関わっていきたい旨の表明がなされた。
また、福田康夫元首相は同会議において、日中間で相互協力につき協議することは、世界経済発展のためにも大変重要だと述べた。
なお、経団連の榊原定征会長を団長とする、日本企業代表250名が10月に訪中した際、李克強首相が歓迎し、予定を遥かに超える1時間近く会談した。同会長は、これこそ日中対話の重要な意義だと語っている。
閉じる
トランプ大統領、北朝鮮問題を理由に中ロの分断を図る(?)-あからさまに中国を褒めてロシアを貶す【米・英・ロシア・韓国メディア】
トランプ大統領は、インタビューやツイッターを駆使して、内政のみならず外交問題についても、自身の思惑どおり進むよう自分流を貫いている。そして、11月の初のアジア歴訪に当って、最重要課題としている北朝鮮問題を何とか前に進めようと、北朝鮮に厳しい対応を見せている中国には秋波を送り、一方、北朝鮮の外交部北米局長をモスクワに迎えるなどして北朝鮮関係を強化しようとしているロシアには露骨に嫌味を言っている。ただ、西側メディアは同大統領の表現をそのまま記事にしているが、ロシアメディアは深読みして、同大統領はロシアの協力を切望していると捉えている。なお、肝心の北朝鮮であるが、習近平(シー・チンピン)国家主席の2期目就任を褒め称える祝電を送っている。
10月26日付米
『Foxニュース』:「トランプ大統領、北朝鮮問題に関わる米国の努力を貶しているとしてロシアを非難」
ドナルド・トランプ大統領は10月25日、北朝鮮の非核化問題に関する
『Foxニュース』のインタビューに答えて、中国の支援は称賛するも、ロシアは米国の努力を邪魔していると非難した。
『ロイター通信』も、北朝鮮のアジアにおける唯一の同盟国である中国高官に対して、同大統領が核開発抑制のため圧力をかけるよう訴えていると報じている。...
全部読む
10月26日付米
『Foxニュース』:「トランプ大統領、北朝鮮問題に関わる米国の努力を貶しているとしてロシアを非難」
ドナルド・トランプ大統領は10月25日、北朝鮮の非核化問題に関する
『Foxニュース』のインタビューに答えて、中国の支援は称賛するも、ロシアは米国の努力を邪魔していると非難した。
『ロイター通信』も、北朝鮮のアジアにおける唯一の同盟国である中国高官に対して、同大統領が核開発抑制のため圧力をかけるよう訴えていると報じている。
なお、同大統領は10月25日のツイッターで、習国家主席に電話して、同主席の再任を祝うとともに、北朝鮮及び米中貿易問題について協議したと述べている。
同日付英『ロイター通信英国版』:「トランプ大統領、北朝鮮問題に関し、中国は助けてくれているがロシアは米国の努力を蔑ろにしていると表明」
『Foxニュース』でのインタビューでトランプ大統領は、米ロ関係が好転すれば、北朝鮮の核問題を解決するのは容易いことと発言した。
同大統領は、中国は支援してくれているが、ロシアはどうも別の方向を向いていて、米国の努力を傷つけているとも述べている。
なお、米ロ関係は、2016年米大統領選へのロシアの関与の疑いや、クリミア半島の併合並びにシリア政府支援の問題で、ずっとギクシャクしてきている。
一方、同日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「トランプ大統領:米ロ関係が好転すれば、北朝鮮問題の解決は容易と発言」
トランプ大統領は、10月25日の『Foxニュース』インタビューに答えて、もし米ロ関係が好転するならば、それは素晴らしいことだと発言した。
更に、同大統領は、そうなることによって、北朝鮮問題の解決はもっと容易となろうとも付言した。
また、同日付韓国『聯合(ヨナプ)ニュース』:「北朝鮮首脳、習主席の国家主席再任を祝福」
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は10月25日、中国の習国家主席の2期目体制の発足を祝福するメッセージを送った。
『朝鮮中央通信』は、同委員長が、今後両国の関係が発展し、両国民にとって利益となるよう望むとも表明したと報じた。
なお、朝鮮労働党中央委員会(最高意思決定機関)は先週、中国共産党大会開催を祝う簡単なメッセージを送っていた。
閉じる
その他の最新記事