米・英・韓国・中国メディア;北朝鮮暴走に対する日中の対応(2)(2016/09/15)
9月13日付
Globali「北朝鮮暴走に対する日中の対応」の中で、“日本は独自制裁の導入含めて、断固たる対応措置を講ずると表明しているが、今回の核実験について事前説明を受けていたとされる中国は、(北朝鮮は)米韓の威圧でかかる行動に出たとして、北朝鮮を擁護するコメントを発表した”と報じた。そうした中、韓国の外交部長(外相に相当)の説得交渉が効いたのか、はたまた国際社会の批判をかわす思惑があるからか、中国外交部長が、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の新しい制裁決議について同意すると表明した。しかし、同時に日本の外相には、(米国も含めた)役に立たない一方的な制裁は意味がないと厳しく対応した。
9月14日付韓国
『KBSニュース』:「中国、北朝鮮への国連追加制裁に合意」
「●中国外交部の王毅(ワン・イー)部長は9月13日、韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)部長と電話協議した際、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁に同意すると表明。
●王部長はまた、中国は既に北朝鮮の核実験反対を明確に表明しているが、関係各国には理性と抑制を持って、悪戯に緊張を高めないよう求めるともコメント。...
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9月14日付韓国
『KBSニュース』:「中国、北朝鮮への国連追加制裁に合意」
「●中国外交部の王毅(ワン・イー)部長は9月13日、韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)部長と電話協議した際、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁に同意すると表明。
●王部長はまた、中国は既に北朝鮮の核実験反対を明確に表明しているが、関係各国には理性と抑制を持って、悪戯に緊張を高めないよう求めるともコメント。」
一方、9月15日付米
『CNBCニュース』:「中国、一方的な北朝鮮制裁は核問題解決に寄与しないと日本に通告」
「●中国の王部長は9月14日、岸田文雄外相と電話協議した際、一方的な制裁は何の解決にもならないし、中国はこれに反対すると表明。
●この前日、米国の北朝鮮問題担当高官が訪日して日本の外務省関係者と会談した際、米国が独自に追加制裁を導入することを意図していると表明。
●中国の主張は、悪戯に緊張を高めるだけの一方的な制裁ではなく、北朝鮮を関係各国との対話の席に着かせるためのものが必要というもの。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』記事引用):「中国、“役に立たない”一方的な北朝鮮制裁に反対を表明」
「●中国の王部長は、中国は北朝鮮の追加核実験に断固反対するため、国連安保理が追加制裁を検討することに同意するが、その内容は一方的にただ緊張を高める結果をもたらすものではなく、朝鮮半島の現状を改善するに資する内容とすべきだと主張。」
また、同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』:「北朝鮮、米国が朝鮮半島を“火薬庫”にしていると非難」
「●北朝鮮は9月14日、米国が韓国にB-1B超音速爆撃機2機を飛来させ、核先制攻撃の可能性を示し、北朝鮮人民軍を威圧していると非難。
●米軍は9月13日、北朝鮮の追加核実験実施を受けて、同盟国韓国の安全保障のためとして同機を韓国に派遣。
●なお米軍は来月、韓国軍との合同軍事演習のため、原子力空母“ロナルド・レーガン”を中核とした第五空母攻撃部隊(注後記)を派遣予定。」
(注)第五空母攻撃部隊:空母ロナルド・レーガンを中核とし、ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、攻撃型潜水艦、補給艦および空母艦載機である空母航空団からなる戦闘艦隊。
自ら補給艦を持っているため、自律した戦闘単位として作戦を遂行することができる。横須賀港が母港。
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米・英・フィリピン・中国メディア;東アジアサミットと南シナ海問題(2016/09/08)
主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)において、南シナ海問題が大きく取り上げられて、責任追及されることなく同会議を無事に乗り切った中国は、その余勢をかって、今週開催の東アジアサミットにおいても、南シナ海問題に焦点を当てさせず、自国有利に取り仕切ろうとしている。そうした中、フィリピン新大統領の失言で米・フィリピン首脳会談が中止され、益々中国にとって追い風となるところであるが、オバマ大統領に代わって安倍首相がドゥテルテ大統領と会談し、中国の一方的な海洋活動に待ったを掛けようと精力的に動いている。
9月6日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』オンラインニュース:「ASEANサミットで、南シナ海問題に関わる仲裁裁定に“言及なし”か」
「●今週ラオスで開催される東アジアサミットでは、7月に中国の主張を退ける仲裁裁定が下されて以降初めて、東南アジア諸国連合(ASEAN)と米中が会合。
●海洋問題はASEANにとって重要な問題であるはずだが、ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、今回の東アジアサミットの議題には南シナ海問題に関わる仲裁裁定の件が含まれていない模様とコメント。...
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9月6日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』オンラインニュース:「ASEANサミットで、南シナ海問題に関わる仲裁裁定に“言及なし”か」
「●今週ラオスで開催される東アジアサミットでは、7月に中国の主張を退ける仲裁裁定が下されて以降初めて、東南アジア諸国連合(ASEAN)と米中が会合。
●海洋問題はASEANにとって重要な問題であるはずだが、ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、今回の東アジアサミットの議題には南シナ海問題に関わる仲裁裁定の件が含まれていない模様とコメント。
●なお、今年2月のサニーベール(カリフォルニア州)で開かれた米・ASEAN首脳会議で、オバマ大統領は南シナ海での緊張緩和が必要と訴え、ASEAN側は、領有権問題は、国際法に則った話し合いで平和裏に解決することが重要と確認。
●しかし、仲裁裁定で主張を全面否定された中国は、この結果を一切受け入れず、ASEAN各国の切り崩しに奔走。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「日本、中国
と領有権問題を抱えるフィリピンに対し、更に追加の監視船・哨戒機を提供」
「●安倍晋三首相は9月6日、ビエンチャン(ラオス)でフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ新大統領と会談した際、両国間の連携強化を再確認するとともに、2隻の大型監視船(90メーター長)及び5機の中古哨戒機の提供を確約。
●なお、フィリピン政府は過日、フィリピンが領有権を主張する中沙(スカボロー)礁周辺に、中国が最近これまでにない程多くの船舶を派遣していると懸念表明。」
9月7日付フィリピン
『マニラ・ブルティン』紙:「フィリピン、中国は南シナ海問題に関
わる仲裁裁定を認める必要があると表明」
「●フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は9月6日、南シナ海問題に関わる仲裁裁定を認めなければ、中国は“負け組”になるだろうと発言。
●フィリピンは中国との対話を開始前に、中国に対して、南シナ海におけるフィリピン漁師の操業を容認させることを条件付け。」
一方、9月6日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『環球時報』記事引用):「中国、ASEAN
との首脳会議で貿易取引関係強化を優先」
「●中国は、9月6~8日開催の第28回ASEANサミットで、中国・ASEAN間貿易関係強化を優先議題に設定。
●最終日の9月8日には、ASEANに加えて日米中韓印が参加する東アジアサミット開催。
●フィリピンのドゥテルテ新大統領は、大統領就任後初の海外出張で同サミットが国際会議デビュー。
●ただ同大統領は先週、同サミットで南シナ海問題に関わる仲裁裁定については話題に出さない意向とコメント。」
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