米・英・ロシア・韓国・中国メディア;G20前にプーチン大統領も存在感アピール(2016/09/05)
先に報じた「安倍首相、日ロ首脳接近を演出」の中で触れたとおり、安倍首相は、大きな懸案のひとつである対ロ関係改善という初期の目的を達成すべくプーチン大統領と会談し、11年振りに同大統領の訪日日程を固めただけでなく、北方領土問題を念頭にした日ロ平和条約締結に向けての突っ込んだ議論を展開した。一方、プーチン氏にとっても、日本との関係改善のみならず、主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)参加にあたり、中韓との連携強化はもとより、英国他との膠着状態脱却が懸案事項となっており、精力的に立ち回っている。
9月3日付米
『ロイター通信米国版』:「韓国大統領、核開発問題で北朝鮮に圧力をかけるためロシア訪問」
「●韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は9月3日、プーチン大統領と安倍首相も出席したロシア主催の東方経済フォーラムで講演し、北朝鮮に核開発をあきらめさせるため、関係各国から強いメッセージを発信していくことが肝要と主張。
●そして、北朝鮮がもし非核化に従うなら、国際社会として積極的に支援する用意があるとも発言。...
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9月3日付米
『ロイター通信米国版』:「韓国大統領、核開発問題で北朝鮮に圧力をかけるためロシア訪問」
「●韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は9月3日、プーチン大統領と安倍首相も出席したロシア主催の東方経済フォーラムで講演し、北朝鮮に核開発をあきらめさせるため、関係各国から強いメッセージを発信していくことが肝要と主張。
●そして、北朝鮮がもし非核化に従うなら、国際社会として積極的に支援する用意があるとも発言。」
9月4日付韓国
『KBSニュース』:「プーチン氏から朴氏にサプライズ・ギフト」
「●韓国大統領府報道官は9月4日、朴大統領がプーチン大統領と9月3日に会食した際、プーチン氏からサプライズ・ギフトをもらったと公表。
●それは、朴氏の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1979年正月にしたためた能書で、プーチン氏が骨董市場で購入したもの。
●なお、朴氏は今年初めにプーチン氏と会談した際、同氏息女用にと贈り物を手渡し。」
同日付英
『Yahooニュース英国版』(
『ロイター通信』記事引用):「英ロ両国、緊張関係改善を模索」
「●英国のテリーザ・メイ新首相とロシアのウラジミール・プーチン大統領は9月4日、G20サミット参加前に杭州で会談し、対話を継続して二国間関係の改善を果たしていくことで一致。
●両国関係は、ウクライナやシリア問題で意見が衝突していること、また、ロシアの長距離爆撃機がしばしば英国空軍基地近くまで飛翔してきていることに英国がクレームしていることから、緊張が昂揚。
●プーチン氏はメイ氏に対して、欧州連合離脱決定で困難な状況にあることを理解していること、そして、両国トップによる真摯な対話を継続することで、関係改善が図られることに期待すると発言。」
一方、同日付ロシア
『イタル・タス通信』:「プーチン氏、習氏にアイスクリーム1箱をプ
レゼント」
「●G20サミット出席のため訪中したプーチン大統領は9月4日、習近平(シー・チンピン)主席と会談した際、ロシア製アイスクリーム1箱をプレゼント。
●習氏は、訪ロの度にアイスクリームを買って食べており、大好物で感謝すると返礼。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『新華社通信』記事引用):「習氏はプーチン氏
と会談し、相互支援関係継続を要請」
「●習主席は9月4日、訪中しているプーチン大統領と会談し、両国間の相互支援関係を今後も継続していくよう望むと発言。
●特に、中国が推す“一帯一路政策”、及びロシアが進める“ユーラシア経済連合”発展のために相互に協力していくことで一致。」
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米・英・ロシア・中国メディア;中国主導のG20サミットが開幕(2016/09/05)
8月30日付
Globali「中国でのG20サミットが開催間近」の中で、“主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)の開催が間近に迫り、いよいよ各国の思惑がぶつかり合う様相を呈する一方、中国側は国営メディアを使って、自国の喧伝に躍起になっている”と報じた。そして、同会議を成功に導き大国の威信を内外に示すため、国際社会が最も注目し、懸案としていたパリ協定(国連気候変動枠組み条約締約国会議COP21で採択)について、G20サミット開幕直前に、中国が率先して批准すると発表して、責任ある大国をアピールしている。
9月3日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「中国を訪問して、オバマ氏はまず気候変動協定批准推進をアピール」
「●中国で開催のG20サミットに参加するため、中国東部の杭州(浙江省)に9月3日に到着したバラク・オバマ大統領は、国際社会が最も関心を払い、懸念を抱えているパリ協定に関し、米中間で協力して前進させる意向であると表明。
●米中両国は、南シナ海問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関わり意見・主張が対立。...
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9月3日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「中国を訪問して、オバマ氏はまず気候変動協定批准推進をアピール」
「●中国で開催のG20サミットに参加するため、中国東部の杭州(浙江省)に9月3日に到着したバラク・オバマ大統領は、国際社会が最も関心を払い、懸念を抱えているパリ協定に関し、米中間で協力して前進させる意向であると表明。
●米中両国は、南シナ海問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関わり意見・主張が対立。
●しかし、パリ協定発効条件は、署名済みの180ヵ国のうち55ヵ国以上が批准し、その温室効果ガス排出量が世界全体の55%を上回ることが条件であるため、世界の排出量の約40%を占める両国の批准が必須。
●なお、オバマ大統領はG20サミット後、現役大統領として初めてラオスを訪問し、アジアサミットにおいて米国のアジア戦略について講演するが、その機会を捉えて、フィリピンの新大統領とも会談予定。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「中国、G20
サミットに先駆けて、パリ協定批准を発表」
「●
『新華社通信』は9月3日、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会がパリ協定を批准する決定を下したと報道。
●昨年12月のCOP21で採択されたパリ協定は、早ければ今年12月までに発効することが期待されているが、世界第1位(約27%)の温室効果ガス排出量を誇る中国が批准することで、未批准国へのインパクトは大。
●第2位の米国(約16%)も早晩パリ協定を批准すると見込まれ、米中両国が率先することで、同協定批准に拍車がかかると期待。
●なお、G20サミット参加国合計で世界の排出量の80%を占めるものの、中国が批准を発表する前の段階では、北朝鮮を含めて23ヵ国、合計排出量が僅か1%しか批准しておらず。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、パリ協
定を批准」
「●パリ協定批准を承認した全人代常務委員会は隔月開催で、G20サミット開催直前の最終日に決定。
●同協定は、2017年4月21日までに発効条件を満たす必要。」
一方、同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『新華社通信』記事引用):「G20は保護
貿易主義否定が必須」
「●2008年の世界金融危機以来8年が経つが、世界の景気回復は脆弱で、保護貿易主義の兆し。
●世界経済の主要部分を占めるG20サミットでは、これを明確に“否”とする必要。
●米国の大統領選を戦う共和党のドナルド・トランプ候補も、対抗馬の民主党のヒラリー・クリントン候補も、表現は違えど自由貿易に反対の立場。
●更に、今年6月の英国の国民投票で欧州連合離脱が決定され、保護主義に増々傾斜。
●世界貿易機関(WTO)データでは、世界貿易の減速で、かつての7%成長に比べて現在は2.8%まで落ち込み。
●直近でも、世界の貿易高は、2014年の19兆ドル(約1,980兆円)から2015年の16兆5,000億ドル(約1,720兆円)まで▼13%も減少。
●そこで、G20サミットを仕切る中国は、世界貿易と投資を引き上げて健全な世界経済成長を取り戻すべく、世界にはびこり始めた保護貿易主義を否定する力強い方針を打ち出すことが必要。」
温室効果ガスのうち、二酸化炭素の世界総排出量(2015年、一部推定)は335億トンで、
主要排出国は以下のとおりである。
①中国;91億5千万トン(27.3%)、②米国;54億9千万トン(16.4%)、③インド;22億
2千万トン(6.6%)、④ロシア;14億8千万トン(4.4%)、⑤日本;12億1千万トン(3.6%)。
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