米・英・ドイツ・中国メディア;日本の経済成長が予想以上に好調(2016/11/14)
安倍首相が重点政策としている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、協定発効を阻もうとしているドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことで、日本経済は一種の“トランプ・ショック”に振り回されかねない状況である。そうした中、当該選挙結果が判明する前の話ではあるが、内閣府の発表では、第3四半期(7~9月期)の国内総生産(GDP)の伸び率が、前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と、大方の予想以上に好調な結果となっている。
11月14日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「輸出回復で日本の経済成長が予想以上に好調」
「●内閣府の11月14日発表では、第3四半期のGDPが前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と予想以上に好調な結果。
●2015年初め以来の高い成長率で、トランプ・ショックに見舞われた安倍晋三首相にとって、救いとなる数値。
●好調の主要因は、輸出が+0.5%と回復したこと。...
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11月14日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「輸出回復で日本の経済成長が予想以上に好調」
「●内閣府の11月14日発表では、第3四半期のGDPが前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と予想以上に好調な結果。
●2015年初め以来の高い成長率で、トランプ・ショックに見舞われた安倍晋三首相にとって、救いとなる数値。
●好調の主要因は、輸出が+0.5%と回復したこと。
●なお、(GDPの6割を占める)個人消費は+0.1%。」
同日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「日本の予想以上の経済成長の理由」
「●内閣府によると、輸出にカウントされる訪日外国人客の消費が、年率換算で+8.1%と予想以上に大きく伸びているが、他の経済指標はほぼ予想どおり。
●安倍政権は今年9月、28兆円(約2,600億ドル)の景気刺激策を発表したが、この効果が表れるのは来年で、一方、公共投資は第3四半期では前期比落ち込み。
●トランプ・ショックに見舞われた日本だが、トランプ新大統領が公約通りに国内インフラ投資を優先すれば、周り回って日本の対米輸出が増えるとの期待から、日本の株式市場が好調を維持。」
同日付英
『BBCニュース』:「輸出のお蔭で日本経済が予想以上に成長」
「●トランプ氏の自由貿易反対との主張に、日本の輸出企業は頭を痛めていたが、トランプ氏の勝利以降ドル高・円安が進み、同企業にとっては追い風。
●内閣府発表の第3四半期GDPが前期比+0.5%と、当初予想の+0.2%より遥かに良い結果。
●但し、専門家は、輸出頼みの経済成長は長続きしないと悲観的見方。」
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「日本の第3四半期の経済成長が+0.5%」
「●専門家は、経済成長を予想以上に押し上げた輸出は、第4四半期には減速するとの予測。
●日本銀行は11月初め、経済成長鈍化傾向を見て、2%物価上昇の達成時期を2019年3月と、最初に設定した目標時期よりも4年も繰り延べ。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『北京時報』配信):「日本、7~9月期の経済成長が+0.5%だったと発表」
「●市場の予想値は+0.2%(年率換算+0.8%)だったが、大幅に上回る結果。
●円は、世界経済が不確実な際に安全策の一環で買われる通貨で、特に今年6月の英国の欧州連合(EU)離脱ショック以降、円高が促進。
●しかし、市場がトランプ・ショックに見舞われて以降、ドル高・円安が進んでおり、安倍政権にとっては良いニュース。」
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中国、米国メディア;比ドゥテルテ大統領訪日(2016/10/27)
訪日中のフィリピン大統領は首脳会談で日本からの軍事、経済支援を締結。南シナ海問題では「その時が来れば日本側につく」と述べ日本との連携を示した。中国メディアは、訪日中のフィリピンヤサイ外相が、米比の合同軍事演習は中国との関係促進にマイナスとなるものだと述べたことに注目、米国メディアは、軍事同盟を解消する可能性を示唆しまたもや厳しい言葉を繰り返すドゥテルテ大統領に注目、フィリピン高官の発言から、経済においても、米国よりアジア重視で中国と日本との結びつきが増すだろうと報道されている。
10月27日付中国
『新浪(シナ)』は「日比、軍事、経済保障調印」との見出しで次のように報道している。
水曜、日比は米国との同盟重視と平和的解決で一致するも、共同声明では、日本からフィリピンへの軍事貢献とプロジェクトへの210億円規模の協力に重点が置かれた。安倍首相との会談後の記者会見でドゥテルテ大統領は、米国との同盟には言及しなかったが、南シナ海での日本の軍事協力への期待を述べ、その後声明で日比を重点とする同盟関係重視を確認。...
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10月27日付中国
『新浪(シナ)』は「日比、軍事、経済保障調印」との見出しで次のように報道している。
水曜、日比は米国との同盟重視と平和的解決で一致するも、共同声明では、日本からフィリピンへの軍事貢献とプロジェクトへの210億円規模の協力に重点が置かれた。安倍首相との会談後の記者会見でドゥテルテ大統領は、米国との同盟には言及しなかったが、南シナ海での日本の軍事協力への期待を述べ、その後声明で日比を重点とする同盟関係重視を確認。
就任以来米国との関係は緊張しているが米国の同盟国日本は中国との関係強化に努めるフィリピンを歓迎、安倍首相は、「南シナ海問題は地域の平和に重要で、ドゥテルテ氏の中国訪問による比日関係強化の努力を歓迎する」とした。
同じく日本訪問中の比ヤサイ外相は、米国との軍事同盟も重視しており、同盟破棄の意向はないとしたが、合同軍事演習は中国との関係促進にマイナスとなるものだと述べた。また、「今政権中に演習を行わないのは、中国との対立を平和的に解決に導く努力をするためだ」と述べた。
日比は、海上自衛隊の大型巡視船2隻を含む海洋安全保障に署名。比のインフラや農業分野でも協力する。ドゥテルテ大統領は、「海洋安全におけるフィリピンの近代化に日本の貢献は引き続き重要。日本と協力していく。」と述べた。
同日付中国
『新華社ネット』(新華社通信)は「比ドゥテルテ氏、日本首相と会談」との見出しで以下のように報道している。
訪日中の比大統領は、安倍首相と首相官邸で会談、安倍首相は記者会見で、フィリピンとの一層の協力体制を述べた。フィリピンの都市部と郊外のインフラ整備を支援。来年ASEAN会議主催国となるフィリピンを日本は全面で支援するとした。ドゥテルテ大統領は、日本はASEANの重要なパートナーで共通の課題に協力して臨むとした。
10月26日付米国
『ハフィンポスト』は「訪日中の比ドゥテルテが米国非難」との見出しで以下のように報道している。
米国との軍事同盟を解消する可能性を示唆し厳しい言葉を繰り返していた比ドゥテルテ大統領は、先週の中国訪問での注目発言は経済に関してであり、軍事に関してではないと日本説得に努め、「その時がきたら、南シナ海対立では、日本の側につく」と発言。
米国との「決別」を中国で宣言し、その後独立外交求めるもので同盟は断絶しないと主張していた同大統領の米比の緊張が高まる中の日本訪問となる。二転三転する発言は、米国と強力な同盟関係にあり中国の海洋進出に対抗するためフィリピンを含む東南アジア諸国との関係強化を探る、安倍首相の頭痛の種となる。
ドゥテルテ大統領は、日本を「兄弟より近しい親友」と表現し、共通の問題で日本と協力し、民主主義の原則で、法的、平和的解決を順守するとした。
10月27日付米国
『CNBC』は「ドゥテルテ訪日:日中はミンダナオの数兆ドル産業に注目」との見出しで以下のように報道している。
比カルロス・ドミンゲス財務長官によると、中国と日本はフィリピンへの鉱石資源への1兆ドル投資で競合。中国より60年の協力関係にある日本が優位だという。ウィキリークス公表の2011年米駐比大使の情報によると、フィリピン第二の島ミンダナオ島は銅、金、鉄、アルミニウムなどの鉱物や天然ガスや油田等の資源の宝庫でその価値は1兆ドル。多種の生物・植物で有名、バナナ、パパイヤ、マンゴーの主産地、「フィリピンのフルーツバスケット」と称される。
ドゥテルテ大統領の中国に続く訪日で、フィリピン外交は大きく転換、米国と距離を置き、北アジア、東南アジアに近づいている。「カルロス・ドミンゲス財務長官は、アジア重視政策を欧州連合(EU)やNAFTA(北大西洋条約機構)メルコスール(南米の共同市場)に例える。政治的意図もあるが、一層結びつきを強めるだろうという。2年以内に米軍撤退を宣言するなど暴言外交の行方に関しては、米比防衛協力協定(EDCA)を解消する可能性は高いが、契約は継続され合意は保たれるだろうとする。
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