米・英・ロシア・韓国・中国メディア;暴走北朝鮮に対する、中国と日本それぞれの対応
1月12日付
Globali「北朝鮮の暴走(4度目の核実験)(2)」の中で、“(国連安全保障理事会の制裁協議について)北朝鮮の支配体制を混乱させる程厳しい制裁に中国は消極的と思われるだけでなく、アフリカ諸国などが北朝鮮から安い武器を購入している関係で、果たして効果ある追加制裁が合意できるのか疑問の声が上がっている”と報じた。案の定、北朝鮮の水爆だとする核実験強行から1ヵ月近く経とうとしているのに、未だ安保理の具体的制裁決議はなされていない。更に、その追加制裁の動きを牽制するかのように、またぞろ北朝鮮が、長距離弾道ミサイルの発射実験を行うような動きを表している。それにすぐ反応した中国と日本のそれぞれの対応につき、各国メディアが伝えている。
2月2日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国高官が北朝鮮訪問」との見出しで、次のように報じた。
「・北朝鮮の核実験実施に対する追加制裁協議が手詰まりの中、中国高官の武大偉(ウ・ダウェイ)朝鮮半島問題特別代表(69歳、6ヵ国協議長、元外交部副部長)が2月2日、急きょ平壌(ピョンヤン)入り。
・北朝鮮の朴成一(パク・ソンイル)外交部米国担当副部長が平壌空港VIP専用出口で出迎え。...
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2月2日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国高官が北朝鮮訪問」との見出しで、次のように報じた。
「・北朝鮮の核実験実施に対する追加制裁協議が手詰まりの中、中国高官の武大偉(ウ・ダウェイ)朝鮮半島問題特別代表(69歳、6ヵ国協議長、元外交部副部長)が2月2日、急きょ平壌(ピョンヤン)入り。
・北朝鮮の朴成一(パク・ソンイル)外交部米国担当副部長が平壌空港VIP専用出口で出迎え。
・中国側は、北朝鮮の核実験実施に明確に異を唱え、安保理の追加制裁に理解を示しているが、何ら具体的進展がないことも事実で、打開策模索のための高官派遣か。」
同日付英
『メール・オンライン(デイリィ・メール電子版)』(
『ロイター通信』記事引用)
は、「追加制裁具体化が迫られる中、中国の北朝鮮非核化担当高官が訪朝」との見出しで、
以下のように伝えた。
「・中国の北朝鮮担当高官の訪朝目的等、今のところ中国外交部も北朝鮮側も詳報せず。
・中国の王毅(ワン・イー)外交部長と米ケリー国務長官は1月27日に会談し、北朝鮮
に対する追加制裁の必要性には合意したが、具体策については何ら進展なし。」
同日付韓国
『聯合(ヨナプ)ニュース』大手通信社は、「中国の北朝鮮非核化担当高官が突然の訪朝」との見出しで、次のように報じた。
「・中国外交筋の情報では、武特別代表は北朝鮮側と協議し、噂されている長距離弾道ミサイルの発射実験を思い留まらせる意向の模様。
・中国は、北朝鮮体制を揺るがすような厳しい追加制裁には乗り気でなく、それよりも長らく中断している6ヵ国協議に引っ張り出すことを最優先している模様。」
同日付中国
『チャイナ・デイリィ・アジア』オンラインニュースは、「中国高官が北朝鮮到着」との見出しで、以下のように伝えた。
「・北朝鮮側は、武特別代表が北朝鮮の誰と会い、また何日滞在するのか等一切明らかにしていない。
・中国側は、北朝鮮の追加核実験には明確に反対を表明しており、朝鮮半島の非核化に向けて最善を尽くすとしている。」
一方、同日付ロシア
『イタルタス』国営通信社は、「日本、ミサイル迎撃装置を緊急配備」との見出しで、次のように報じた。
「・中谷防衛相は2月2日、北朝鮮が実施すると予想される長距離弾道ミサイルの発射に備えて、地対空ミサイル迎撃装置のパトリオットPAC-3を緊急配備したと表明。
・具体的には、首都東京の北部と北東部の市谷、朝霞、習志野駐屯地。
・また、横須賀基地から海上配備型迎撃ミサイル(SM-3)を装備したイージス艦もすでに日本海に緊急配備済み。
・岸田外相も2月2日、米韓と緊密に連携し、北朝鮮が2、3週間以内に発射すると予想される長距離弾道ミサイルを迎え撃つ準備につき協議していると表明。」
なお、国際海事機関(船舶の安全や海洋汚染防止等の海事問題に関わる国際協力促進機関)
及び国際電気通信連合(世界の電波利用方法などを管理する国際組織)が2月2日に明ら
かにしたところによると、北朝鮮は両組織に対して、2月8日~25日の間に地球観測衛星
「光明星(クァンミョンソン)」を打ち上げると通告してきたという。
北朝鮮の狙いは、水爆と称する4度目の核実験で核能力の高度化を誇示したのに続き、衛
星と称する核運搬手段の長距離弾道ミサイルを発射することで、事実上の核保有国の地位
を得ることにあるとみられる。
日米韓側から中国に対して、建設的な役割を更に強く求めていくに当り、今回の中国高官
の訪朝による何らかの進展を、期待を持って見守るほかない。
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米・英・中国メディア;日・米とも12月のCPI等は厳しい結果に
1月29日に日本銀行が決定・発表した、史上初の「マイナス金利政策」導入のニュースが驚異的だったため、この結果に少なからぬ影響を与えた12月指標データの話がかすんでしまったように思われる。各国メディアも端の方で以下のように伝えている。
1月29日付米
『NBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「アベノミクス頓挫で、日本のCPI・家計支出ともつまずき」との見出しで、次のように報じた。
「・1月29日に政府が公表したデータによると、安倍首相の消費者物価指数(CPI)上昇
の掛け声も空しく、2015年通年のCPI(価格変動の大きい生鮮食品を除く)は+0.5%
に止まる。
・中国経済の減速と、引き続いての原油安の影響。...
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1月29日付米
『NBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「アベノミクス頓挫で、日本のCPI・家計支出ともつまずき」との見出しで、次のように報じた。
「・1月29日に政府が公表したデータによると、安倍首相の消費者物価指数(CPI)上昇
の掛け声も空しく、2015年通年のCPI(価格変動の大きい生鮮食品を除く)は+0.5%
に止まる。
・中国経済の減速と、引き続いての原油安の影響。
・12月の家計の消費支出も前年同月比▼4.4%減。
・12月の完全失業率は3.3%で、有効求人倍率も高く労働市場は強含みであるが、企業が先行き不安を抱え、給与アップに踏み切れないためか、平均収入は前年同月比▼2.9%減少。
・12月のCPI(生鮮食品除く)は前年同月比+0.1%とほぼ横ばい。
・ただ、生鮮食品及び石油・ガソリン等のエネルギー消費額を除いた場合、12月のCPIは+0.8%、また2015年通年では+1.0%にはなる。」
同日付中国
『シナ(新浪)オンラインニュース』は、「日本の2015年CPIは+0.5%、
失業率は3.4%に減少」との見出しで、以下のように伝えた。
「・12月も含めて、家計支出は前年同月を4ヵ月連続で下回る。
・デフレ脱却を掛け声に始まったアベノミクスの後押しで、株高・円安が進み、輸出産業の収益改善や海外投資のリターン増額があったはずだが、企業側の追加投資や給与引上げ措置が遅延していると分析。
・2015年平均の完全失業率は3.4%まで下がり、労働市場も安定しているが、消費者は、原油安に伴い浮いた分を消費ではなく貯蓄に回している結果。」
一方、同日付米
『タイム米国版』は、「米景気、2015年最後の月で急減速」との見出し
で、次のように報じた。
「・好調な米景気も、2015年の最後の3ヵ月は僅か+0.7%の低成長に終わる。
・世界的景気後退及び米ドル高の影響で米輸出産業が伸び悩み、投資も減退したことから、消費支出が抑えられたと分析。
・6年半続いた好景気がそろそろ終焉を迎えるのかとの懸念があるが、ほとんどのエコノミストは、今年の1~3月期に反動が出ると期待を以て予測。
・2015年の経済成長率は2014年に続き+2.4%と、2013年の+1.5%より底堅く、継続的な経済成長は2009年6月に世界金融危機が去って以来のこと。
・2016年の経済成長について、エコノミストは少々成長率が落ちるも2%レベルは可能と予想。」
また、同日付英
『メール・オンライン(デイリィ・メール電子版)』(
『ロイター通信』
記事引用)は、「経済成長率低下を理由に次の利上げ時期が遅れると期待し、ニューヨーク
株式市場が上昇」との見出しで、以下のように伝えた。
「・米連邦制度理事会(FRB)は、3月の政策決定会合での追加利上げについて明言していないが、2015年10~12月期が僅か+0.7%成長に終わったことから、市場は利上げ時期が6月まで遅れる可能性大と好感。
・ニューヨーク・ダウ工業株価平均は1月29日朝方、前日比+124.3ドル(+0.77%)の16,193.94ドルで取引。
・ただ、世界同時株安で始まった2016年の下落分はまだ回復できていない状況。」
なお、1月29日のニューヨーク・ダウ工業株価平均の終値は、日銀の異例なマイナス
金利政策導入などを受けて、前日比+396.66ドル(+2.47%)の16,466.30ドル値上りし
た。この上げ幅は、中国経済の減速懸念を背景にした世界的な株安の反動で大きく買い戻
しが入った、2015年8月26日(+619ドル)以来、5ヵ月振りの大きさである。
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