米・英・中国メディア「世界の大富豪番付2016年」(2016/03/03)
先週の本欄
Globaliで、北京の富豪総額がニューヨークのそれを抜いたとの記事が掲載されたが、今週米経済誌
『フォーブス』が発表した2016年大富豪番付では、トップ10のうち8人が米国人に占められ、現在の両国の勢いの差が如実に表れている。
3月1日付米
『フォーブス』誌の報道記事「2016年世界大富豪番付」:
「・本誌が富豪番付を始めて30周年になるが、2016年版では、世界の大富豪(総資産10億ドル、約1,140億円超)総数は1,810人と昨年最大だった1,826人より減り、また、総資産合計も6兆4,800億ドル(約738兆7,200億円)と、同様初めて昨年より5,700億ドル(約64兆9,800億円)減少。
・トップは3年連続のビル・ゲイツ(米国、マイクロソフト創業者)で総資産は750億ドル(約8兆5,500億円)、ただ昨年比▼42億ドル(約4,790億円)。...
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3月1日付米
『フォーブス』誌の報道記事「2016年世界大富豪番付」:
「・本誌が富豪番付を始めて30周年になるが、2016年版では、世界の大富豪(総資産10億ドル、約1,140億円超)総数は1,810人と昨年最大だった1,826人より減り、また、総資産合計も6兆4,800億ドル(約738兆7,200億円)と、同様初めて昨年より5,700億ドル(約64兆9,800億円)減少。
・トップは3年連続のビル・ゲイツ(米国、マイクロソフト創業者)で総資産は750億ドル(約8兆5,500億円)、ただ昨年比▼42億ドル(約4,790億円)。同氏は、過去22年のうち17回トップ。
・2位はアマンシオ・オルテガ(スペイン、ファッションブランド“ザラ”創業者)で、3位だったウォーレン・バフェット(米国、投資家)を初めて上回る。
・4位のカルロス・スリム(メキシコ、通信業)は、持ち株の通信会社が大きく値を下げたため▼271億ドル(約3兆894億円)資産減となり、順位も大きく下げた。
・5位のジェフ・ベゾス(米国、アマゾン創業者)は初のトップ10入り。
・6位のマーク・ザッカ-バーグ(米国、フェイスブック創業者)は、今回最大の112億ドル(約1兆2,770億円)増額し、同じく初のトップ10入り。
・中国人トップは王健林(ワン・チャンリン、大連万達グループ代表)で、AMCシアターとレジェンダリー・ピクチャーズ映画会社を傘下に収めており、初のトップ20入り。
・大富豪総数は米国の540人がトップで、2位中国の251人(他に香港64人)を大きく引き離す。」
3月2日付米
『CNBCニュース』の報道「
『フォーブス』2016年大富豪番付でザッカ-バーグが大躍進」:
「・フェイスブック創業者のマーク・ザッカ-バーグが446億ドル(約5兆844億円)と、2015年の334億ドルから大きく伸ばして、16位から6位へと大躍進。
・その他のトップ10は、7位ラリー・エリソン(米国、ソフトウェア“オラクル”創業者)、8位マイケル・ブルームバーグ(米国、通信社ブルームバーグ創業者)、同率9位チャールズ及びデビッド・コーク兄弟(米国、実業家)。
・初の大富豪番付入りは中国人が+70人で最大で、米国人の+33人を凌ぐ。
・大富豪総数3位はドイツの120人、4位がインドの84人、5位がロシアの77人。」
同日付英
『ジ・インディペンデント』紙の報道記事「フェイスブック創業者が初のトップ10入り」:
「・大富豪は合計67ヵ国に存在し、最多は米国の540人、そして中国の251人(編注;英国は50人で総合7位)。
・2015年比総資産額が大きく減少したのは、原油価格低迷、通貨レートや世界の株式市場の混乱が主要因。」
また、同日付中国
『チャイナ・デイリィ・アジア(香港週刊オンラインニュース)』の報道記事「大富豪の総資産額大幅減少」:
「・原油価格下落、株価混乱、そして米ドル高のため、大富豪の平均資産額は36億ドル(約4,104億円)と2010年以来初めて減少。
・香港トップは李嘉誠(リー・カシン、不動産王)の271億ドル(約3兆894億円)だが、持ち株の大暴落もあってこの1年だけで▼60億ドル(約6,840億円)となり、総合順位も3つ下げて20位。
・中国トップは王健林の287億ドル(約3兆2,718億円)で、全体の18位。」
なお、日本人トップは柳井正(ファッションブランド“ユニクロ”創業者)の146億ドル(約1兆6,644億円)で総合57位、続いて孫正義(ソフトバンクグループ社長)の117億ドル(約1兆3,338億円)で総合82位である。
かつて、1987~1994年まで8年連続で日本人がトップであったが(うち6年間が西武グループ総帥の堤義明、2年間が森ビル創業者の森泰吉郎)、バブル経済の崩壊に続く失われた20年もあって日本の大富豪数も大幅に減少し、今回の番付では、韓国の31人(総合12位)も下回って計27人の総合15位であった。
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米・英・ロシア・韓国・中国メディア;暴走北朝鮮に対する、中国と日本それぞれの対応(2016/02/03)
1月12日付
Globali「北朝鮮の暴走(4度目の核実験)(2)」の中で、“(国連安全保障理事会の制裁協議について)北朝鮮の支配体制を混乱させる程厳しい制裁に中国は消極的と思われるだけでなく、アフリカ諸国などが北朝鮮から安い武器を購入している関係で、果たして効果ある追加制裁が合意できるのか疑問の声が上がっている”と報じた。案の定、北朝鮮の水爆だとする核実験強行から1ヵ月近く経とうとしているのに、未だ安保理の具体的制裁決議はなされていない。更に、その追加制裁の動きを牽制するかのように、またぞろ北朝鮮が、長距離弾道ミサイルの発射実験を行うような動きを表している。それにすぐ反応した中国と日本のそれぞれの対応につき、各国メディアが伝えている。
2月2日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国高官が北朝鮮訪問」との見出しで、次のように報じた。
「・北朝鮮の核実験実施に対する追加制裁協議が手詰まりの中、中国高官の武大偉(ウ・ダウェイ)朝鮮半島問題特別代表(69歳、6ヵ国協議長、元外交部副部長)が2月2日、急きょ平壌(ピョンヤン)入り。
・北朝鮮の朴成一(パク・ソンイル)外交部米国担当副部長が平壌空港VIP専用出口で出迎え。...
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2月2日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国高官が北朝鮮訪問」との見出しで、次のように報じた。
「・北朝鮮の核実験実施に対する追加制裁協議が手詰まりの中、中国高官の武大偉(ウ・ダウェイ)朝鮮半島問題特別代表(69歳、6ヵ国協議長、元外交部副部長)が2月2日、急きょ平壌(ピョンヤン)入り。
・北朝鮮の朴成一(パク・ソンイル)外交部米国担当副部長が平壌空港VIP専用出口で出迎え。
・中国側は、北朝鮮の核実験実施に明確に異を唱え、安保理の追加制裁に理解を示しているが、何ら具体的進展がないことも事実で、打開策模索のための高官派遣か。」
同日付英
『メール・オンライン(デイリィ・メール電子版)』(
『ロイター通信』記事引用)
は、「追加制裁具体化が迫られる中、中国の北朝鮮非核化担当高官が訪朝」との見出しで、
以下のように伝えた。
「・中国の北朝鮮担当高官の訪朝目的等、今のところ中国外交部も北朝鮮側も詳報せず。
・中国の王毅(ワン・イー)外交部長と米ケリー国務長官は1月27日に会談し、北朝鮮
に対する追加制裁の必要性には合意したが、具体策については何ら進展なし。」
同日付韓国
『聯合(ヨナプ)ニュース』大手通信社は、「中国の北朝鮮非核化担当高官が突然の訪朝」との見出しで、次のように報じた。
「・中国外交筋の情報では、武特別代表は北朝鮮側と協議し、噂されている長距離弾道ミサイルの発射実験を思い留まらせる意向の模様。
・中国は、北朝鮮体制を揺るがすような厳しい追加制裁には乗り気でなく、それよりも長らく中断している6ヵ国協議に引っ張り出すことを最優先している模様。」
同日付中国
『チャイナ・デイリィ・アジア』オンラインニュースは、「中国高官が北朝鮮到着」との見出しで、以下のように伝えた。
「・北朝鮮側は、武特別代表が北朝鮮の誰と会い、また何日滞在するのか等一切明らかにしていない。
・中国側は、北朝鮮の追加核実験には明確に反対を表明しており、朝鮮半島の非核化に向けて最善を尽くすとしている。」
一方、同日付ロシア
『イタルタス』国営通信社は、「日本、ミサイル迎撃装置を緊急配備」との見出しで、次のように報じた。
「・中谷防衛相は2月2日、北朝鮮が実施すると予想される長距離弾道ミサイルの発射に備えて、地対空ミサイル迎撃装置のパトリオットPAC-3を緊急配備したと表明。
・具体的には、首都東京の北部と北東部の市谷、朝霞、習志野駐屯地。
・また、横須賀基地から海上配備型迎撃ミサイル(SM-3)を装備したイージス艦もすでに日本海に緊急配備済み。
・岸田外相も2月2日、米韓と緊密に連携し、北朝鮮が2、3週間以内に発射すると予想される長距離弾道ミサイルを迎え撃つ準備につき協議していると表明。」
なお、国際海事機関(船舶の安全や海洋汚染防止等の海事問題に関わる国際協力促進機関)
及び国際電気通信連合(世界の電波利用方法などを管理する国際組織)が2月2日に明ら
かにしたところによると、北朝鮮は両組織に対して、2月8日~25日の間に地球観測衛星
「光明星(クァンミョンソン)」を打ち上げると通告してきたという。
北朝鮮の狙いは、水爆と称する4度目の核実験で核能力の高度化を誇示したのに続き、衛
星と称する核運搬手段の長距離弾道ミサイルを発射することで、事実上の核保有国の地位
を得ることにあるとみられる。
日米韓側から中国に対して、建設的な役割を更に強く求めていくに当り、今回の中国高官
の訪朝による何らかの進展を、期待を持って見守るほかない。
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