米国防総省長官、中東~南シナ海と1年近くに及ぶ長期任務を終えて帰港の空母打撃群を慰労【米・英国メディア】
新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題が世界を席巻する中、米海軍空母打撃群は通常より長期間の海外派遣を余儀なくされている。COVID-19取り決めによって、海外派遣中の寄港が許されないからである。そうした中、11ヵ月振りに帰港した空母打撃群が国防総省新長官によって労われた。
2月25日付米
『Foxニュース』:「国防総省長官、長期任務を終えた空母“ニミッツ”乗組員に労い」
国防総省のロイド・オースティンⅢ長官(67歳)は2月25日、1年近い長期海外任務を終えてカリフォルニア州サンディエゴ港に戻ってきた原子力空母“ニミッツ”(1975年就役)の乗組員らに対して労いの言葉をかけた。
同空母打撃群は、米中央軍(1983年創設、中東全域及び中央アジアの一部管轄)及びインド太平洋軍(1947年創設、2018年再編成、オセアニア・東及び南アジア管轄)指揮の下での様々な作戦を遂行してきた。...
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2月25日付米
『Foxニュース』:「国防総省長官、長期任務を終えた空母“ニミッツ”乗組員に労い」
国防総省のロイド・オースティンⅢ長官(67歳)は2月25日、1年近い長期海外任務を終えてカリフォルニア州サンディエゴ港に戻ってきた原子力空母“ニミッツ”(1975年就役)の乗組員らに対して労いの言葉をかけた。
同空母打撃群は、米中央軍(1983年創設、中東全域及び中央アジアの一部管轄)及びインド太平洋軍(1947年創設、2018年再編成、オセアニア・東及び南アジア管轄)指揮の下での様々な作戦を遂行してきた。
ただ、海外任務中にCOVID-19取り決めが発令され、如何なる寄港も認められなかったこともあって、通常半年単位で実施される海外任務が今回は連続321日に及んだ。
同空母打撃群には、ミサイル巡洋艦“プリンストン”(1989年就役)、ミサイル駆逐艦“スタレット”(2008年就役)及び“ラルフ・ジョンソン”(2018年就役)が編入されている。
同長官はツイッターでも、“空母打撃群の全ての乗組員・将校に対して、10ヵ月余りに及ぶ長期任務を無事に終了したことに敬意を表する”と称賛した。
同空母打撃群は、イランとの緊張が高まっていた際にペルシア湾に張り付き、その後はインド太平洋に回って、インド・豪州・日本との共同訓練「マラバール2020」(11月にインド東方ベンガル湾他で実施)に参画し、更に、南シナ海において(中国に睨みを効かせるため)、“セオドア・ルーズベルト”(1986年就役)及び“ロナルド・レーガン”(2003年就役)空母打撃群と合同での軍事演習を行っていた。
なお、同空母打撃群の総航行距離は8万7,300海里(約16万2,000キロメートル、おおよそ地球4周分)、艦載機出撃はのべ1万185回、飛行時間はのべ2万3,410時間に達している。
2月26日付英国『ジ・インディペンデント』紙:「オースティン国防長官、米軍艦を太平洋及び中東に重点的に配備と表明」
オースティン国防長官は、就任後初めて、長期任務を終えてサンディエゴ海軍基地に帰港した空母“ニミッツ”に乗船して乗組員らを労った。
同空母打撃群は、新たなCOVID-19取り決めや前政権の異例な方針もあって、どこにも寄港することなく10ヵ月余りに及ぶ長期任務を終えて戻ってきたところである。
同長官は、非常事態だったとは言え、今後10ヵ月以上にも及ぶ連続任務は避けたいと表明した。
一方、同長官は、ジョー・バイデン大統領(78歳)が示す方針の下、中国の海洋進出が著しい太平洋、及びイランの脅威がある中東に重点的に米軍を結集させていく考えであるとも言及した。
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米国から国際指名手配されている元CIA局員スノーデン容疑者、第一子誕生を契機にロシア市民権取得を画策【米・英国メディア】
米中央情報局(CIA)元局員のエドワード・スノーデン容疑者(37歳、注後記)は、米政府による情報収集活動を暴露したため米国から国際指名手配されている。2013年より、ウラジーミル・プーチン大統領の庇護の下で、ロシアに短期滞在(3年毎の滞在許可更新)しているが、この程、第一子が誕生することになったことから、ロシア入出国が自由になることを希望しロシア市民権を取得すべく具体的行動を起こしている。
11月2日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「エドワード・スノーデン、第一子誕生を契機にロシア市民権取得に奔走」
モスクワに滞在中のエドワード・スノーデンは昨年、自身の回顧録の中で、同地滞在では心が休まないと吐露している。
すなわち、世界的に著名となったことから、多くの住民がカメラを片手に彼に接触を試みたりするため、彼自身、街を歩く場合は変装したり、公共交通機関も自由に使えないからだと
いう。...
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11月2日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「エドワード・スノーデン、第一子誕生を契機にロシア市民権取得に奔走」
モスクワに滞在中のエドワード・スノーデンは昨年、自身の回顧録の中で、同地滞在では心が休まないと吐露している。
すなわち、世界的に著名となったことから、多くの住民がカメラを片手に彼に接触を試みたりするため、彼自身、街を歩く場合は変装したり、公共交通機関も自由に使えないからだと
いう。
しかし、11月2日に明らかにしたところによると、米人妻のリンゼイ・ミルズ(35歳、2017年に結婚)が妊娠していて近々第一子が誕生することになることから、安住の生活を求めてロシア政府に市民権授与の申請をしたという。
スノーデンは、米政府の情報活動を暴露したことから、世界トップランクの国際指名手配犯となっている。
彼はツイッターで、“(2013年以来)自身も妻も両親に会えていないため、これから生まれてくる子供(男の子)には同じ思いをさせたくない”と書いている。
彼のロシア人代理人アナトリィ・クチェリーナ弁護士(60歳)は11月2日、『インテルファクス通信』(1989年設立の非政府系通信社)のインタビューに答えて、“彼の第一子は、12月に誕生した時点でロシア市民権を取得できる”とコメントした。
スノーデン夫妻は現在、ウラジーミル・プーチン大統領の庇護の下でロシアに長期滞在しているが、同大統領にとっては、米政府が行っていた世界中の要人の盗聴行為を白日の下にさらしたスノーデンを英雄として扱い、対米対峙の駒に使ってきている。
但し、スノーデン自身、2013年からのロシア滞在中、ロシア情報機関のために一切働いたことはないとした上で、将来米国に晴れて帰国することを望んでいると語っていた。
そうした中、スノーデン夫妻は先月、ロシア政府から永住権を与えられたこと、及び妻が妊娠していて年末に第一子が誕生する予定であると明かした。
そこで直近のツイッターでスノーデンは、“ロシア市民権を得ることで、米市民権と併せて二つとなり、米ロ間のみならず、他国への移動・訪問が自由になることを希望している”とした上で、“いずれは愛する米国に帰国し、そこで息子を育て、また両親含めた家族皆で暮らせる日を心待ちにしている”と言及している。
現在夫妻はモスクワの賃貸アパートに暮らしていて、国際会議等に出席したりすることで生計を立てているという。
なお、スノーデンは今年9月、ドイツの『ディー・ツァイト』(1946年創刊の週刊全国紙)のインタビューにおいて、10年前にもし将来が見通せたらと質問されて、“(目下滞在している)ロシアは第一希望の場所ではなかった”と告白している。
11月3日付英国『ジ・インディペンデント』紙:「エドワード・スノーデン夫妻、息子誕生に先立ちロシア市民権申請」
スノーデンの妻であるリンゼイ・ミルズは先週、妊娠していて12月に第一子の男の子が誕生する予定であり旨インスタグラムで明かした。
スノーデンもツイッターで、“妻も自分も米国籍は放棄しておらず、そこでロシア市民権を取得した上で、ロシア入出国が自由にできるようにし、そして将来は愛する米国に戻って、そこで息子を育て、家族皆で暮らせることを望んでいる”と言及した。
米当局は、スノーデンを米機密情報窃盗及び漏洩の罪で国際指名手配していて、米国に戻り次第裁判にかける旨コメントしている。
しかし、スノーデンは昨年、自身が米国に帰国する場合、公平な裁判が保障される場合に限ると表明している。
(注)エドワード・スノーデン:2005~2013年、米国家安全保障局 (NSA) 及びCIAに所属した元局員。2013年初め、NSAで請負仕事をしていた米コンサルタント会社、ブーズ・アレン・ハミルトンのシステム分析官として、米連邦政府による情報収集活動に関与。同年6月、香港で複数の新聞社の取材やインタビューを受け、それまで陰謀論やフィクションで語られてきたNSAによる国際的監視網(PRISM)の実在を告発。同月下旬、米司法当局により香港政府に臨時逮捕と引き渡しの要請が出され、エクアドルなど第三国への亡命を検討しているとされていたが、同年8月にロシア移民局から期限付きの滞在許可証が発給されて以来、ロシアに滞在。なお、2014年1月、ノルウェーの元環境大臣からノーベル平和賞候補に推薦されている。
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